カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第127話 前科一犯

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10月某日、吾輩とカメ輔のための朝食タイムが始まった。朝食といっても、主人が市販のマメ(配合飼料)を吾輩とカメ輔の水槽の中にバラ撒いているだけである。

もちろん、その順番は、先輩の吾輩からである。

主人は、今日も、いつものように、隣の水槽にいるカメ輔の食事の様子を実況生中継しているので、耳を澄まして聞くことにした。

すると、カメ輔は、主人がいるところに近寄り、水槽の壁をよじ登ろうとしている。

しかも、首を長く伸ばして、「頂戴、頂戴」をしているようである。こんなことは、今までになかった光景だ。

これまで、カメ輔は、そんなことは決してしなかった。

いや、できなかった。

カメ輔は、水槽の壁を登らないうちに、マメを求めて主人に近寄るが、主人が顔を近づけると首を引っ込めて、その場所に立ち止まっていた。

ところが、今度は違っていた。主人の顔と水槽の壁をよじ登っているカメ輔の顔の距離が10cm位になったところで、ようやく、カメ輔は伸ばしていた首を引っ込めた。

そして、主人は言った。

主人:お~カメ輔は、ようやく、わしに慣れてきたようだ。随分時間がかかったなぁ。

それを聞き、吾輩も思った。

カメ子:そうかもね。カメ輔もようやく大人になったようだ。

吾輩は、親になった気持ちでカメ輔の成長を嬉しく思った。

しばらくして、朝食タイムは終わり、吾輩は、運動がてらに、ある事を始めた。

それは「水槽越え」である。吾輩の長年の夢である、水槽からの脱出である。

さっき、カメ輔から元気をもらったので、今日は成功するかもしれない。さてと、足をどこの位置に置いて水槽の壁をよじ登ろうかな?今日は水槽の壁直下の隅ぎりぎりの所を足場にしよう。こうすれば、もしかして「水槽越え」ができるかもしれない。我ながら冷静で賢い判断だ。さっそく、吾輩は水槽の壁をよじ登った。さらに、前足が水槽の壁の上部にひっかかるように、全力で伸ばした。すると、水槽の壁に前足がひっかかったのである。

そこで、吾輩は無我夢中で身体を押し上げた。

すると、吾輩の目が水槽から5センチほど上に出たのだ。

吾輩は、まさかこんなに簡単に「水槽越え」が成功するなんて思ってもみなかった。

そして、吾輩の目の前には、久しぶり見るリビングの光景がひろがっていた。

でも、この光景はいつも見慣れている光景ではなかった。

吾輩が自分の力で勝ち取った光景なのだ。

苦節9年。吾輩は、目を閉じて、しばらく間、感慨にふけっていた。

そして、そっと目を開いた。

すると、その瞬間、心臓が止まるほどびっくり仰天した。

なんと、目の前には、主人がいて、目が合ったのだった。

吾輩は一瞬、「やばい」と思い、とっさに水槽の底に隠れた。そして、その時、何か嫌な予感がしてきた。

すると、さっそく主人から恐れていた発言が飛び出したのだった。主人は、奥さんに向かって言った。

主人:今日は、びっくりすることが2つもあったよ。

ひとつ目は、カメ輔が、水槽の壁によじ登って、マメのおねだりをするようになったこと。そして、ふたつ目は、カメ子が、また、水槽から脱走しようとしていることだ。

さて、カメ子はこれからどうするかな?

すると、奥さんは、「あっ、そう」と、意外にもそっけなく答えたのだった。嫌な予感が的中し、やはり主人は、吾輩の顔が水槽から大きく出ている姿を見過ごさなかったのである。さらに、主人の言った「また」に愕然とした。

吾輩は、忘れかけていたあの苦い出来事を再び思い出した。吾輩は、前科一犯だったのである。

過去に一度、主人と奥さんが外出していた時、水槽から脱出したことがある。

しかも、家の中を探検しているうちに、主人の寝床に入り、うっかり寝てしまったのである。

そして、帰宅した主人に見つかり、それから3日間食事を貰えなかった。

吾輩は、「もし、吾輩が再び水槽から脱出したら、吾輩をどうするつもりだろう」と不安だった。

今度、もし、そんなことをしでかしたら、3日間メシ抜きだけでは済まされないであろう。

もしかして、主人と奥さんは、吾輩を捨てるかもしれない。

そして、吾輩の不安や恐怖心が、奥さんの一言で、さらに増したのである。

奥さん: カメ子が水槽の上に顔を出しているって、知っていたわよ。さあ、これから、カメ子をどうするかね。

吾輩は、事の重大さのわりには、主人や奥さんの言動が冷静で、いったい何を考えているのかわからず、かえって、そのことが不気味で恐ろしさを感じた。

 

