カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第106話 黒幕

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*動画をご覧になりたい方は、

 Insutagramのhino0719

 検索して下さい。

 

 吾輩は、令和3年2月2日になるのを心待ちに待っていた。

その日は、吾輩が、世界の晴れ舞台で

ヒーローになれるかもしれない、

とても大切な日だった。

そして、とうとう、その時がやって来た。

主人は、仕事が終わり帰宅すると、吾輩がいる水槽に近づいてきたのである。

吾輩は、うれしさのあまり、いつもの調子で、主人に近づき、

水槽の壁にもたれかかって、バタバタと音をたてた。

それを見た主人は、「そうか、カメ子は、ワシを労ってくれているんだなぁ。

ありがとう」と言った。

吾輩は、「ちょっと、主人は、勘違いしているんじゃないの?」とも思ったが、

これから始まる吾輩の一世一代の大舞台を想像しながら、ウキウキしていた。

一方、主人は、カメ輔のいる水槽を覗き込むと、「おい、カメ輔。お前は、ワシの労をねぎらってくれないのか?

今日は、特に暗い顔をしているぞ!」と言った。

吾輩は咄嗟に、「もしかしたら、カメ輔は、今日もモデルデビューできなくて、

いじけているんじゃないかなぁ?」と感じた。

吾輩は、奥さんと主人が、「2月2日の【節分の日】に、吾輩を主人公にして、

インスタグラムに登場させよう」と話しているのを聞いた。

そして、「今度こそ、カメ輔もモデルデビューできるんじゃないか?」と

期待していた。

でも、その期待は、闇に葬られてしまったかもしれない?

謎は、謎のままである。

なしか?

これじゃカメ輔が、かわいそうだ。

今度こそ、モデルデビューできるかもしれない。と張り切っていたのに・・・。

もしかしたら、カメ輔のモデルデビューを阻止した黒幕がいるのかなぁ?

ああ~吾輩は、物事を悪い方、悪い方に考えてしまう癖があるようだ。

こんなことでは、ダメだ。ダメだ。

でも、これも、吾輩の性格だから仕方がないのかなぁ?

この後も、「カメ輔は、いったいどうなるのか?」ということだけが、

頭の中をよぎっていた。

そして、吾輩は、いつもの撮影場所に連れて行かれたが、案の定、

そこには、カメ輔の姿はなかった。

吾輩は、「カメ輔が、かわいそうだ」と思いながらも、

「さあ、今日も頑張るぞ!」と気合いを入れた。

すると、奥さんが吾輩に近づき、

「カメ子ちゃん頑張ってね。今からドレスアップして、お多福になるのよ」と言った。

吾輩は、その言葉を聞き、「やっぱりか」と心の中で思った。

節分には、2人の主人公がいる。

それは、鬼とお多福だ。

男前の吾輩は、鬼に扮するのではないことはわかっていた。

だとすると、鬼はカメ輔になるなぁ。

たぶん、カメ輔のことだから、「鬼になるなんて嫌だ。僕は、怖い顔なんてしてないよ。それに、外に追い出されるなんて嫌だ」と言い、駄々をこねたのであろう。

とうとう、カメ輔の鬼としての出番はなかった。

しばらくして撮影は、滞りなく終了した。

奥さんは、吾輩に向かって、いつもの調子で「お疲れ様。上手く撮影ができたよ、

よく頑張ったね!」と褒めてくれた。

そして、それを編集し、SNSに投稿したのである。

すると、投稿をして1分を経たないうちに反応が出てきた。

奥さんは、主人に言った。

奥さん:ちょっと、ちょっと、もの凄い反響よ!

「カメ子ちゃん、ゆっくり歩いておとなしいですね!」とか、

「可愛いカメさんですね!」と評判が良いわよ。

吾輩は、「自分でも、凄いなぁ」と思い、誇らしくなった。

ところが、その後、奥さんが、意外なことを言ったのだった。

奥さん:ああ~カメ輔を鬼にしなくて良かった。もし、カメ輔を鬼にしていたら、

どこに行くかわからないし、速く走るので、カメ子が、カメ輔について行けなくて、

結局、撮影は失敗していたと思うわ。

吾輩は、それを聞き、「カメ輔を晴れ舞台に出演させなかったのは、奥さんだったのか?奥さんが黒幕だったのだなぁ?」と思い、びっくりした。

そして、奥さんに対しムカついてきた。

しかし、しばらくして、吾輩は、ハッと気がついた。

もしかしたら、吾輩が歯を食いしばり、カメ輔について行けば、撮影が上手くいったかもしれない。

奥さんが、カメ輔を出演させなかったのは、吾輩が原因なのかもしれないなぁ。

だとすると、本当の黒幕は吾輩か?

なんてこった。ああ、情けない。

でも、歯を食いしばっても、たぶん、走れなかっただろう?

