カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第122話 食わず嫌い Part2

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主人:さあ~今日はお前達にご褒美をやるからなぁ。

まだ、お前達が今まで食べたことのない食べ物だぞ!

吾輩は、嬉しくなって「キュッキュッ」と喉を鳴らした。

そして、あの栄光の時代が、脳裏をよぎった。

焼き魚のホッケから始まり、ビーフジャーキー、鮭の「ときしらず」やマグロの炙り、牛肉のステーキ、豚ロース肉のしゃぶしゃぶ、魚肉ソーセージ、防腐剤の入っていないパン、刺身用ブリトロ、刺身用のマグロ等が食べられたこと。

あれは、吾輩の黄金期だった。

(第12話 至福の時 それは「食べる」こと:現在は、ブログには未掲載です)

今でも思い出すと、思わずよだれが出そうになる。

そうこうしていると、主人が、箸で何かをつかみ、吾輩の鼻先まで近づけてきた。

それは、直径1cm位の赤い身であった。

吾輩は、「マグロの刺身かなぁ?でも、今までに食べたことがない食べ物と言っていたので、マグロではない。だとすると、これは、マグロに似た魚だろうなぁ」と思った。

そして、今度も毒が入ってないか、嗅いをかぎ、口に含んでみた。

すると、生臭くはなく、無臭で水っぽかった。

しばらくして、口の中に甘さが拡がってきた。

これは、きっと鮮度が良い魚?に違いないと思った。

(早速、カメ子の「孤独のグルメ」が始まったぞ!)

そして、もう1個食べてみた。

今度は、ゆっくり、じっくり噛んでみた。

やはり、初めて味わう味で、美味だ。

吾輩が、「これ、何という魚かなぁ?」と熟慮していると、

主人は、「さあ、今度はカメ輔の番だ」と言って、サッサとカメ輔のいる水槽に向かって歩いて行った。

吾輩は、「おそらくカメ輔は食べないだろうなぁ~だって、今までマメ以外は食べたことがないし、初物を食べる勇気なんてない臆病者だよ」とブツブツ言っていた。

そんな吾輩のひとりごとを知ってか知らずか、ついに、主人がカメ輔にお刺身?を与える瞬間がやってきた。

そしてその時、主人は、カメ輔にとどめを刺す言葉を発したのだった。

主人:あっ、そうそう、そう言えば、あの時もそうだったなぁ。

テレビ局のカメラマンの方が、カメ輔の姿を間近で撮影しようとして、カメラを近づけた。

すると、それまで、水槽の中を自由気ままに歩きまわっていたカメ輔が、顔を甲羅の中に引っ込めて撮影が出来なかったことがある。その時にカメ輔が内弁慶で、小心者だと分かったよ。

(詳細は、第93話 運命が変わる日 Part4を読んでください。) 

それから、しばらく静寂な時間が流れた。

おそらく、カメ輔が刺身?を、食べるべきか?食わざるべきか?

にらめっこをしているのであろう。

吾輩は、「おい、まだか。じれったい。早くしてくれよ。その後に、もう一度、吾輩が控えているんだぞ。どうせ、食べないのだろう」と思っていた。

と、その時、主人から予期せぬ、驚愕の言葉が発せられたのである。

主人:びっくりした!カメ輔が「スイカ」を食べた。

青天の霹靂だ。この言葉を聞いた吾輩もびっくりしてしまった。

そして、主人は、今度はため息交じりの言葉を発したのである。

主人:ああ~今日はなんて日だ。驚くことばかりが起こる。

あの肉食のカメ子が、スイカを食べ、臆病で小心者だと思っていたカメ輔も「スイカ」を食べた。

今日は、何か凄いことが起こっているような気がする。

吾輩は、聞き捨てならぬことを聞いてしまった。

あの刺身だと思っていた物の名前が、「スイカ」だったとは・・・。

でも、どうして主人はびっくりしたのだろう。

「スイカ」ってお魚だよね?

(カメ子は、まだ、【スイカ】を魚だと勘違いしているようである。)

主人が、こう思うのも無理はない。

これまでカメ子は、魚や肉類、食品添加物の入ってないパン以外は、食べたことがない。だから、カメ子はまだ「スイカ」を魚だと思っているようである。

SNSの情報では、雑食だといわれているカメでも、魚・肉は食べるが、野菜・果物は食べないカメもいるそうだ。

その一方で、野菜・果物は食べるが、魚・肉は食べないベジタリアンのカメもいるそうである。

そんなことで、主人は、カメ子とカメ輔を野菜・果物嫌いなカメだと思い込み、

「食わず嫌い」だと勘違いしたのであろう。

これは、仕方がないことかもしれないね。

カメ子が「【スイカ】は魚ではない」と気が付くのには、もう少し時間がかかりそうである。

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【追記】

 その後、第2段として、二人にトマトを与えてみた。

すると、カメ輔は、「これは、何だろう?」と、しばらくの間、にらめっこしていたが、ついに食べたのである。

一方、カメ子は、スイカと同じ色ということもあって、口には入れたもののトマトの皮だけ吐き出してしまったのである。

雑食といわれるカメも、人間と同じように偏食をさせないように育てることが大事です。

カメに初めての食べ物を与えて、食べるかどうか?その反応を観察するのもおもしろいし、いろいろな食べ物にチャレンジ出来るので、カメ自身も楽しみにしているようですね!