カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

第100話 公園デビュー

今日は、カメ輔にとって記念すべき日になるとは、誰も知らなかった。 奥さんが外出した後、主人は、吾輩とカメ輔を水槽から出し、小さいバスケットに入れた。吾輩は、日頃、主人と奥さんの会話で、何をするのか、だいたいわかるが、今回ばかりは全くわからな…

第99話 時事放談

主人は、朝から奥さんと職場の忘年会のことについて、話しをしている。 「今年は新型コロナが流行っているので、忘年会ができるかなぁ?5人以上のグループだったらできないんじゃないかなぁ~」 吾輩は、こんな状況になっているのにもかかわらず、忘年会に…

第98話 かくれんぼ

吾輩は、あの時以来、お世話になっている主人を「餌くれおじさん」や「用なしおじさん」とは、決して思わないように決めた。 あの時とは、奥さんと主人がグルになって吾輩を説教した時のことだ。 (第95話 蜘蛛の糸 Part2をご覧ください。) そして、そう考え…

第97話 Happy Halloween

*動画をご覧になりたい方は、 Instagramのhino0719を検索してください。 主人は、なぜか今朝から機嫌が良い。 今日は、夕方から久しぶりに職場の飲み会があるらしい。 「コロナ禍で自粛しなければいけないときだが、まあ、たまには良いではないか」と のん…

第96話 スター誕生

吾輩は、ついに、令和2年9月24日、テレビに初出演することになった。 まさしく、「スター誕生」としての第一歩を踏み出そうとしている? テレビ放映を明日に控え、奥さん、主人、そして実家の母親までもが、親戚、友達、知人に対しての電話攻勢を開始し…

第95話 蜘蛛の糸(Part2)

我が家では、主人が一番早く、その次に奥さん、吾輩、カメ輔の順に目覚める。 「よっしゃ、ついにその時が来たな」と思い、吾輩は意を決し、主人のいる方向に近づいて行った。 水槽の上に見える主人の姿が、段々と大きくなってきた。そして、主人は、吾輩によ…

第94話 蜘蛛の糸(Part1)

10月のある日曜日の午後、主人と奥さんは、いつものように会話を始めた。 今日は時間に追われている様子もなく、暇なひとときを二人で満喫しているようであった。 吾輩のスケジュールも、運良く今日は、空白であった。 (いつも、空白じゃないの?) さて…

第93話 運命が変わる日( Part4)

謎の女性の撮影が終わると、記者のBさんが「今度は、カメ子さんの映像を撮りましょう」と言った。 カメ子:なにー!そんなの聞いてないよ。だって、打ち合わせも何もないじゃん。何をしゃべって良いのかわからないよ。(カメ語を話したって、人間はわからな…

第92話 運命が変わる日(Part3)

部屋の中に入ってきた2人の男性が 「〇〇〇放送です。今日は、どうぞよろしく お願いします。」と言った。 吾輩は「なに、〇〇〇放送だと! あの有名なテレビ局か? これは、とんでもないことになったぞ! いったい、何でこんな所に来たのかなぁ?」 と思っ…

第91話 運命が変わる日(Part 2)

車のエンジン音が止まった。どうやら目的地 に到着したようである。 車の中から「育ての親の邸宅?」らしき家が 見えた。 さっそく、誰なのかよくわからない謎の女性 が、車を飛び降りて家の中へ入って行った。 そして、主人は、吾輩が入ったバスケットを 持…

第90話 運命が変わる日(Part1)

吾輩の運命が大きく左右するかもしれない時が、刻々と迫ってきている。 今日がその当日で、奥さんと主人(今日は奥さんが主人公である)は、朝から落ち着かずソワソワしている。 奥さんは、明け方まで「大事な仕事」の準備に追われ、ほとんど寝ていないよう…

第89話 角(つの)

二ホンイシガメの赤ちゃん (姫路市立動物園のブログから 引用) 今日は、主人と奥さんが朝から外出し、 夕方、家に帰ってきた。 月に1度、いつも2人で、ある場所へ 行っているようだが、我がカメ達には どこへ行っているのか教えてくれない。 どうして、…

第88話 げってん

ああ、今日も外が暗くなってきた。 そろそろ、夕食が始まる時間だな。と思っていた。 といっても、我がカメ族の食事時間は決まっている わけではない。 まったく、主人には困ったものだ。 吾輩にもお腹の準備があるんだぞ!と思っていると、 主人が動き「シャ…

第87話 我が人生で一番恥ずかしい思い出

最近、主人は、吾輩たちを散歩に連れて行ってくれない。 何やらSNSとかをやっているらしく、吾輩たちにかまっている 暇がないらしい。 いささか、人間たちに対する不満が鬱積(うっせき)している。 こうなりゃ、主人が好きな吾輩のパフオーマンスもやら…

第86話 不純な心

ああ、今日も暑い1日の始まりだ。 老体(8才で?)は、暑さに弱い。 でも、今日はいつもの吾輩とは違う。 心をうきうきさせながら、あることを期待していた。 というのは、主人と奥さんが良い話をしているのを聞いて しまったからだ。 それは、近々主人の…

第85話 敵は本能寺にあり 

本能寺に 吾輩は、今、Sとはうまくいっていない。 読者の皆様、Sとはいったい誰のことだかわかるかな? さあ、話を進めるぞ。 主人と奥さんは、また、吾輩とカメ輔のことで何やら話しをしている。暇な吾人(ごじん)である。でも、その会話を拝聴する吾輩も…

はじめまして 読者の皆様へ

はじめまして この度、ブログを引っ越してまいりました。 樋下由美子(ひのしたゆみこ)と申します。 今年の7月に「カメのひとりごと」という本を出版しました。 本の内容は、ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた 人間社会をおもしろおかしく書い…