「カメ輔、吾輩が太り過ぎていたのが悪かった。ごめんなぁ」

この前、主人と奥さんが、「以前は、くびれがあったカメ子の甲羅は、今では、

直径25cmのまん丸になってしまった」と笑いながら言っていたのを聞いた。

なんとまあ、こんなに太ってしまい、自分でも呆れるよ。

これじゃ、俊足のカメ輔には、とうてい着いて行けない。

吾輩もひと昔前までは、韋駄天(いだてん)と言われていたのになぁ。

ああ~情けない。

自己嫌悪に陥っている吾輩に、奥さんの口からさらに、追い打ちを掛ける発言があった。

奥さん:ねぇ、カメ子よりもっと評判が良いものがあったのよ。

いったい、なんだと思う。

それは、カメ子の甲羅にちょこんと載せていた恵方巻きだったのよ。

恵方巻きが、とてもリアルでかわいい」って、大評判だったのよ。

それを作った奥さんは、満面の笑みを浮かべていた。

一方、吾輩は、「ああ、恵方巻きごときに負けてしまった」と思い情けなかった。

今日は、仏滅か?(いいえ、友引です。)

機嫌が悪いので、本来なら、ここで一杯やりたいところだが、

残念ながら、吾輩はお酒が一滴も飲めない下戸である。

しかたがないので、早く床につくことにする。

紙面の都合に関係なく、この話しは、

もうこれ以上したくないので、

これで、おしまいとする。

 

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第105話 筋斗雲(きんとうん)

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 1月某日、お昼過ぎのことである。

吾輩は、今日は、何か良いことが起こりそうな気がしていた。すると、主人が、トングで吾輩を水槽から取り出し、バスケットの中に入れたのである。

「おや、今日は、甲羅を掃除しないのかな?」と思っていると、吾輩とカメ輔を入れたバスケット2個を両手にぶら下げ、外に出たのである。

すると、目の前には、見覚えのある景色が広がっていた。

「あっ、この前の公園だ」と思っていると、早速、主人は、吾輩とカメ輔をバスケットから取り出し、地面の上に置いたのである。

そして、吾輩とカメ輔を向かい合わせに置いたのだ。

これには、何か深い意味があるのかな?と思っていると、主人が、「おい、カメ子、カメ輔。今日はご褒美だ。いつも、狭い所で窮屈な思いをさせてすまんな。今日はのんびりしてくれ」と言った。

用心深い吾輩は、いつものとおり、顔を甲羅の中に引っ込めて主人の話を聞いていた。「あっ、これが、良いことだったのかなぁ?」と思った。

前を見るとカメ輔が、既に首を長く伸ばし、四方八方を見渡していた。

そして、ついに、カメ輔は、進むべき方向が決まったようで動き出した。

カメ輔は、どっちの方向に行き、何をしでかすかわからないので、吾輩は、とても心配で、カメ輔の後について行くことにした。

カメ輔は、以前より速いスピードで歩いて行ったので、吾輩は、離されないように必死について行った。しばらくして、カメ輔は、突然足を止め、後ろを振り返り吾輩を見た。

そして、驚くべき発言をしたのだった。

カメ輔:お兄ちゃん。僕は、もうあの狭い水槽の中は嫌だ!とても退屈だし、自分を試すために、一人立ちしたいんだよ。旅立ちたいんだ。見逃してくれ。

吾輩は、その時の発言内容が、あっけにとられて何も言えなかった。

そして、少し間をおき、心を落ちつかせて、カメ輔に言った。

カメ子:まあ、自分の好きなようにしたらいいさ。

カメ輔は、吾輩が発言を終えた後、再び、前進した。

一方、吾輩は、この一大事を早く、主人に知らせようと、主人のいる方に向かった。

そして、ようやく到着し、この話を切り出そうとした時、主人の方から話し始めたのである。

主人:カメ子よ。お前は義理堅いので、恩を返すが、カメ輔は恩というものをわかっていない。でも、そういうお前も、前にカメ輔と同じことをしでかしたからな~

どうも、主人は我々の行動を一部始終見ていたようだ。

でも、「お前(カメ子)もカメ輔と同じことをしでかした」ということがちょっと気になった。

その後、カメ輔はどうなったか?って、言わずもがなだ。

公園の散歩が終わり、吾輩とカメ輔は、家の水槽に戻された。

そして、吾輩は、カメ輔が言った事と主人が言った、「お前もカメ輔と同じことをしでかした」ということについて、しばし考えてみた。

すると、突然、あの時のことが、頭の中に浮かんできたのである。

あれは、今から8年前の出来事だったなぁ?

以前、住んでいた家の横には、広い駐車場があった。

主人はそこに、吾輩をバスケットの中に入れて連れ出し、地面の上にそっと、置いたのである。

その時、吾輩は御年1歳で、水槽の中にいるより外に出たくて、仕方がなかった。

その駐車場は、コンクリート作りではなく、土埃のする地面で、時刻は、夕暮れ時であった。

吾輩は、久しぶりに土に触れ、足の裏の肉球が心地良かった。

そして、「水槽の世界から抜け出すのは、今しかない」と思い、夕焼け空で真っ赤に染まっている西の空に向かって走り出した。初めての大脱走である。

吾輩は、いつも主人から、「お前は、歩くのが、ずば抜けて速い」とお褒めの言葉を頂いていたので、いささか、走るのには自信があった。そして、この脱走劇は、絶対に成功するだろうと確信していた。

吾輩は、無我夢中で走り、50m程、走ったであろうか?

