その日は、なぜか朝から奥さんの爺ちゃんのことが頭に浮かび、夜になって床に入ってもなかなか寝付けなかった。
しばらくして、白いモヤの向こう側に、人らしき黒いシルエットが現れ、吾輩の方に近づいてきた。
吾輩が、身構えると、その黒いシルエットが話し掛けてきたのである。
黒いシルエット:おいおい、カメ子。ワシじゃ。久し振りだなぁ。もう、忘れたのか?お前の家の奥さんの爺ちゃんだよ。以前登場した時は、※1お前の前世がワシだったなぁ。
それにしても、いろいろ大活躍しているらしいな。
孫から度々(たびたび)聞いているぞ。
すると、吾輩は、「この爺ちゃん。いったい何を言っているの?」
「奥さんの爺ちゃんだよ」と言われても、信じられないし
突然現れて、吾輩は名前を呼び捨てにされる筋合いはない。
あ~もしかして、この爺ちゃんも吾輩の妄想から出てきた創造物なんじゃないのか?」と心の中で思った。
ところが、奥さんの爺ちゃんは、ニタッと含み笑いをしながら言ったのだ。
爺ちゃん:おっと、ワシは、妄想から出てきた創造物なのか?
それを聞いて、「えっ、どうして吾輩の考えていることがわかるの?」と思った。
そして、間髪入れずに、爺ちゃんは答えたのだ。
爺ちゃん:じゃ、ワシが、あの世から来た本物の爺ちゃんである証拠を見せよう。
今から、お前の知らないことを話すことにするよ。
「カメのひとりごと」の本が、全国出版されて間もなく、ワシの孫(奥さん)と母親が、ワシの墓参りに来て、墓前にその本を置いたんだ。
そして、「お爺ちゃん、やっと本が出来たよ!酒屋が舞台の場面には、お爺ちゃんも登場しているよ」と言って、わざわざ報告に来てくれたんだ。
ワシは、「さすが、ワシの孫じゃ。とうとう、作家になったか」と思い、感慨深かった。
そして、今度は吾輩が言った。
カメ子:えっ、それは、初耳だなぁ。奥さんから、そんな話しは聞いたことがないよ。もしかして、本当にあの世から来た本物の爺ちゃんかも知れないなぁ?
すると、さらに爺ちゃんは言った。
爺ちゃん:おお~やっと信じてくれたようだな。
さてと、この辺で、ワシがお前の夢の中に出てきた理由を話すことにしよう。と言い、訥々(とつとつ)と話し始めたのである。
爺ちゃん:実はなぁ~ある日、ワシの孫(奥さん)から
「爺ちゃん。目が痛いよ、助けて」という悲痛な叫び声が聞こえてきたんだ。
これは、一大時だと思い、あの世から孫にコンタクトをとったが、全く返事がなかった。
それで、孫のことが心配になって、暇そうなお前を選んで、あの世から来たんだよ。(カメ子:お爺ちゃんは、ひどい事を言うよなぁ~)
この世で言う「虫の知らせ」というものをお前に送り、夢の中で、ご対面したんだ。
孫の目のことを何か知っているか?
吾輩は、「えっ、急にそんなことを言われても、わからないよ。吾輩にとっては、ありがた迷惑な話だなぁ。
いけねえ。爺ちゃんは、吾輩の言っていることが全てわかるんだった」と心の中でつぶやいた。
そこで、しばらく考えて、仕方が無いので答えた。
カメ子:うん。この前、奥さんは、SNSのやり過ぎで、「目が痛い」と言っていたよ。そして、眼科に行ったところ、「大丈夫だって」言われたそうだよ!と言ったのだ。
すると、それを聞いた爺ちゃんは、「そうだったか。良かった。良かった。それを聞いてホットとしたよ。ありがとう」と言った。
そして、笑みを浮かべた爺ちゃんから、この後、さらに、
あっと驚く話しが飛び出してきたのだ。
さあ、次回の話しは、もっとおもしろいよ!
乞う、御期待!
※1:「カメのひとりごと」の本に掲載中
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