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【後記】

主人と奥さんは、カメ子に聞こえないように、二度と水槽から脱出しないようにするには、どうしたら良いかを話し合いました。巷では、カメを外の池で飼っている人もいれば、家の中で、プラスチックの水槽や透明なアクリル水槽で飼っている人、逆にカメを家の中で自由に徘徊させ、同じ布団で寝かせている人もいるようです。

一方、家で飼っている外来種等のカメが大きくなり過ぎて面倒を見切れなくなり、川や池等へ放つ事例が多くなっているようです。そして、残念ながらこのことが、社会問題になってきています。

もしかしたら、今回のようなことで、カメを川や池等に捨てる人がいるかもしれません。

奥さんは、「カメ子が水槽から脱出しないように、水槽に網を被せたら」と言いました。

すると、主人は、「そんなことをしたら、カメ子に長年の夢を諦めさせることになる。そんなの可哀そうだ」と答えました。

カメ子が水槽から脱出するのは、水槽の中にずっと閉じ込めていた私達の責任なんです。カメ子、本当にごめんなさい。

これからは、カメ子とカメ輔を、時々散歩に連れていき、ストレスを解消させようと思います。

カメ子カとカメ輔は、大切な家族の一員ですものね。

 

※:【カメのひとりごと】第48話「大脱走」(未掲載)

第126話 カメの恩返し

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 今日、主人と奥さんは、早めに就寝することにした。

吾輩は、心地良く熟睡ができると期待していたのであるが、どうも寝つきが悪い。

また、何か変なことが起こるような予感がしてきた。

すると、白いモヤの向こう側に、どこか見覚えがあるような黒いシルエットが浮かび上がってきた。そして、しばらくするとその黒いシルエットの方から声が聞こえてきた。

黒いシルエット:カメ子。久しぶりだなぁ。しばらく見ないうちに随分立派になったなぁ~

吾輩は、どこの誰だかわからぬ者から呼び捨てにされ、一瞬ムカッとした。でも、その声はどこかで聞いたことがあるような声であった。

そして、吾輩が「この人、誰?」と、頭を傾げていると、再び黒いシルエットから、びっくりするような発言が飛び出してきたのである。

黒いシルエット:僕だよ。カメ吉だよ。兄弟のカメ吉だよ。

黒いシルエット:僕だよ。カメ吉だよ。兄弟のカメ吉だよ。もう忘れちゃったの?

すると、吾輩は、しばらくしてから気が付いた。

カメ子:お~カメ吉か。びっくりしたよ。久しぶりだなぁ。でも、いったいどうしたの?

カメ吉は確か、死んだはずだし、今日は、どうしてここに現れたの?

すると、カメ吉は答えた。

カメ吉:どうして、ここに現れたって?だって、先日、カメ子兄ちゃんが僕のことを心の中に、思い浮かべてくれたじゃないか。だから、僕は、あの世からはせ参じて来たんだ。それに、カメ子と別れた後の積る話もしたかったし、近々、お彼岸があるからね。僕のお墓お参りも忘れないように言いに来たんだ。ところで、カメ子兄ちゃんは、ご活躍のようだね。僕のいる世界でも、ちらほら伝わってくるよ。

本を出版し、モデルにもなっているそうだね!

兄弟として誇らしいよ。

ところで、僕は、早く死んじまって無念だが、これからカメ子兄ちゃんが幸せに生きてゆくために言っておきたいことがあるんだ。

があるんだ。

それは、主人と奥さんとは、仲良くしておいた方が良いということだよ。

他のカメと接するよりふたりと接する時間は、はるかに多いし、食べることや水換えもやってもらっているからね。

主人は、とても優しい人だけれど、ちょっとぬけているところがあるので、フォローしてあげてね!