(カメにとっては、800m位かな)息が上がり、口から泡を吹いてしまった。

「ここまで来たら、もう、主人は追っては来ないだろう」と思い、後ろを振り返った。

すると、そこには、主人がいたのである。

吾輩は、それまで、主人には全く気付かなかったので、「完敗した」と思っていると、家に連れ戻されてしまった。

そして、今日の出来事をもう一度、振り返り反省した。

すると、以前に、主人と奥さんが話しをしていた内容を思い出した。

それは、※【西遊記、第3話(釈迦の手のひら)】であった。

その話しとは、 觔斗雲(きんとうん)に乗って、この世の果てまで来た孫悟空は、そこで見つけた大きな石に何やら文字を書いた。

そして、それを証拠とし、再びお釈迦様に会い、そのことを話すと、お釈迦様の手には、自分が書いた文字が書いてあった。という内容の話しであった。

觔斗雲に乗って、10万8000里の距離を飛んだり、伸縮自在の如意棒を持った、鬼に金棒の孫悟空(カメ)でも、お釈迦様(人間)の前では、「しょせん、釈迦の手のうち」でしか、あばれられない。吾輩の俊足(觔斗雲)では、主人(お釈迦様の手のうち)から逃れられないのだ。我がカメ達は、しょせん、人間の手のうちにしか生きられないということである。

あ~そうだ。吾輩は、このことがきっかけで、もう、二度と脱走することはやめようと思ったんだ。

吾輩は、隣の水槽で謹慎処分?を受けているカメ輔に向かって、なぁ、カメ輔よ!

今の御主人様は、お釈迦様ほど崇高ではないし、頼りないところも多いが、我らカメ達は、御主人と奥さんに従うしか道はないのだぞ!と言って聞かせた。

しかし、カメ輔からは、何の返答ももらえなかった。

ザンネン!

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第104話 Zoom

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 1月某日、吾輩が水槽の中で、目をキョロキョロさせていると、どころからともなく

たくさんの女性の声が聞こえてきた。

あれ、この声は、奥さんのじゃないぞ!

珍しく、我が家にお客さんがいらっしゃったのかな?

久しぶりに、奥さんや主人以外の人と話がしたくなったよ。

吾輩は、水槽の壁にもたれかかり、バタバタと音をたてて、お願いしたのである。

すると、その音にびっくりした主人が、吾輩のところに飛んで来て、吾輩をわしづかみにし、訪問者の声が聞こえる方に向けたのである。

吾輩は、「主人にしては、気が利くなぁ」と思い、たくさんの女性の声が聞こえる方を凝視した。

ところが、そこには、パソコンが置いてある文机があり、その前には、眼鏡をかけた見知らぬ女性が座っているだけだった。

何やら、真剣な眼差しでパソコンと睨み合っているのである。

すると、パソコンから「はい。次は〇〇さんです。〇〇さん。こちらの声は聞こえますか?」という声が聞こえてきたのである。

そして、その女性は、間髪入れずに、「はい、聞こえます」と、答えたのだった。

えっ、この声は、どこかで聞いたことがある声だなぁ。

子供のような甲高い声だ。(しばらくして)あっ、待てよ。この声の持ち主は、

もしかしたら、奥さんかも知れないぞ。

その時、吾輩は、この謎の女性が奥さんだと初めて気が付いたのである。

久しぶりの厚化粧(失礼)をした顔を見たので、誰だか良くわからなかったよ!

そして、「女性って、お化粧をするのは、人と会う時だけじゃないの?なぜ、誰もいないのに、お化粧をしているの?」という、疑問がわいてきた。

さらに、奥さんは奇怪な行動をとった。「乾杯」という声が聞こえるやいなや、文机の上に置いてあるお酒らしき缶を手に取り、パソコンに向かって、一気に飲み干したのである。そして、いつもの「ウェ~ッ」という、おっさん声を発していた。

その後、今までに聞いたことがないくらい、たくさんの女性の声が響いていた。

そして、時々奥さんもその会話に加わっていたが、最後に全員の「お疲れ様でした」という声で終了した。

女性達の会話が終了した後、奥さんは、主人に近寄って来て、「お疲れ様。どうもありがとう。おかげで、どうにか、うまくいったわ」と言ったのだ。でも、その後、顔を曇らせ、意外な言葉を発したのである。

奥さん:貴方たち(吾輩と主人)は、いつも、一番大事な時に、雑音を出すわね。

ハロウィーンやクリスマスの時もそうだったじゃない。だから、あなたに向かって、「シーッ」と人指し指を立てて言ったのよ!

本番の時は、もう少し、カメ子の様子を見ていてくれないと困るわ!

