カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第114話 朋あり遠方より来る Part2

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 さあ、今回のお話は「朋あり遠方より来る」の最終章だよ!

前回の話では、ユッカ姉さんが、僕の触れて欲しくないところに、ドンドン踏み込んできた話で、僕が、耐えきれず、反撃を開始しようと思ったときも、ユッカ姉さんのおしゃべりが続いたんだよなぁ。

ところが、今回は、僕の知らない真実がどんどん出てきて、話しは意外な方向に進むことになるんだよ!

さあ、お話しを始めるよ!

準備は、いいかぇ?

 

ユッカ*1:あなたの良さは、皆がわかっているからね。嫌なことを言われても、我慢しなさいよ!

そこで、あなたの知らないことを、ちょっとだけ、教えてあげるわね!

実はね、カメ子兄ちゃんと今は亡きカメ吉がここに来る前に、私には、無二の親友がいたのよ。

名前はドラセナ*と言って、私以上に背がスラッとしていて美人だったの。

私に似て?美人薄命で、寒さに耐えきれずに死んでしまい、私は、ショックのあまり、水も喉を通らず?死にそうになったことがあったのよ。

その時、主人と奥さんは、やつれた私を慰めてくれ、とても大切に育ててくれたわ。

特に主人は、「ドラセナのようには、死なせない」と言い、ストーブの近くに置いてくれ、私の体(葉っぱ)を優しく撫でてかわいがってくれたの。

主人達は、私の命の恩人で、とても感謝をしているわ。

そして、その後、しばらく経ってから、カメ子兄ちゃんとカメ吉がこの家にやって来たのよ。

でも、その時の私は、カメが、苦手で生理的に受け付けなかったのよ!

(あなたには悪いとは思うけど、仕方が無いの、ごめんね)

だから、自分からは一度も、話しかけたことがなかったの。

そして、しばらくしてから、あなたがここへやって来たのよ。

あれから毎日、カメという異生物を見ていて、免疫ができていたのか、私は、あなたを初めて見た時、ビビッときたのよ。

あなたの顔は、決してハンサムとは言えないけれど、(一言多いぞ!)とても愛嬌がある顔だったので、あなたには、自分から声をかけたのよ。

そんな訳で、決して主人や奥さんを憎んではいけないよ。

主人達は、カメ子兄ちゃんにはない、あなたの良いところをちゃんとわかっているわよ!それに、私をはじめ、皆、あなたの味方なのよ。

ユッカ姉さんの熱弁で、僕は、ユッカ姉さんに対しての見方が大きく変わり、

「ありがとう」と素直に言える気持ちになった。

ちょうどその時、主人が、僕に向かって話しかけてきた。

主人:お~二人で何か良い話しが出来たか?

カメ輔、お前にとって、ユッカは、「朋あり遠方より来る」だなぁ。

でも、真の友って、意外に近くにいたようだな。お前にも、「刎頸の友」が出来たじゃないか。真の友っていうのは、見た目や言葉使いだけじゃないぞ、良かったなぁ。

おめでとう。

日頃は、「また、主人が古い言葉使いをし、訳のわからないことを言っている」と呆れているのであるが、今回はいつもとは違い、まるで、僕とユッカお姉さんの会話が完全に分かっているかのようであった。

僕は、内心、ゾ~として背筋が凍り付くようだった。

この後、僕は、水槽に戻り、ユッカ姉さんの植木鉢も水槽の横に置かれた。

そして、僕は、ユッカ姉さんの方に向かって囁いた。

カメ輔:僕は、これからも、ユッカ姉さんのことを大切にするよ!

カメ子兄ちゃんに言えない悩みがあったときは、相談にのってくれる?

ねえ、ユッカ姉さん、何か、言ってよ!

でも、ユッカ姉さんからの返事はなかった。

僕は、「あれっ、主人と会話をした後から、ユッカ姉さんは、僕に話しかけてこなくなったなぁ。いったい、どうしたのだろう?」と思った。

この後、僕は、主人のいる方を向き、言った。

カメ輔:ユッカ姉さんから色々と、話しを聞き、主人って本当に優しい人だなぁ。と、思ったよ!