奥さんは、きつい性格のように思われているけれど、ああ見えて、とても優しい心の持ち主だから萎縮しないでね。

僕に異変が起きた時も、奥さんが泣きながら主人に電話していたみたいだし・・・。

それに、カメ輔は、カメ子兄ちゃんが思っている以上にしっかりしているよ。もうちょっと、信用してあげてね。

吾輩は、突然、死んだカメ吉が現れ、頭が混乱してしまい、カメ吉の言っていることが半分しか理解できなかった。

しばらくして、吾輩は、頭を整理し言った。

カメ子:あっ、そう言えば、あの時

のことが頭の中に浮かんできた。

カメ吉は、吾輩の命の恩人だ

吾輩が、まだ小さかった頃、水槽のエアレーションのコードが首に絡まって溺れそうになっていた時、カメ吉が大きな声

で、「ピーピー」と泣き叫んで、奥さんを呼び、吾輩を助けてくれたことがあった。

ところが、そのお礼を言う暇もなく、突然死んでしまった。吾輩は悔しかった。だから、その時から、一度で良いから、お前にお礼を言いたいと思っていたんだ。

それを聞き、カメ吉は言った。

カメ吉:それだよ。その想いが僕の心に響いてきたんだ。

あの世は、この世と違って、時間が止まっている。

例えると、夢の中にいるようなもので、あの世は時間という概念がないから、友達を作る時間もなく、いつもひとりぼっちの世界なんだ。

それに、他の者と接する機会が少ないので、たまに来るこの世からの便りが非常に楽しみなんだ。

だから、あの時カメ子兄ちゃんからの便りは嬉しかったよ。

吾輩は、カメ吉が何を言っているのか、段々とわかってきた。とその時、カメ吉は、辺りを見渡し、再び叫んだ。

カメ吉:あっ~いけない。うっかりしゃべり過ぎた。この世には時間というものがあったなぁ。すっかり忘れていたよ。辺りが白々しくなってきたので、そろそろ、この辺でおいとまするよ。

あの世の掟(おきて)で、あの世のことをむやみにしゃべってはいけないと閻魔様から言われているんだ。

じゃ、また。ときどき、僕のことを思い出して、この世に呼んでね。

と言うや、カメ吉の姿が段々と薄くなり、ついには白いモヤの中に消えてしまったのである。

そして、白いモヤの向こう側から、いつもの水槽の青い壁が見えてきたのである。

吾輩は、いつものように水槽の中で寝ていた。どうも、夢を見ていたらしい。だとすると、カメ吉は、吾輩が作り出した、夢だったのか?それにしても。カメ吉はリアルだったな~

吾輩は、しばらく自問自答した後、あることに気が付いた。「カメ吉は、どうして、自分が死んだ後、この家に来たカメ輔のことを知っているんだろう?なぜ、奥さんが主人に泣きながら電話したことも知っているのだろう?

もしかして、あの世から来た本物のカメ吉だったかもしれない。でも、どうして、カメ吉が、こんなにたくさんのこの世のことを知っているんだろう?待てよ。カメ吉があの時、言っていた。「先日、カメ子は僕のことを心の中で、思い浮かべたじゃない。だから、僕は、あの世からはせ参じて来たんだ」だとすると、吾輩がカメ吉のことを、時々、

思い出していた時、カメ吉がこの世を覗いていたかもしれない。こりゃ、吾輩のプライベートもあったもんじゃない。丸裸だ。そして、最後に吾輩はカメ吉に誓った。

カメ吉は、あの世でひとりぼっちで寂しかったに違いない。だったら、ちょくちょく、吾輩がカメ吉のことを思い出して、この世に呼んでやろう。そうすることで 恩あるカメ吉に対して、今度は、吾輩が恩返しをする番だ。

 

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:第124話【ペットロス症候群】に掲載

:第2話【生い立ち2】に掲載  

第125話 しあわせ未満

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 コロナ禍で、我が家も御多分に漏れず陰鬱な日々が続いている。