吾輩が水槽の中で、バタバタ音をたてている時に、主人がいきなりわしづかみにし、

持ち上げたのは、その音を消すように、奥さんが主人に仕向けたのである。

ああ~あれは、やっぱり、主人が気を利かしてやったことではなかったのか。

吾輩は、「どんなときでも、主人は、いつもの主人のままだ」と思った。

この後も、奥さんと主人との会話が続いていたので、盗み聞きしていると、

1月25日(月)午後7時~午後8時まで、地元のラジオ局で放送される

「OITAが、大好きになる女子会!」という番組の収録が先ほど終了したという内容だった。

有名女性タレントと15人(その内の1人が奥さん)の女性達が、新発売のお酒を飲みながら、大分県をPRするという企画の番組だったらしい。

それを聞き、吾輩は、「なぜ、そんな大事なことを教えてくれなかったの?今度も、吾輩が悪者になったじゃないか。それにしても、奥さんの奇想天外な行動には、もう、ついていけない」と思った。

でも、番組の収録は、みんなが一緒に集まってやった方が楽しく飲めただろうなぁ。

本当は、その女性タレントも大分県に来て、女子会に参加したかったはずだよ。

もしかして、これも、新型コロナウイルスの影響なのかなぁ?

あっ、そうそう、言い忘れていたが、奥さんが女子会に参加できたのは、「Zoom」というメカを使ったからだ。

人間って、「はやぶさ2」や「Zoom」といい、もの凄いメカを開発するな~感服するよ。

さすがに、頭の回転が早い吾輩でも、人間社会のめまぐるしい発展には、ついていけない。

それにしても、今もなお、全世界でコロナ禍が続いているらしい。

新型コロナウイルスの影響で、人間も鬱病になったり、離婚するケースが増えているそうだ。(果たして我が家は、大丈夫だろうか?)

また、経済も悪化し、企業倒産や失業者、そして自殺者も増えているらしい。

その一方で、生活様式も変わり、仕事もテレワークをする企業が増えているということだ。

さしずめ、我が家における、最初のテレワークは、このZoomになった。

最後に、一言、言わせてもらうが、Zoomでの飲み会って、本当に楽しいのかなぁ?

飲み会は、やはり、みんなが一緒に集まって、お酒を飲み、口角泡を飛ばしながら、議論伯仲させ、たまには「表に出ろ」と喧嘩をするのが、楽しいのではないのかなぁ?

今まで一度も、お酒を飲んだことがないので、良くはわからないが、吾輩は、そう思います。

まあ、いずれにせよ、新型コロナウイルスが一番悪い。

人間の英知を結集して、なんとか新型コロナウイルスを早く終息させてくれよ。

吾輩も、ワクチンを摂取したいなぁ?

 

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第103話 晴れ着だ!晴れ着だ!ワッショイショイ!!

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読者の皆様へ

明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い致します。

新年のご挨拶がたいへん遅くなってしまい、申し訳ございません。

 

本日の投稿は、2021年1月4日の出来事をご報告したいと思います。

吾輩は、前回の第102話(祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ!!)で、「甲羅の上に付けられている物はいったい何か?」と疑問に思っていた。

すると、たくさんの読者の方々からご連絡を頂き、そして、その内容を聞いてびっくりした。「それは、サンタクロースの衣装だった。我が家は、仏教徒だから、サンタクロースは来るはずがない」と、ずっと思っていたからさ。

しばらくして、吾輩は、そのことについてようやく合点した。

カメ子:我が家には、今までサンタクロースが来たことがない。だから奥さんは、吾輩にサンタクロースの衣装を着せたんだなぁ。でも、なぜ、吾輩がサンタクロースの格好をしないといけないのだろう?主人が、やっても良いじゃないか?

そう考えると、吾輩は、いささか腹が立ってきた。

だが、しばらくの間考えて、遂に悟った。

カメ子:あっ、こんなことを思っては、ダメだ。ダメだ。

吾輩は、みんなを楽しませるために、この世に生まれてきたのだから。

(なんちゃって)

奥さんは、コロナ禍で苦しんだり、悲しんだりしている人達の癒やしになればと考え、吾輩をサンタクロースに変身させたんだなぁ。と思った。

吾輩は、これでもモデルの端くれだ。ただ単に、歩いている訳ではない。

心を込めて一生懸命に演技をしているのだ。

奥さん。これからは、撮影の前に、吾輩は何の衣装を身につけるのか、教えてくれよ!そうしたら、もっと良いパフォーマンスができるのに・・・。まったく、困ったものだ。

さて、本日も、そうこう考えていると、奥さんが吾輩のいる水槽に近づいてきた。

今度も、また、何かが起こりそうだ!ワクワクするなぁ。

奥さんは、早速、吾輩をバスケットに入れ、ベランダに連れて行った。

そして、バスケットから出し、歯ブラシで甲羅をゴシゴシし始めたのである。

最近は、自分でも不思議だが、ゴシゴシされるのが快感に思えてきた。

甲羅掃除が終わると、奥さんが、

奥さん:カメ子ちゃん。今日も頑張ってよ!お正月は縁起の良い日だからね。

私が、手作りした素敵な晴れ着を着せて動画を撮るわよ!と、言った。

それを聞いて、吾輩は、「さすが、奥さんだ。」と、感心した。

今度は、何を着るのかがわかり、ほっとした。もう、気合いが入ってきたぜ!

