カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第112話 春の甲子園

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  今日、吾輩とカメ輔は、春の甲子園選抜高等学校野球大会の決勝戦、明豊対東海大相模の試合を観戦するために奥さんの実家に来ている。

時刻は、4月1日(木)の12時30分で、今、まさにその戦が始まろうとしているところである。

残念ながら、主人は仕事でこの場にはいないが、野球がとても好きなので、お昼休みにきっとどこかで観戦しているに違いない。

吾輩は奥さんの膝の上、カメ輔は母親の膝の上で、テレビの画面をじっとみつめている。

だが、明豊が先攻なので、吾輩は、とても嫌な予感がしてきた。

このことが、後になって、たいへんな結果を及ぼすことになろうとは・・・。

そして、普段は、あまりスポーツには興味を示さない奥さんが、甲子園の高校野球の試合には気合いを入れる理由があった。

それは、奥さんの父親が、昔、大分県立津久見高等学校の野球部の主将をしており、甲子園に出場していたからだ。

読者の皆様は、ご存じないとは思いますが、大分県津久見高校は、県内では、唯一、

1967年、春の甲子園、1972年、夏の甲子園を制覇した野球の強豪校で、その当時としては、九州勢で初めて春、夏の甲子園を制覇した高校です。

一方、奥さん自身も、明星幼稚園の卒園生なのである。

そこの幼稚園は、お坊ちゃま、お嬢様しか通えない幼稚園らしく、主人が通っていたような、「そんじょそこらの幼稚園ではない」らしい。

奥さんは、いつも、これをネタに、主人をいじめているのだ。

カメの吾輩にとっては、どうでも良いことである。だって、吾輩は、「とある温泉施設」で生まれ、口減らしのため、里子に出された身である。さしずめ、人間社会では、尋常小学校中退ってとこかな。情けないというか、開いた口がふさがらない。

でも、ひがんではいない。だって、吾輩は、学歴がなくても修行をして、こんなに立派なモデルになったのだ。(でも、まだ、モデルの給料はもらったことがないぞ!)

それに、勉強せずとも、奥さんと主人の会話のやり取りで、人間の言葉が分かるようになった。

そして、主人には、カメの言葉を教えたが、やはり、理解することができなかったようである。

また、吾輩は、人間社会のいろいろなことを勉強した。野球もそのひとつだ。

主人が某プロ野球球団の熱狂的なフアンで、一緒にラジオを聴いていたからな。

だから、ルールはもちろんのこと、選手名やその選手の性格も知っているよ。

すごいだろう。こんなカメが、他にいるか?

これも、10年間、主人と奥さんと同じ屋根の下で暮らし、プライバシーなしの生活にもじっと耐え、人間様の知識を吸収してきたからな。あっ、そうそう、カメ輔は、野球なんて知らないかもしれない。だとすると、ルールも分からないカメ輔にとって、野球観戦はちょっと辛いかもしれないなぁ。まあ~ちょっとの間、人間様に相槌を打って、適当に流しておくことだな。

あ~奥さんが、一生懸命明豊を応援している様子を見ていると、野球の応援なんかより、昔の奥さんや主人との楽しいひとときのことが、走馬灯のように浮かんできて、どうしても、応援に集中できないよ。試合は、5回終了した時点で、明豊2対東海大相模2の同点で、決勝戦らしい緊迫とした試合が続いていた。日頃の奥さんは、応援チームの攻撃の時、決まって「ヤレー、ヤレー」と決まり文句で応援しているが、守備に入ると、どこかに行ってしまい姿が見えなくなるのである。でも、今度は違っていた。

必死の形相で応援しているのである。

それを見ていると、吾輩も真剣に応援しなくちゃいけないなぁ。と思ってきた。

そして、ついに最終回9回の裏、東海大相模の攻撃となった。

2対2の同点、そして、運命のその時がやって来た。

結果は、2対3の明豊のサヨナラ負けとなったのである。

吾輩は、一瞬、その結末に、ただ呆然とし、だんだん悔しい思いが湧いてきたのである。そして、無念の気持ちを抱きながら、奥さんの顔を見た。

そこには、唖然として頭の中が、からっぽになったような表情の奥さんがいた。

ところが、その後、奥さんの表情がみるみる変わっていき、不気味な笑みさえ浮かべていたのである。

そして、思いもよらぬ言葉を発した。「次は、夏の甲子園で優勝よ!」その後、奥さんは、試合の結果に、全く動じていなかったのである。これを見て、吾輩は、ため息をつきながら思った。

カメ子:奥さんは、冷静で、大物だ。

人間の男女間で別れ話が出た時は、男は未練がましく別れた相手を思い続ける。

その一方で女性は、すぐに次の良い人を捜そうとする。たぶん、奥さんもそんな女性の一人だろうなぁ。と思う。

それに比べ、吾輩は人間の男性と同じで、女々しくて、なんと情けないことである。

ところで、カメ輔は、野球の事が何も分らないが、つきあいで明豊を応援していたようである。カメ輔には、「宮仕え」ご苦労様と言い、ねぎらってあげたい。

 

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※:1999年(平成11年)4月、別府大学附属高等学校を運営していた学校法人別府大学と明星(みょうじょう)中学・高等学校を運営していた学校法人明星学園の合併によって発足した。校名は明星学園の「明」と別府大学の旧称の豊州女学校の「豊」を合わせたもの。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』