家族で外食することもなくなったし、吾輩がお供することもなくなった。

ああ、情けない。

でも、今日は、何か素敵な出来事が起こる予感がする。

そして、その予感がみごと的中した。

主人は、ある休日の午前中、いつものようにベランダで水槽の水替えと掃除を行うことにした。

まず、吾輩を水槽から取り出し、ベランダの床の上に置いてその間に、水槽の掃除をしていた。

それが終わると、久しぶりに吾輩の甲羅の掃除をしてくれた。

ペットボトルに水を入れ、その水を甲羅に少しずつかけながら、かけた部分を歯ブラシでゴシゴシと擦り、甲羅全体を洗うのである。

これは、久しぶりの快感であった。

でも、今日はこれでは終わらなかった。

裏側もゴシゴシしてくれることになったのだ。

しかも、今までにやったことがない甲羅の側面部の先っちょまで丁寧にやってくれた。

吾輩は、これが、素敵な出来事かと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。

水を入れ替えた水槽を再び家の中に入れ、吾輩を入れた後、主人は、自分の指のはらで、直接吾輩の甲羅を撫でたのである。これは、生まれて初めて?の出来事ことである。

主人は、今まで吾輩を移動させるときは、トングで挟んで運んでいた。

それは、なぜかって?

奥さんが、吾輩の身体を直接触ることを嫌っていたからである。

吾輩たちカメ族に素手で触るとサルモネラ菌が付くらしい。(なに勝手なことを言っているんだ。人間だって、コロナウイルスを家の中に持ち込むじゃないか。吾輩に感染させないでくれよな)

はじめ吾輩は、敏感な甲羅を不意に触られ、ムカッとしたが、後から、歯ブラシでは味わえない、なんとも言えない温もりを感じてきたのである。

あっ、もしかして、これが素敵な出来事の正体かもしれないなぁ。

そして、しばらくの間、主人の手の感触に陶酔していた。

カメの甲羅は、人間で例えれば、背骨と肋骨を合わせたようなもので、甲羅直下の骨交板に感覚があるそうだ。

主人は、2分ぐらい甲羅を撫でた後、今度は、吾輩の頭を指で撫で始めたのである。

そして、1分ぐらい、それを続けた後に言った。

主人:お~、カメ子が指で甲羅を撫でさせてくれるなんて思ってもみなかったよ。いつもお前は、ワシを横目でジロッと睨み返していたからな。

それに、気位が高いお前が、頭を触らせてくれるなんて、思ってもみなかった出来事で、びっくりした。

そして、主人は、そう言うや否や、突然、ある行動をとり、姿が吾輩からは見えないように水槽の向こう側に隠れたのである。

吾輩は「さては、かくれんぼをするつもりだな」と思った。そして「久しぶりに身体を洗い、甲羅を指で撫でてくれた。

そして、優しく頭も撫でてくれた。最近、主人とはかくれんぼもしていないし、久しぶりに、かくれんぼに付き合ってあげても良いかなぁ~」と思った。

そう思うと、早速、かくれんぼに参戦したのである。

そして、30分ぐらいが経ったであろうか?

主人が、ポツリと言った。

主人:カメ子、ありがとう。最近、カメ子は、マメを食べた後、目が合うと、怖がっているのか、用がないのか、鋭い目つきをして後ずさりをする。そして、お前は、身体を反転し、一目散に逃げていく。ワシはずっと、お前と、かくれんぼがしたいと思っていたんだよ。

その言葉を聞き、吾輩は思った。

カメ子:主人は、我が家では、新型コロナウイルスを持ち込む、要注意人物とされている。だから、家に帰ると、すぐ、奥さんから「まず、手を洗って。汚い手でテレビのリモコンを触らないでよ」と怒られている。そして、なにか小さい声で、ブツブツ言いながら、吾輩とカメ輔にマメを与えてくれる。でも、吾輩は、マメを食べた後、主人とかくれんぼをやらなかったらなかった。

家族から虐げられ、カメからも軽くあしらわれて、本当に可哀そうなことをしてしまった。これからは、もう少し、主人を大事にしなくちゃいけないなぁ~かくれんぼも付き合ってあげるよ。

ご主人様へ

今日は、ちょっとした、しあわせ未満を感じさせてくれて、どうもありがとうございました。

ご主人様も奥さんに負けずに頑張ってくださいよ。

 

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第124話 ペットロス症候群

 

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  主人が、奥さんと何やら話しをしている。

今日は何の話しをしているのかなぁ?

吾輩はとても暇なので、盗み聞きすることにしよう。

主人:SNSを見ると、ペットロス症候群※1で悩んでいる飼い主さんが多いなぁ。

奥さん:へえ~そうなの。私も昔、お祭りで買った、ちっちゃい金魚2匹を玄関の金魚鉢で飼っていたことがあるわ!

とても賢くて、家に帰ると、いつも出迎えてくれたのよ!