これから、いろいろ御迷惑をお掛けすることもあるかと思いますが、末永く

よろしくお願いします。

主人は、今まで自分には決して近づかない僕が近寄って来たので、とても驚いた様子であったが、ニコニコ微笑みとても嬉しそうだった。

  

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ユッカ*北アメリカ大陸から中米に47種が自生。耐寒性のあるものが多く、多くは庭園材料として用いられている。

 

ドラセナ*:熱帯アジアや熱帯アフリカに分布している常緑性の中低木。

 

朋あり遠方より来る*

 心の友と呼べるような親友が遠くから訪ねてきてくれること。

(たいへん嬉しく、楽しいこと)

 論語(ろんご)』の開巻第一に出てくる言葉。

第113話 朋あり遠方より来る Part1

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 僕、カメ輔。今回のブログは、僕が担当することになったので、皆様よろしくお願い致します。どうして、今回は、僕が担当することになったかというと、今日は、僕にとって、特別な日になる予感がしたからなんだ。

さてと、お話を始めるか。

主人は 、ベランダで僕の水槽の掃除を始めた。

その間、僕は、久しぶりにベランダの探検をしていた。

まず、首を長く伸ばし、辺りを見渡して、右側に進むことに決めた。

進行方向の前方には、植木鉢が見えた。その植木鉢には、小さな植物が植えてあった。「あれっ、以前見たことがあるぞ?」とも思ったが、花もない地味な植物だったので、無視してさらに進むことにした。

すると、どこからか、かすかに声が聞こえてきたのである。

耳を澄まして良く聞いてみると、「なぜ、知らんぷりするの!あなたに話しかけているのよ!」という声がした。

その声の主は、どうも、女性の声のようである。

僕は、声が聞こえる後ろの方を振り向いたが、そこには誰もいなかった。

そこにあるのは、花も咲いていない地味な植物だけであった。僕は、「気のせいかな?」と思ったが、その声は、地味な植物から出ていたのだった。そして、再び、その植物から声が発せられたのである。

植物:なんて鈍いの?それとも、無視しているの?ほんと、飽きれちゃうわ。私よ。ユッカ姉さんだよ。もう忘れちゃったの?

僕は、一瞬、「誰だったかな?」と思ったが、以前、話したことがある、口の悪い、あのお姉さんのことを思い出した。

そうだ、ユッカ姉さんだ。

すると、顔の表情が変わった僕を観て、ユッカ姉さんは言った。

ユッカ:ようやく、気が付いたようね。どうせ、私のことを、口の悪い姉さんだと思っているのでしょう。(姉さんには、僕の心は、お見通しのようである)でも、カメ子兄ちゃんと違って若いので、昔のことを直ぐに思い出すことができたわね。

さすがだわ。

そして、さらにユッカ節が続いた。

ユッカ:少し観ない間に、立派になったわね。

でも、あなたとカメ子兄さんのことは、ずっと観ていたのよ。だって、あなた達の傍には、いつも私がいたのよ。

それにしても、あなたは、いつも良く耐えて頑張っているわね。感心するわ。だって、主人達は、カメ子兄ちゃんばかり可愛がっているでしょ。あなたにはそんな風には感じてないの?可哀そうに。

僕にとって、グサッとくる言葉であった。寝た子を起こされた気分になった。さらに、ユッカ姉さんの毒舌が続いた。

ユッカ:でも、しょうがないわね。カメ子兄ちゃんは男前だからね。(カメ輔:まるで、僕がそうでないと言っているようだ。ムカッとする)

私は知っているのよ。「【カメのひとりごと】の本の表紙をどうしようか?」と、奥さんが、友達とメールをしている時、「当初は、あなたとカメ子兄ちゃんを一緒に載せよう」と言っていたわね。ところが、最終的には、あなたがボツになり、カメ子兄ちゃんだけが掲載されることになった。

