カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

第133話 黄泉がえり

前回の話※1には、もう少し続きがあるので、今回も僕、カメ輔がナビゲーターとして話しを進めていくよ。 奥さんは、ユッカ姉さんを部屋の中に入れ、あることをしゃべり始めた。 奥さん:ユッカと初めて出会ったのは、私の誕生日だったのよ。月日が経つのは早…

第132話 命の恩人

今回の話は、僕、カメ輔がナビゲーターとなって進めていきたいと思うが、読者の皆様、いいかぇ。(大分の方言で、いいですか?という意味) 最近、朝晩めっきり冷え込むようになり、日中でも寒い日が続いていますが、読者の皆様、いかがお過ごしですか? あ…

第131話 お見合い

主人は、吾輩をチラチラ見ながら、奥さんと何かを話している。たぶん、また、吾輩の噂話をしているのだろう。 聞きたいような、聞きたくないような気持ちだが、やっぱり聞くことにしよう。 主人:ワシ(主人)の知人が先日亡くなったんだよ。その人は、カメ…

第130話 血液B型part2

普段、吾輩はモデルの仕事が終わった直後、バスケットに入れられ、水槽の中に戻されるのであるが、今回は少し違っていた。奥さんは、しばらくの間、吾輩を床に置いたまま自由に遊ばせてくれたのである。 吾輩は、「これは撮影が上手くいったご褒美かもしれな…

第129話 血液B型Part1

10月30日の午前、吾輩は、久しぶりに奥さんから甲羅をゴシゴシ洗ってもらった。今日のゴシゴシは、何か気合いの入ったゴシゴシで、「今日は何かあるぞ!」と直感した。そして、その日の午後、奥さんは、吾輩をいつもの小さなバスケットを入れ、謎の部屋…

第128話 プロポーズ

吾輩は、苦節9年、ようやく水槽の壁を越えることができるようになり、自宅のリビングルームを見渡すことができるようになった。※1 そして、最初に吾輩の目に飛び込んできたのは、しかめっ面をしてパソコンと睨めっこをしている主人の姿であった。眉間にし…

第127話 前科一犯

10月某日、吾輩とカメ輔のための朝食タイムが始まった。朝食といっても、主人が市販のマメ(配合飼料)を吾輩とカメ輔の水槽の中にバラ撒いているだけである。 もちろん、その順番は、先輩の吾輩からである。 主人は、今日も、いつものように、隣の水槽に…

第126話 カメの恩返し

今日、主人と奥さんは、早めに就寝することにした。 吾輩は、心地良く熟睡ができると期待していたのであるが、どうも寝つきが悪い。 また、何か変なことが起こるような予感がしてきた。 すると、白いモヤの向こう側に、どこか見覚えがあるような黒いシルエッ…

第125話 しあわせ未満

コロナ禍で、我が家も御多分に漏れず陰鬱な日々が続いている。 家族で外食することもなくなったし、吾輩がお供することもなくなった。 ああ、情けない。 でも、今日は、何か素敵な出来事が起こる予感がする。 そして、その予感がみごと的中した。 主人は、あ…

第124話 ペットロス症候群

主人が、奥さんと何やら話しをしている。 今日は何の話しをしているのかなぁ? 吾輩はとても暇なので、盗み聞きすることにしよう。 主人:SNSを見ると、ペットロス症候群※1で悩んでいる飼い主さんが多いなぁ。 奥さん:へえ~そうなの。私も昔、お祭りで買…

第123話 趣味

今回は、奥さんの趣味について語りたいと思う。 奥さんは、とても好奇心旺盛な人なので趣味も多いが、飽きっぽい性格なので、長続きはしない。 今、一番お気に入りの趣味は、写真撮影をすることである。 奥さんが写真撮影を始めたのは、一昨年の 11月頃。 …

第122話 食わず嫌い Part2

主人:さあ~今日はお前達にご褒美をやるからなぁ。 まだ、お前達が今まで食べたことのない食べ物だぞ! 吾輩は、嬉しくなって「キュッキュッ」と喉を鳴らした。 そして、あの栄光の時代が、脳裏をよぎった。 焼き魚のホッケから始まり、ビーフジャーキー、…

第121話 食わず嫌い Part1

主人は最近、毎日朝一番に、吾輩とカメ輔に朝食をくれる。 食事管理を怠ったため、ぶくぶく太った吾輩の姿とヒューヒュー喉をならしているカメ輔の姿を見て、主人は反省したのであろう。 吾輩とカメ輔にとって、これは、たいへんありがたい事だと思う。 話は…

第120話 定期健康診断

今年も、あの嫌な時がやってきた。 そう、主人の職場の定期健康診断だ。 主人は、定期健康診断の2~3週間前から奥さんに「定期健康診断が終わるまで、絶対に間食はせんぞ!スーパーでおやつは買わんようにしてな」と言うのである。 そして、どういう訳か?…