名前はデブちゃんで、すぐ死んじゃうのかと思っていたら、5年間も生きたの。

ところが、1匹が死んだら、直ぐにもう1匹も死んでしまったわ。

でも、その時も可哀そうだとは思わなかった。

(ある意味、奥さんは強いのかもしれない)

主人:ワシも、今まで色んなペットを飼ってきたなぁ。

ニワトリから始まり、コリー、チャボ、アヒル、柴犬、そして

(吾輩が入っている水槽に向かって)お前達だ。

柴犬は2匹飼っていて、年上の珠(タマ:♀)と、年下の龍(リュー:♂)という名前だったんだよ。

その当時、柴犬は、みんな犬小屋で飼っていて、別々の犬小屋の中にいた2匹は、ワシが車で帰って来た時、エンジン音を聞くと、門扉の向こう側から、鉄柵に手をかけ、立ったままで、尻尾を振りながら、ワンワンと吠えて出迎えてくれたんだ。

どうしてそんなことをしていたのかって?

それは、夕方の散歩を楽しみに待っていたみたいで「散歩に連れて行ってくれ」と

おねだりしていたんだ。

でも、2匹は、一緒に散歩に行くのを嫌がった。

いつだったか、2匹で散歩中に、大喧嘩をしたことがあって、それ以降は、1匹ずつ散歩に連れていくことにした。

でも、散歩に行くのにも2匹で競争していたよ。

なぜって?先に連れて行ってもらいたいからだろうなぁ。

だから、いつも門扉に手をかけて自己アピールしているんだ。

でも、ワシは、いつも、この家に最初に来た、珠の方から散歩に連れ出すことにしていた。

すると、散歩から帰ってきた時、それまで門扉で待っていた龍は、奥の方に引っ込み、

いじけているんだ。

龍は、この家に来てから、ずっと珠には頭があがらなかったんだよ。

また、こんなこともあったなぁ。

犬同士で仕事の役割分担をしているようだった。

珠は、人間担当で不審者だけにワンワンと吠え、そうではない人間には吠えなかった。

不審者がわかるのかなぁ?