(カメ輔:ああ~とうとう、また、あの嫌なことを思い出したよ)それに、あなたとカメ子兄ちゃんのテレビデビュー【第93話 運命が変わる日(Part4)】の時も、カメ子兄ちゃんに先を越されて、いじけていたわね。(カメ輔:あ~ユッカ姉さんは、全てお見透しだ。)

ユッカ姉さんが、僕の触れてほしくない胸の内に土足で踏み込まれ、段々と怒りを覚えてきた。

そして、負けたくないと思い、反論しようとした時、間髪入れずに、ユッカ姉さんのおしゃべりが続いたのである。

この後、今まで聞いたことのないユッカ姉さんにまつわる、深い話しが始まり、特別な日の正体が明らかになる。

次回を乞う、ご期待!

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*1:ユッカとは、リュウゼツラン科イトラン属の植物の総称。

第112話 春の甲子園

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  今日、吾輩とカメ輔は、春の甲子園選抜高等学校野球大会の決勝戦、明豊対東海大相模の試合を観戦するために奥さんの実家に来ている。

時刻は、4月1日(木)の12時30分で、今、まさにその戦が始まろうとしているところである。

残念ながら、主人は仕事でこの場にはいないが、野球がとても好きなので、お昼休みにきっとどこかで観戦しているに違いない。

吾輩は奥さんの膝の上、カメ輔は母親の膝の上で、テレビの画面をじっとみつめている。

だが、明豊が先攻なので、吾輩は、とても嫌な予感がしてきた。

このことが、後になって、たいへんな結果を及ぼすことになろうとは・・・。

そして、普段は、あまりスポーツには興味を示さない奥さんが、甲子園の高校野球の試合には気合いを入れる理由があった。

それは、奥さんの父親が、昔、大分県立津久見高等学校の野球部の主将をしており、甲子園に出場していたからだ。

読者の皆様は、ご存じないとは思いますが、大分県津久見高校は、県内では、唯一、

1967年、春の甲子園、1972年、夏の甲子園を制覇した野球の強豪校で、その当時としては、九州勢で初めて春、夏の甲子園を制覇した高校です。

一方、奥さん自身も、明星幼稚園の卒園生なのである。

そこの幼稚園は、お坊ちゃま、お嬢様しか通えない幼稚園らしく、主人が通っていたような、「そんじょそこらの幼稚園ではない」らしい。

奥さんは、いつも、これをネタに、主人をいじめているのだ。

カメの吾輩にとっては、どうでも良いことである。だって、吾輩は、「とある温泉施設」で生まれ、口減らしのため、里子に出された身である。さしずめ、人間社会では、尋常小学校中退ってとこかな。情けないというか、開いた口がふさがらない。

でも、ひがんではいない。だって、吾輩は、学歴がなくても修行をして、こんなに立派なモデルになったのだ。(でも、まだ、モデルの給料はもらったことがないぞ!)

それに、勉強せずとも、奥さんと主人の会話のやり取りで、人間の言葉が分かるようになった。

そして、主人には、カメの言葉を教えたが、やはり、理解することができなかったようである。

また、吾輩は、人間社会のいろいろなことを勉強した。野球もそのひとつだ。

主人が某プロ野球球団の熱狂的なフアンで、一緒にラジオを聴いていたからな。

だから、ルールはもちろんのこと、選手名やその選手の性格も知っているよ。

すごいだろう。こんなカメが、他にいるか?