それから、いつものように、吾輩は、あの撮影部屋に行き、晴れ着の着付けが始まった。

そして、今度は、鏡餅だ。本来なら鏡餅は、頭に載せるはずだったが、吾輩は頭を甲羅の中に引っ込める癖があるため断念し、甲羅の上に載せることになった。

カメ子:すぐに、自分の晴れ着姿を見たいと思ったが、本番前なので我慢することにした。

あれっ、吾輩に晴れ着はちょっとおかしくないか?吾輩は、女性だったっけ?

本当は、紋付き袴の方が良かったのになぁ~。と思った。

今度は、主人が最初から奥さんの後ろにいた。

「あれ、主人が手に何かを持っているなぁ?」と、思い、ちょっと気にはなったが、

早速、リハーサルが始まった。

不思議なことに、何のトラブルも起こらなかった。

でも、それが、かえって不気味に思えた。

そして、いよいよ本番をむかえ、奥さんから「スタート」という声が発せられた。

吾輩は、目の玉をカメラのレンズに向け前進した。と、その時、吾輩は周りの景色が、全く見えなくなってしまった。目に眩しい光が当たっているためである。

一瞬、身体が止まって動けなくなってしまったが、このような事態になっても

奥さんは、まったく、動じなかった。

吾輩は、「果たして、これで良いのか?」と疑問を抱きながら、光源元を探すと、

主人が先ほどから手に持っている機械から出ていて、それは、懐中電灯であった。

吾輩は、ようやく状況がわかってきた。

まぶしくて、ちょっと見えにくいが、再びモデルとなって前進したのである。

そして、撮影は無事に終了した。奥さんは、吾輩に近寄ってきて「カメ子。とっても良かったわ。お疲れ様」と、言った。そして主人に向かい「今度は、カメ子の顔が明るく映っているわよ」と、言った。

吾輩は、奥さんと主人の会話を聞きながら、あの時(第102話、祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ!!)のことを思い出してハットした。あの時、映像をチェックし、画面が暗く顔が見えづらいことに気付いた奥さんは「そうだ、懐中電灯で照らそう」というアイディアが頭に浮かんだので、ニタッと微笑みを浮かべたのだ。

吾輩は、「流石奥さん、転んでもただでは起きないなぁ」と感心した。

それにしても、人間は、お祭りが好きだなぁ。

ほんとうに、ストレスが多そうで可哀想だ。と、思う。

カメの世界は、ストレスも無いし、毎日がパラダイスだ。

でも、人間のお祭りは、とても楽しくて、刺激があっておもしろかった。

これからも、吾輩をちょくちょくお祭りに呼んでくれたまえ。

 

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第102話 祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ‼  

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12月某日、奥さんは、いつものように吾輩をベランダに連れだし、甲羅の掃除を始めた。吾輩は、どうしても甲羅をゴシゴシされるのが苦手なのである。だって、くすぐったいじぁないか。

吾輩は、くすぐったいのをじっと我慢し、甲羅の掃除が終わるのを待っていた。

でも、今日は、特に念入りにやっている様子で、なかなか終わらない。

吾輩は、「もしかして、奥さんが、また、何か企てているのかな ?」と思った。

そして、その予感がみごと的中したのである。

奥さんは、吾輩をバスケットに入れ部屋の隅に連れて行った。そこは、未踏の地であった。吾輩は、「この場面は、昔、遭遇したことがあるぞ。(もう忘れたの?30日ほど前だよ)もう歳で、物忘れが多くなった(まだ、9才だぞ)」と、ひとりでブツブツ言っていた。すると、奥さんは、吾輩をバスケットから取り出し、床の上に置いた。

そして、奥さんが吾輩の甲羅に何かをくっ付け始めたのである。吾輩は、どうも甲羅を触られるのが苦手なのだが、ようやく、装着が完了した。

奥さんは、「我ながら良く出来たわ」と言った。

と、その時、どこからか、主人の「祭りだ。祭りだ。ワッショイショイ」という、訳の分からない言葉が聞こえてきた。

その後、奥さんは、吾輩から少しずつ離れて行った。そして、2mほど離れた後、再び、吾輩の方を振り返った。

すると、奥さんの首から何かがぶら下がっていることに気が付いた。それは、スマホだった。吾輩はそれを見て、あの場面が頭の中をよぎった。

Happy Halloween(第97話)だ。「奥さんは、吾輩をスマホで撮影しようとしているんだなぁ」と直感した。そして、「いざ、出陣」と思い、奥さんに向かって一歩を踏み出そうとした。と、その時、首は動かさずに、目の玉だけを右に動かすと、そこには、主人がいた。吾輩は、「あれっ、主人が四つん這いになっている。主人は吾輩と遊びたがっているのかな?」と、思い、果たして、「どっちの方向に進めばいいのだろうか?」と、しばらく立ち止まって考えていた。