珠は、本当に役に立つ犬だった。

一方、龍は、人間以外の全ての動物が担当だったようだ。

ある時、龍はマムシにちょっかいを出し舌を噛まれ、3日3晩病院で苦しんだことがあった。そして、噛まれた舌の部分が朽ち落ちた状態で、帰って来た。

いつも、ヒヤヒヤさせられて、心配ばかりかける犬だった。

そして、月日は流れ、2匹はだんだんと年老いていった。

散歩に行こうとした時、珠は、首輪に自分から首を突っ込み、散歩に行こうと催促するんだ。

そして、白内障脳梗塞を患っていたので、前には進めず、その場でくるくると回るようになっていた。

しかし、それでも、自分から散歩に出掛けようとしていた。

こんな状態の珠に、とうとう、最期の時がやって来た。

ワシは、外出して家にはいなかったが、父親の話では、その夜、珠は、痛さのあまり

一晩中、キャイン、キャインと泣いていたそうだ。

そして朝方、ついに息絶えてしまった。

すると、あまり仲の良くなかったはずの龍が、突然、家の中に侵入し、珠の亡骸に近づき、身体をなめ始めた。

そして、それが終わると、何度も遠吠えをしたそうだ。

犬って、身内が死んだということがわかるんだよ。

ワシは、そのことを聞き、ショックでしばらくの間、動物を飼おうとは思わなかった。今から考えるとこれが、ペットロス症候群ということだったのかなぁ~

そして、あれから20年ほどが経ち、ワシも、珠と龍のペットロス症候群から、ようやく解放されてきたようだ。

そんな時、カメ子と今は亡きカメ吉に出会うことになった。

今思うと、これも運命だったかもしれないと思う。

カメ子が珠で、カメ吉は龍の生まれ変わりに思えてしょうがないんだ。

不思議な縁で結ばれている、カメ子と、カメ輔も大事にしなくちゃいけないなぁ。

ああ~死んだという言葉で、思い出した。※²

首を伸ばしたまま動かないカメ吉を見て、お前(奥さん)は、

「カメ吉が死んでしまった」と泣きながら電話をかけてきたことがあったなぁ~

すると奥さんは、ちょっと照れながら、

奥さん:ああ~そういえば、そんなこともあったわね。と答えた。

そして、こんな主人と奥さんの会話を聞いていて、吾輩は、ふと思った。

カメ子:ああ~そうだったんだ。

日頃、泣いたのを見たことがない、奥さんが泣くなんて、初めて知ったよ。

吾輩は、ペットロス症候群っていう言葉はあまり好きではない。

それは、吾輩はペットではなく、家族の一員だと思っているからだ。

だから、主人と奥さんの話を聞いて、涙が出るほどうれしかった。

ペットロス症候群って、ペットを家族の一員として思っていると感じる、深い悲しみなんだよね。

僕らを家族の一員として思ってくれたんだね。   

本当にどうもありがとう。

これからも、一緒に楽しく過ごしていこうね。

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※1:文字通り「ペットを失う事」である。これは、ペットと共に過ごす事によって培われた深い愛着・愛情が、突然に訪れるペットの「」や行方不明などによって行き場をなくしてしまうことによって強い悲嘆に陥る。このような愛情の対象を喪失することで起きる悲嘆によって抑うつ分離症状といった心身(精神的・身体的)の症状が起きることを病理的悲嘆(pathologic grief)といい、慢性的で強い症状を経験するとペットロス症候群と呼ばれる。

(出典先:Wikipedia

※²:「カメのひとりごと」の本に掲載中です。

 

第123話 趣味

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 今回は、奥さんの趣味について語りたいと思う。

奥さんは、とても好奇心旺盛な人なので趣味も多いが、飽きっぽい性格なので、長続きはしない。

今、一番お気に入りの趣味は、写真撮影をすることである。

奥さんが写真撮影を始めたのは、一昨年の

11月頃。

最初は、ブログの挿入写真をスマホで撮っていたが、撮れた写真に満足せず、一眼レフカメラに挑戦しようと思ったそうだ。

しかし、この一眼レフというカメラは手ごわく、撮れば撮るほど奥が深くなり、撮影の操作方法が難しかったらしい。

普通の人なら、ここで挫折してしまうかもしれないが、負けず嫌いの奥さんは、

これぐらいのことで諦めるはずがない。

そこで、どうしたらいいか?と考えた奥さんは、カメラ教室を受講することに決めた。

吾輩の目から見てもとても個性的な奥さんなので、どこに行っても目立たない訳がない。

初めて行った、カメラ教室でも早速、おっぱじめた。

カメラ教室の先生(大変有名な先生)に、

「私は、まだ受講するか決めていないので、

今日は、見学をさせてください。

今日の授業料は、まだ、払っていません」と言った。

すると、カメラ教室の先生は奥さんを見るなり、

「そんなものは、どうでも良い。私があなたを

一人前にするまで教えるから、今日から入会しなさい」と

答えたそうである。

このとき、周りにいたベテランの生徒さんたちは、一瞬唖然としたそうである。

この話を聞いた吾輩は、流石、有名な先生は、人を見る目があるなぁ。と思った。

ちょっと、この辺で、カメラ教室での奥さんの様子を紹介したいと思う。

新入りの奥さんは、夜の東京駅で撮影した写真を初めて先生に見せることにした。

奥さんにとっては、丹念に選りすぐった綺麗な作品だったので、

先生のお褒めの言葉が頂けるのではないか?と、期待していた。

しかし、先生は、急に怖い顔になり、愕然とする言葉を発したのだった。

先生:こんなのは、ただの絵葉書じゃ。

スマホを使えば、誰だって綺麗に撮れる。

そして今度は、先生から初めての御金言を賜った。

先生:写真はただ綺麗に撮れば良いっていうものじゃない。

撮影した人が、この写真を通して何を訴えたいのか?

この写真のどこを見てもらいたいか?

そのことを念頭に入れて写真を撮らなきゃいけない。

ただ、漠然と撮ってはだめだぞ。と言われた。

奥さんにとっては、先生から初めて言われた言葉で、

何を言っているか良くわからなかった。

そして、さらに先生は持論を展開した。

先生:写真は、一日に最低10,000枚以上撮らないと上達せんぞ。

奥さんは、そこで、思わずニコッと笑い「ハイ」と言った。

ちょっと前に、先生から厳しく注意されてシュンとしていたのに、

もう忘れていたようである。

これを聞いた吾輩は、「ある意味、奥さんは大物かもしれない」と思った。

なぜだかわからないが、奥さんっていう人は、不思議な魅力がある人で目立つんだよなぁ!