これも、10年間、主人と奥さんと同じ屋根の下で暮らし、プライバシーなしの生活にもじっと耐え、人間様の知識を吸収してきたからな。あっ、そうそう、カメ輔は、野球なんて知らないかもしれない。だとすると、ルールも分からないカメ輔にとって、野球観戦はちょっと辛いかもしれないなぁ。まあ~ちょっとの間、人間様に相槌を打って、適当に流しておくことだな。

あ~奥さんが、一生懸命明豊を応援している様子を見ていると、野球の応援なんかより、昔の奥さんや主人との楽しいひとときのことが、走馬灯のように浮かんできて、どうしても、応援に集中できないよ。試合は、5回終了した時点で、明豊2対東海大相模2の同点で、決勝戦らしい緊迫とした試合が続いていた。日頃の奥さんは、応援チームの攻撃の時、決まって「ヤレー、ヤレー」と決まり文句で応援しているが、守備に入ると、どこかに行ってしまい姿が見えなくなるのである。でも、今度は違っていた。

必死の形相で応援しているのである。

それを見ていると、吾輩も真剣に応援しなくちゃいけないなぁ。と思ってきた。

そして、ついに最終回9回の裏、東海大相模の攻撃となった。

2対2の同点、そして、運命のその時がやって来た。

結果は、2対3の明豊のサヨナラ負けとなったのである。

吾輩は、一瞬、その結末に、ただ呆然とし、だんだん悔しい思いが湧いてきたのである。そして、無念の気持ちを抱きながら、奥さんの顔を見た。

そこには、唖然として頭の中が、からっぽになったような表情の奥さんがいた。

ところが、その後、奥さんの表情がみるみる変わっていき、不気味な笑みさえ浮かべていたのである。

そして、思いもよらぬ言葉を発した。「次は、夏の甲子園で優勝よ!」その後、奥さんは、試合の結果に、全く動じていなかったのである。これを見て、吾輩は、ため息をつきながら思った。

カメ子:奥さんは、冷静で、大物だ。

人間の男女間で別れ話が出た時は、男は未練がましく別れた相手を思い続ける。

その一方で女性は、すぐに次の良い人を捜そうとする。たぶん、奥さんもそんな女性の一人だろうなぁ。と思う。

それに比べ、吾輩は人間の男性と同じで、女々しくて、なんと情けないことである。

ところで、カメ輔は、野球の事が何も分らないが、つきあいで明豊を応援していたようである。カメ輔には、「宮仕え」ご苦労様と言い、ねぎらってあげたい。

 

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※:1999年(平成11年)4月、別府大学附属高等学校を運営していた学校法人別府大学と明星(みょうじょう)中学・高等学校を運営していた学校法人明星学園の合併によって発足した。校名は明星学園の「明」と別府大学の旧称の豊州女学校の「豊」を合わせたもの。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

第111話 刎頸(ふんけい)の友 Part3 

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 * これが、鳩吉の写真です。
 

「ああ~とうとう行ってしまったか!」

鳩吉が東の空へ飛び立ち、吾輩の心には、ポッカリと穴が開いてしまったようだった。

と、その時、主人から意外な言葉が発せられたのである。

主人:カメ子、お前、鳩吉とずっと話をしていたが、いったい何を話していたんだい?

あっ、そうか。相手がカメだったら、顎の関節を鳴らせば、会話ができるが、鳩が相手だったら、「何をしてるの?」だよな。あの時、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、もしかして、お前は鳩吉のことを忘れていて、会話が出来なかったのか?

吾輩は、「やっぱり人間には、わからないだろうなぁ?」と思った。

鳩吉とはたっぷり会話が出来たし、人間には、共通のテレパシーがないから、それすら分ってない。

人間は、「知力」が邪魔をしたり、頭脳を

過信し過ぎて、人間が本来持っている、

異生物との心の解読(テレパシー)が

出来なくなっている。

現に吾輩は、鳩吉と会話をすることができるが、人間にはできない。どうして、人間は、住んでいる国や生まれた国が違うと、言葉が通じないの?

吾輩には、クサガメミドリガメの言葉も理解することが出来るのに。(本当は彼らに、お目にかかったことはないが)

鳩吉だって、人間の言葉が分かっているんだぞ!