第119話 蓄膿症Part2

水槽の上の方から声が聞こえてきたので、見上げると、困っているような顔をした主人が見えた。 「どうしたのかな?」と思っていると、主人がポツリポツリと話しだしたのである。 読者の皆様、いよいよここから「主人のひとりごと」が始まるよ! 主人:ああ~…

第118話 あの世からの訪問者 Part2

さあ、前回に引き続き、「あの世からの訪問者Part2」のおもしろい話しが始まるよ! 爺ちゃん:良いことを聞いたので、お前が喜ぶ話しをしてあげよう。 孫(奥さん)は、いつも、お前とカメ輔が、疲れた心を癒してくれ、モデルとしても頑張っていると褒めてい…

第117話 あの世からの訪問者 Part1

その日は、なぜか朝から奥さんの爺ちゃんのことが頭に浮かび、夜になって床に入ってもなかなか寝付けなかった。 しばらくして、白いモヤの向こう側に、人らしき黒いシルエットが現れ、吾輩の方に近づいてきた。 吾輩が、身構えると、その黒いシルエットが話…

第116話 俺は大人だ Part2

僕は、甲羅の中に引っ込めていた首を伸ばし、辺りを見渡した。 そして、スマホをじっと見つめていたが、僕は、まだ、動かなった。 「動かざること岩のごとし」だ。 子供じゃあるまいし、二度と同じ失敗はしないよ。 そして、スマホとにらめっこが、2分間ほ…

第115話 俺は大人だ Part1

今日は、「こどもの日※1」だそうだ。 人間の社会には、いろいろお祝いの日があって良いなぁ。 だって、カメの社会には、お祝いの日なんてないよ。 僕なんか、祝ってくれる親もいないよ。 即「唯我独尊」で生きていかなくちゃいけないんだ。 あっ、そうそう…

第114話 朋あり遠方より来る Part2

さあ、今回のお話は「朋あり遠方より来る」の最終章だよ! 前回の話では、ユッカ姉さんが、僕の触れて欲しくないところに、ドンドン踏み込んできた話で、僕が、耐えきれず、反撃を開始しようと思ったときも、ユッカ姉さんのおしゃべりが続いたんだよなぁ。 …

第113話 朋あり遠方より来る Part1

僕、カメ輔。今回のブログは、僕が担当することになったので、皆様よろしくお願い致します。どうして、今回は、僕が担当することになったかというと、今日は、僕にとって、特別な日になる予感がしたからなんだ。 さてと、お話を始めるか。 主人は 、ベランダ…

第112話 春の甲子園

今日、吾輩とカメ輔は、春の甲子園選抜高等学校野球大会の決勝戦、明豊対東海大相模の試合を観戦するために奥さんの実家に来ている。 時刻は、4月1日(木)の12時30分で、今、まさにその戦が始まろうとしているところである。 残念ながら、主人は仕事…

第111話 刎頸(ふんけい)の友 Part3 

* これが、鳩吉の写真です。 「ああ~とうとう行ってしまったか!」 鳩吉が東の空へ飛び立ち、吾輩の心には、ポッカリと穴が開いてしまったようだった。 と、その時、主人から意外な言葉が発せられたのである。 主人:カメ子、お前、鳩吉とずっと話をしてい…

第110話 刎頸(ふんけい)の友 Part2

主人は、吾輩を透明な水槽の中に入れ、 元居た場所まで戻った。 そして、吾輩を地面の上にそっと置き、 一人残して、近くにある石造りのベンチに座った。 しばらくすると、奥さんが撮影場所から戻って 来て、主人に何か食べ物を渡し 「このコッペパンをちぎ…

第109話 刎頸(ふんけい)の友 Part1

今日は、とても良い日になりそうな気がする。 なぜ?って、主人と奥さんが、吾輩とカメ輔を遊びに連れて行ってくれるからだ。 果たして、どこに連れて行ってくれるのか?とても楽しみだ。 そして、その時がやって来た。 朝の10時頃に主人が、吾輩とカメ輔…

第108話 銀幕デビュー

*カメ子の着物姿の動画が見たい方は、Instagramのhino0719を検索してくださいね! 令和3年3月3日は、記念すべきカメ輔の銀幕デビューの日である。 ついに、この日がやって来た。 吾輩は、カメ輔の親になったような気持ちで、果たして上手く撮影ができる…

第107話 一転攻勢

2月のある日、突然、奥さんの右目の瞼が腫れてしまった。 吾輩が、いつものように、主人と奥さんの話しを盗み聞きしていると、今日、奥さんは眼科に行って診察してもらったようだ。 ところが、奥さんと主人の話しが、意外な展開になっていったのである。 医…