そのとき、吾輩の様子を見ていた奥さんが、吾輩の気持ちを察し、主人に向かって言った。

奥さん:あなたがそこにいて、「かくれんぼ」をするから、カメ子が、どっちに進んだらいいか?迷っているじゃない。あなたは、私の後ろにいてよ。

いつものように怒られた主人は、渋々、奥さんの後ろ側に回った。

「吾輩の気持ちを察してくれた奥さんは、さすがだ」と思い、ついに、吾輩の意は決まった。そして、奥さんは、「カメ子、このスマホを見ながら、ゆっくりこっちへ歩いて来てね」と言った。

吾輩は、「わかっているよ!」と心の中でつぶやき、ゆっくりと前に進んだ。

その時、吾輩は、既にモデルと化し、スマホのシャッター音が時折、耳に入ってくる中で、しばし恍惚感を覚えた。そして、吾輩は、奥さんの足元にたどり着き、撮影は無事終了した。

ところが、終わるや否や、奥さんが、再び「カメ子、良く出来たわ。でも、もう一回お願いね」と言った。吾輩は、「あいよ」と心の中で返事をした。あの時(Happy Halloween第97話)もそうだったからな。

あの時から、奥さんは、何度も何度も吾輩に歩く練習をさせることがわかっていたので、吾輩は、文句も言わず、奥さんの言うとおり従うことにした。

そして、この後、2~3回リハーサルを行い、ついに本番を迎えることになった。

さあ、本番開始。吾輩は、一歩、一歩、奥さんに近づいて行った。その途中、シャッター音が何回か聞こえてきた。そして、まばたきもせず一心不乱に歩き、どうにか奥さんがいるところに到着した。

その時、主人が奥さんに声を掛けたのである。「ちょっと、この場所は暗いんじゃない」と言ったのだ。

すると、奥さんは、突然、鬼の形相をし、「しっ、黙って」と主人を睨み返したのだった。そして、ようやく撮影は終了した。

奥さんは、吾輩に近寄って来て、ニコニコ笑いながら「お疲れ様。良かったよ」と言ってくれた。

ところが、主人に対しては、呆れたように言い放ったのである。

「あなたは、この前、テレビ局の撮影でも、私がインタビューを受けている時、床に物を落として私をヒヤヒヤさせたわね。(運命が変わる日第92話)この前の撮影の時も、カメ子の横で酔っ払って寝てしまい、あなたのイビキの音が録音されたんじゃないかと、ビクビクしたわ(HappyHalloween第97話)」

胸の内を全て吐き出した奥さんは、安堵した表情になった。

と、その時、リビングルームの方から、ガタガタという音が聞こえてきた。

カメ輔が、水槽をよじ登ろうとしている音である。

吾輩は、「カメ輔が、僕もモデルに使ってよ!と言っている」と思った。

この音を聞いて、吾輩は、「カメ輔よ。見てくれの良い吾輩の顔に免じて許してくれ」と心の中でつぶやいた。

最後に、奥さんは、撮影の出き具合をチェックしていた。すると、顔が段々と険しい表情に変わってきたのである。

そして、最後に、ニタッと笑みを浮かべた。いったい、何が起こっているのだろうか?

奥さんのこの微笑みが、後に大きな意味を持つことになる。

今、そのことについて理解しているのは、奥さんだけである。

今後の話しの展開を楽しみにしてくれ。

ところで、吾輩は、何を身に付けられて、何のお祭りだったのかは、いまだにさっぱりわからないままである。

どなたか、吾輩に教えてくださいよ~

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第101話 はやぶさ2

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  あけましておめでとうございます

 読者の皆様が応援してくださったおかげで、昨年は、私にとって思い出に残る良い年になりました。どうもありがとうございました。

そこで、私からお年玉として、抽選で3名様に「カメのひとりごと」の本をプレゼントします。

今年も頑張りますので、応援して下さいね!

どうぞよろしくお願い致します。樋下由美子

本が欲しい方は、

希望商品番号2、住所、氏名、年齢、Instagramのアカウントがある方はアカウント名を明記の上、ハガキまたはメールで下記の宛先まで応募して下さい。

(ハガキ) 〒871-0162 

      中津市永添2636-24 

      株式会社ADP

      「FREE 1月号プレゼント」係

(メール) free.nakatsu@gmail.com

(応募締切)2021年1月12日(火)必着


 今日も、主人と奥さんが何やら話しをしている。どれどれ、盗み聞きをして、人間社会を覗いてみるか。

主人:「はやぶさ2」が、令和2年12月6日に、地球近傍の小惑星(リユウグウ)のお土産を持って、無事地球に帰還したらしいよ。アメリカ、ロシア、そして中国みたいに莫大なお金をかけて宇宙開発を進めるのも良いが、彼らもやったことがない、人類未到の小惑星に着陸して、土等を持って帰るなんて、なんて日本人って凄いんだ!日本人に生まれたことを誇りに思う。これも、「はやぶさ2」に携わった関係者の方々の成果の賜だな。聞くところによると「はやぶさ2」は、幾度となく、もうダメかという危機があったらしいが、みんなが諦めかけた時に奇跡的に動きだしたそうだ。まるで、人間の意思があるかのように、故障部分を自分で直したんだって。彼は、素晴らしいAI頭脳を持った人間のようだ。良く、人類のために頑張ってくれたよ。

