さあ、今回のお話は「朋あり遠方より来る」の最終章だよ!
前回の話では、ユッカ姉さんが、僕の触れて欲しくないところに、ドンドン踏み込んできた話で、僕が、耐えきれず、反撃を開始しようと思ったときも、ユッカ姉さんのおしゃべりが続いたんだよなぁ。
ところが、今回は、僕の知らない真実がどんどん出てきて、話しは意外な方向に進むことになるんだよ!
さあ、お話しを始めるよ!
準備は、いいかぇ?
ユッカ*1:あなたの良さは、皆がわかっているからね。嫌なことを言われても、我慢しなさいよ!
そこで、あなたの知らないことを、ちょっとだけ、教えてあげるわね!
実はね、カメ子兄ちゃんと今は亡きカメ吉がここに来る前に、私には、無二の親友がいたのよ。
名前はドラセナ*2と言って、私以上に背がスラッとしていて美人だったの。
私に似て?美人薄命で、寒さに耐えきれずに死んでしまい、私は、ショックのあまり、水も喉を通らず?死にそうになったことがあったのよ。
その時、主人と奥さんは、やつれた私を慰めてくれ、とても大切に育ててくれたわ。
特に主人は、「ドラセナのようには、死なせない」と言い、ストーブの近くに置いてくれ、私の体(葉っぱ)を優しく撫でてかわいがってくれたの。
主人達は、私の命の恩人で、とても感謝をしているわ。
そして、その後、しばらく経ってから、カメ子兄ちゃんとカメ吉がこの家にやって来たのよ。
でも、その時の私は、カメが、苦手で生理的に受け付けなかったのよ!
(あなたには悪いとは思うけど、仕方が無いの、ごめんね)
だから、自分からは一度も、話しかけたことがなかったの。
そして、しばらくしてから、あなたがここへやって来たのよ。
あれから毎日、カメという異生物を見ていて、免疫ができていたのか、私は、あなたを初めて見た時、ビビッときたのよ。
あなたの顔は、決してハンサムとは言えないけれど、(一言多いぞ!)とても愛嬌がある顔だったので、あなたには、自分から声をかけたのよ。
そんな訳で、決して主人や奥さんを憎んではいけないよ。
主人達は、カメ子兄ちゃんにはない、あなたの良いところをちゃんとわかっているわよ!それに、私をはじめ、皆、あなたの味方なのよ。
ユッカ姉さんの熱弁で、僕は、ユッカ姉さんに対しての見方が大きく変わり、
「ありがとう」と素直に言える気持ちになった。
ちょうどその時、主人が、僕に向かって話しかけてきた。
主人:お~二人で何か良い話しが出来たか?
カメ輔、お前にとって、ユッカは、「朋あり遠方より来る*3」だなぁ。
でも、真の友って、意外に近くにいたようだな。お前にも、「刎頸の友」が出来たじゃないか。真の友っていうのは、見た目や言葉使いだけじゃないぞ、良かったなぁ。
おめでとう。
日頃は、「また、主人が古い言葉使いをし、訳のわからないことを言っている」と呆れているのであるが、今回はいつもとは違い、まるで、僕とユッカお姉さんの会話が完全に分かっているかのようであった。
僕は、内心、ゾ~として背筋が凍り付くようだった。
この後、僕は、水槽に戻り、ユッカ姉さんの植木鉢も水槽の横に置かれた。
そして、僕は、ユッカ姉さんの方に向かって囁いた。
カメ輔:僕は、これからも、ユッカ姉さんのことを大切にするよ!
カメ子兄ちゃんに言えない悩みがあったときは、相談にのってくれる?
ねえ、ユッカ姉さん、何か、言ってよ!
でも、ユッカ姉さんからの返事はなかった。
僕は、「あれっ、主人と会話をした後から、ユッカ姉さんは、僕に話しかけてこなくなったなぁ。いったい、どうしたのだろう?」と思った。
この後、僕は、主人のいる方を向き、言った。
カメ輔:ユッカ姉さんから色々と、話しを聞き、主人って本当に優しい人だなぁ。と、思ったよ!
これから、いろいろ御迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、末永く
よろしくお願いします。
主人は、今まで自分には決して近づかない僕が近寄って来たので、とても驚いた様子であったが、ニコニコ微笑みとても嬉しそうだった。
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ユッカ*1:北アメリカ大陸から中米に47種が自生。耐寒性のあるものが多く、多くは庭園材料として用いられている。
ドラセナ*2:熱帯アジアや熱帯アフリカに分布している常緑性の中低木。
朋あり遠方より来る*3
心の友と呼べるような親友が遠くから訪ねてきてくれること。
(たいへん嬉しく、楽しいこと)
『論語(ろんご)』の開巻第一に出てくる言葉。