この時、周りの生徒さんは、「先生と奥さんは、ボケとツッコミで名コンビだ」と

ヒソヒソ話をしていたそうである。

さらに、こういうこともあった。

花の写真は、撮るのが難しい花や、撮っても意味のない花があるらしい。

撮影するのが難しい花は、バラや紫陽花だそうだ。

でも、先生は、なぜ難しいか?については話さなかったそうだ。

ある時、奥さんは、パンジーの花を撮影した写真を先生に見せた。

すると、先生は、今度もご立腹しtた様子で言った。

先生:パンジーなんか撮影する花じゃない。

(パンジーの好きな方、ごめんなさい)

また、先生に列車を撮影した写真を見せたときは、列車だけではなく、

必ず線路まで撮影すること。と言われたらしい。

列車の前方の線路、次に列車、そして列車の

後方に線路が続いているという構図の写真を撮らなくてはならない。

それは、未来(列車前方の線路)、現在(列車)、過去(列車後方の線路)を

表すそうである。

さらに、こういうこともあった。

先生が、ある写真展に作品を出展し、終了後にその写真を生徒にプレゼントしてくださることになった。

さあ、これを聞いた生徒たちは大変だ。

あの有名な先生の作品を頂けるなんて、夢のような話だからだ。

果たしてどの作品を選んだら良いのか?

自分が希望した作品が他の生徒さんと重なったらどうしょう?など

わからないことばかりだった。

そこで、先生は作品をプレゼントする条件として、その作品に込められた

先生の気持ちが理解できた生徒に対して、プレゼントをすることにしたのである。

先生は、それを直接生徒に聞くことにした。

今回、奥さんは3つの作品を希望し、それぞれの写真について、自分が感じたこと、

写真を見て思ったことを丁寧に答えていった。

すると、先生は、「おお~よくわかったなぁ~だんだん写真の極意がわかってきたようだな」と言われ、奥さんは、久しぶりに先生に褒められて、とても嬉しそうだった。

奥さんが写真教室に通い始めた頃、吾輩もカメラに興味があったので、写真を撮ってみたいと思っていた。

吾輩の指は、カメの中では器用だと言われているが、

人間には勝ち目はないようである。

さらに、奥さんのいろいろな話を聞いて、吾輩は、写真を撮ることを諦めた。

そして、その時、吾輩は、写真を「撮る」方から「撮られる」方の、モデルの道を目指すことにした。

ところで、話は変わるが「カメのひとりごと」の本の作成秘話をしたいと思う。

いよいよ、奥さんの写真撮影の腕を試す時がやってきた。

「カメのひとりごと」の表紙に奥さんが撮影した写真を採用することが決まったからだ。

もちろん、表紙には、吾輩とカメ輔の写真を掲載することになるであろう。

問題は、バックを何にするかである。

始めは、綺麗なお花畑をバックにしようと撮影場所を探したが、適当な場所が見つからなかった。

そこで、次は吾輩とカメ輔が車(モデルカー)に乗った写真を考えてみた。

でも、ちょうど良い大きさのモデルカーがなかった。

最終的には人工芝の上で撮ることになった。

そして、最後の課題は、吾輩とカメ輔をどういうポーズで撮るかである。

そこで、奥さんは他の人の意見を参考にしようと考え、友達に聞いてみた。

すると、友達から非情な言葉が飛び出してきたのである。

友達:う~ん。カメ子ちゃんは可愛いけど、隣にいるカメ輔君は、イマイチね。

思い切って、カットとしたら。

(第83話 醜いアヒルの子:現在はブログには未掲載)

結局、本の表紙に採用されたのは、吾輩のみであった。

(カメ輔、ごめんね)

でも、もし、カメラの先生に聞いていたら、どうなっていただろうか?

もしかして、絵葉書のように綺麗に撮影した写真を嫌う先生は、

カメラ映りの良い吾輩よりも、性格の良いカメ輔を選んだかもしれないなぁ~

そうなったら、ショックで落ち込むよ。

やっぱり、先生から「カメ子は良い表情をしているね~」と

言われるくらいにならなきゃいけないなぁ。

そして、心の底から「良いね」と言われたい。

そのためには、もっともっと心を磨かなければいけないなぁ。

そうじゃないと、人の気持ちの奥底まで表現できる、良いモデルにはなれないと思う。

                 

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