10月30日の午前、吾輩は、久しぶりに奥さんから甲羅をゴシゴシ洗ってもらった。今日のゴシゴシは、何か気合いの入ったゴシゴシで、「今日は何かあるぞ!」と直感した。そして、その日の午後、奥さんは、吾輩をいつもの小さなバスケットを入れ、謎の部屋に連れて行った。吾輩の予感が的中したようである。
奥さんは、吾輩を未だ訪れたことがない?謎の部屋の床に降ろした。その部屋には、大きなポスタ-が貼ってあり、その印象的なポスタ-が吾輩の目飛び込んできた。
吾輩は、このシチュエ-ションは、「はっきり覚えてはいないが、以前にも見たことがある」と思った。
すると、突然、奥さんが、吾輩に向かって話しかけてきたのである。
奥さん:さぁ、これから、カメ子の出番よ。今日は、ハロウィ-ンで貴方が主役なのよ。頑張って!
吾輩は、その言葉を聞き、あやふやだった記憶が一気に蘇ってきた。*¹
そして、「月日が経つのは早いもので、あれから、もう1年が過ぎたんだなぁ」と、感傷に浸っていると、奥さんが動いたのである。
奥さんは、以前と同様に、吾輩の甲羅の上で、ゴソゴソと何かをしている。
吾輩は、「今日の衣装はどんなのだろう?」と期待をしながら、頭を甲羅の中に引っ込めて、なるべく動かないようにしてじっと待っていた。
「それは、なぜって?」吾輩が動いてしまうと、衣装が落ちて着付けができないからさ。これでも、吾輩は、一応一流モデル(自画自賛)だからね!
しばらくして、衣装の着付けが終了し、奥さんは、吾輩から一旦離れた後、再び振り返った。
そして、衣装の着付けが終わっても吾輩は、頭を甲羅の中に引っ込めたままだった。
「それは、なぜかって?」奥さんは、吾輩が頭を甲羅の中に引っ込めて、じっと見つめている姿が好きなんだ。
そして、奥さんは、「さぁ、カメ子ちゃん。こっちにおいで」と言った。吾輩は、その言葉を聞き、右左を見ながら、ゆっくり頭を甲羅の中から出した。
すると、奥さんが、スマホで吾輩の動画を撮っていたのだった。吾輩は、奥さんのいる方に向かって一歩、一歩、足を踏みしめながらゆっくり進んで行った。
吾輩が奥さんの所に到着すると、奥さんは言った。
奥さん:お疲れ様。上手く撮れたわよ。さすが、カメ子ちゃん。モデルとしての才能が抜群ね。モデルのコツを良く掴んでいるわ。吾輩は、心の中で、「あたりまえだろ、これでも一応、本の表紙になった、一流モデルだからね」とつぶやいた。
それにしても、奥さんから、「モデルとしての才能が抜群だなんて」初めて言われて、びっくり仰天し、とっても嬉しかった。
この後、この吾輩の才能が、いったいどこから生まれてきたのか?
次回、その真相が明らかになる。
乞うご期待!
*¹:第97話Happy Halloween
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