この後も、主人の弁舌爽やかな話しが続いたが、相変わらず、奥さんは、黙して語らず、ただ、「うんうん」と、うなずいているだけだった。すると、突然、主人が吾輩のいる水槽に近づいてきたのである。吾輩は、「そうでたか?」と思い、身構えた。吾輩は、主人の言わんとすることが、大体予想できたので、微塵にも口撃による怖さはなかった。ところが、蓋を開けると、まるで違っていたのである。

主人:カメ子よ。カメ輔は、水の中に落ちた食べ物でさえも、一粒も残さず全部食べるぞ。

でも、お前は、水の中に落ちた物は食べず、いつも残った食べ物を周りに蹴散らしている。まったく、困ったものだ。ごはん粒を残すと目がつぶれたり、お百姓さんの作ったお米を蹴飛ばしたりすると、蹴った足が動かなくなるぞ!と言った。

吾輩は、主人の話が、予想していた内容と違っていたので、何を言わんとするのかが、よくわからなかった。しかし、吾輩自身の弱点を突いた話しであることがわかってきた。そして、ムカつきながら、主人だって、奥さんから「また、ご飯をこぼしている。ご飯の食べ方が汚い」といつも怒られているじゃないか。「主人もとっくに目がつぶれたり、足が動かなくなってもいいはずだぞ」とつぶやいた。そして、さらに主人は言った。

主人:お前達がいつも食べている、牛と豚、鳥や魚は、自分の命を犠牲にしてくれているんだぞ。わしらは、けっして一人では、生きてはいけない。みんなから与えてもらった命で生かされているんだ。それに、あのAIの「はやぶさ2」だって、まるで、人間の意志があるかのように、人類のために尽くしている。

吾輩は、主人の息をつく暇もないほどのしゃべりと理解不能なことを言っていることに、ただただ唖然としていた。そして、その後、主人がさらに意表をつく言葉を発したのだった。

主人:カメ子、カメ輔。わしは、いつもお前達に元気とやすらぎを与えてもらい、心が癒されている。どうもありがとう。

その時、吾輩は、主人の目にキラリと光るあるものを見つけた。それは、主人の涙だった。鬼の目にも涙である。あの「喝」でお馴染みの、張本元プロ野球選手が「男は、親の死に目以外に、人前で涙を見せるものではない」と言っていたが、主人は、親が死んだ時でさえ涙を流さなかったらしい。ところが、その主人が涙を流したのである。それも、生きている物ではなく、メカに対してだ。よっぽど、「はやぶさ2」の偉業に感動したのであろう。主人は、最近、感動することがあったり、YouTubeで昔懐かしい人が写っている映像を観ると、涙を流すようになった。主人も年のせいで、涙もろくなったのだろう。吾輩は、主人のその一言と涙で急に胸が熱くなった。そして、吾輩も涙が出てきたのである。吾輩の涙腺も、寄る年波で緩くなってきたようだ。(御年、まだ9歳だが・・・)吾輩とカメ輔は、いつも主人と奥さんから、食べ物を与えてもらい、水槽の掃除もしてもらっている。本当にありがたく思い、いつも感謝をしています。

ご主人様、奥さん、これからも、吾輩とカメ輔をよろしくお願いしますよ!

 

【追記】(第98話 かくれんぼ)以来、主人とカメ子は、ときどき、かくれんぼをするようになった。そのせいか、主人とカメ子の間にあったわだかまりが、徐々になくなりつつあり、我が家の雰囲気も、だんだんと良くなってきたようである。でも、主人がカメ子のいる水槽をちょっと覗いては、カメ子に見つかると、すぐに隠れ、水槽の他の場所から顔だけだしている。四つん這いになった主人が、水槽を覗き込む姿は、端から見ていると、少しみっともなく思える。一家の主として、ちょっと恥ずかしいが、これも一家和楽のためだ。良しとしよう。

 

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第100話 公園デビュー

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 今日は、カメ輔にとって記念すべき日になるとは、誰も知らなかった。

奥さんが外出した後、主人は、吾輩とカメ輔を水槽から出し、小さいバスケットに入れた。吾輩は、日頃、主人と奥さんの会話で、何をするのか、だいたいわかるが、今回ばかりは全くわからなかった。そして、バスケットの中で揺られながら、「今日は、どこに連れて行ってくれるのだろうか?」と半分期待をしつつ、車のある方向を眺めていた。

ところがどうだ、主人は、駐車場の方には行かず、あらぬ方向に進んで行ったのだ。

そして、その場所に着くと、吾輩とカメ輔を地面の上に置いた。吾輩は、久しぶりに地面を踏みしめた後、周りを見渡した。そこは、どこか見覚えのある場所だった。「さて、ここは、どこだ?」と思っていると、吾輩の目の前に、見覚えがある、置物があった。そして、それを見るなり、頭の中に嫌な映像が蘇ってきたのである。「あっ、そうだ!ここは、吾輩が、初めて失禁をした滑り台がある公園だ。(第87話我が人生で一番恥ずかしい思い出)一瞬、「ヤバイ」と思い、滑り台の方から目をそらした。そして、横を見ると、そこには、首を長く伸ばし、辺りをキョロキョロと見ているカメ輔がいた。でも、カメ輔はその場所から動こうとはしない。いつも、すぐに動き回り落ち着きがないカメ輔ではなかった。そして、ついに、カメ輔は、ある方向に向かって、今まで見たことがないぐらいの速いスピードで走り出したのである。カメ輔が、吾輩からドンドン離れていくのを見て、「そろそろ、ヤバイな」と思い、老体(御年9才)に鞭(むち)を打ち、カメ輔に向かい無我夢中で走ったのである。そして、10メートルほど走ったであろうか、ようやくカメ輔に追いついたのである。吾輩は、心臓がバクバクし、未だ、荒い息をしている中、カメ輔に声をかけた。

カメ子:(ハア~。ハア~)おい、どうした?今日のお前はカメ輔らしくないぞ。さっきまで、周りを見ながら、じっとしていたのに、突然、突っ走るなんて・・・。

すると、カメ輔は、「だって、ここに来るのは初めてで、どこに進んで良いのかわからなかったんだよ」と言った。

吾輩:そうか、お前にとって、今日が、公園デビューだったんだなぁ。人間の公園デビューというのは、母親が子供を初めて公園に連れて行き、子供のことや主人の悪口をペチャクチャ喋って、コミュニケーションを図るらしいが、カメには、そんな仲間なんかいない。お前は一人ぼっちで、本当に可哀想なカメだ。

吾輩とカメ輔が顎の関節を「カリッカリッ」と鳴らしながら会話をしているのを見て、主人が、こちらにやって来た。

そして、吾輩とカメ輔をバスケットの中に入れ、元の位置まで戻り、また、吾輩たちをバスケットから出して、放し飼いにしたのである。

しばらくすると、どこからともなく、「あっ、カメさんだ。珍しい。ちょっと見てもいいですか?」と言う女性の声が聞こえてきた。そして、主人が「良いですよ」と答えると、女性はこちらにやって来た。主人は、吾輩とカメ輔を指差しながら、吾輩のこと、カメ輔のこと、「カメのひとりごと」の本のこと等、日頃の主人では考えられないぐらい熱弁を振るって喋っていたのだった。そして、その女性は、ゆっくり吾輩に近寄って来て、そおっと、吾輩の甲羅を触ったのだ。さらに、ポケットからスマホを取り出し、吾輩を撮影したのだった。

そんな最中、カメ輔も、だんだん人間の言葉が理解できるようになってきているのに、主人が「カメ子は男前でハンサムだが、カメ輔は〇〇〇○だ」と得意満面に話しをしているではないか。

吾輩は、「カメ輔が、主人の言葉を聞き、辛いだろうなぁ」と思った。そして、心配していたことが現実となり、カメ輔の顔が、みるみるひきつってきたのである。

そろそろ、主人と女性との会話が、終わりに近づいてきたとき、最後に女性がポツリと言った。

女性:実は、私、カメが怖かったの。でも、今日、初めて、可愛いカメさんの身体を触ることが出来て、気持ちがブルーだったのが、良くなったわ。どうもありがとう。

しばらくして、カメ輔の公園デビユーも無事に終わり、皆で家に帰った。そして、夕方になり、主人は、カメ輔のいる水槽をそお~っと覗いて見た。そして、カメ輔を見て「こんなカメ輔を見るのは始めてだ」と驚いていた。

どうやら、カメ輔は、長く伸ばした首を水槽の壁にくっつけ、グウ~グ、グウ~とイビキかいて爆睡しているようだ。

吾輩は、いつものことだが、カメ輔は、とても珍しい姿なのである。吾輩は、「公園デビユーをして、緊張の糸が切れたのかなぁ」と思った。すると、主人は、「あ~カメ輔は、夢で、広い草原を駆け回り楽しんでいるんだなぁ」と言った。吾輩は、「貴方が女性に発した言葉で、カメ輔は、相当傷ついているんだよ」と思ったが、言えなかった。

主人は、相変わらず、気遣いが足らず、脳天気で、本当に困ったものだ。

一方、吾輩もカメ輔の公園デビユーで、久しぶりに見知らぬ女性との遭遇もあって、いささか疲れてしまった。

吾輩は、その女性が言っていたお礼の言葉を思い浮かべながら、ゆっくり眠ることとする。

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