ただ、主人と奥さんは、未だカメの言葉を分かってないようである。

いつの日か、生物と会話ができる、自動翻訳機を開発してくれる、優秀な人間が出てくることを期待するよ。

それには、まず、カメが既に人間の言葉を理解していることを認識することだ。カメは、人間が思っている以上に賢いのだ。そして、人間の英知で、カメの会話を充分研究してくれたら、きっと実現可能だと思うよ。

と、吾輩が一人でつぶやいていると、後ろの方で「カリッ、カリッ」という顎の関節を鳴らしている音が聞こえてきた。

その声の主は、カメ輔だった。吾輩が後ろを振り向くと、カメ輔は、さらに猛烈な勢いで、話しかけてきた。

カメ輔:カメ子兄ちゃん。僕もお兄ちゃんが鳩吉兄ちゃんと話しているのを聞いていたよ。いつも自由気ままに飛んでいると思っていた鳩吉兄ちゃんも、実は色々と大変なんだね。それに、僕は、自分の知らないところで、ずいぶん主人と奥さんにお世話になっているんだね。初めて知ったよ!

これからは、もっと主人や奥さんを大事にしないといけないね。でも、カメ子兄ちゃんは、顔が広くて、色んな生き物や人間を知っているなぁ。僕には、少ししか知り合いがいない。友達も少ないんだ。性格が悪いのかな?

それを聞いて、吾輩は答えた。

カメ子:へぇ~そんなことはないさ。「カメの甲より年の功」と言うだろう。いずれ、お前にも分かるときがきて、友達ができると思うよ。それに、お前が、主人や奥さんのことをそんな風に思えるようになったのは、成長した証しだなぁ。

そして、今度は、吾輩の行動をじっと見ていた奥さんが主人と会話を始めたのである。

奥さん:臆病者のカメ輔が、3人の少年達に囲まれながらも正々堂々と円陣を潜り抜けて行ったのよ!

吾輩は、奥さんの話を聞き、「カメ輔もたくましくなったなぁ」と思った。

この後、吾輩とカメ輔は、主人と奥さんに連れられて家路についた。

そして、奥さんは、吾輩とカメ輔が入っている水槽の中を覗き込み、ため息をつきながらつぶやいた。

奥さん:カメ輔は、いつものとおりで、カメ子は珍しいわね。今日の出来事がそうさせたのかなぁ?

なんと、二人とも大胆に、水槽の中で、脱糞をしていたのである。

(ああ~まだまだ、二人とも修行が足らんな)

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第110話 刎頸(ふんけい)の友 Part2

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  主人は、吾輩を透明な水槽の中に入れ、

元居た場所まで戻った。

そして、吾輩を地面の上にそっと置き、

一人残して、近くにある石造りのベンチに座った。

しばらくすると、奥さんが撮影場所から戻って

来て、主人に何か食べ物を渡し

「このコッペパンをちぎって、あなたの前に撒

いて」と言った。

主人は、いつものように奥さんから言われるが

まま「はいよ!」と返事をし、自分が居る前に

食べ物をバラ撒いたのである。

すると、それを待っていたかのように、右上空

から、謎の飛行物体が地表に降りてきた。

吾輩には、それが、羽が生えた生き物のように

見えた。

そして、主人が、その生き物に向かって、

「おおっ、鳩吉じゃないか?久しぶりだなぁ」

と、言葉を発していた。

それを聞いて、吾輩は、あれっ、どこかで聞い

たことがあるような言葉だなぁ。

でも、何だったのか?

どうしても、思い出すことが出来なかった。

鳩吉は、主人がちぎって投げたコッペパン

黙々と食べ続けていた。

でも、鳩吉の食べる速度が非常に早く、コッペ

パンを撒くペースが追いつかない状態であった。

それを見かねた奥さんが、遂に「あなた、

そんなに小さくちぎってあげてもダメよ。

もっと、大きくちぎってあげなさいよ」と、

吠えたのである。

主人は、そのアドバイスを素直に聞き、

今度は、大きくちぎって撒いた。

そして、鳩吉は、これにもひるまず、

おちょぼ口で大きなコッペパンを頬ばっては、

ドンドンと食べ続けたのである。

誠に惚れ惚れするような、素晴らしい食いっぷりであった。

吾輩は、「かわいそうに、よっほど、お腹が空

いていたのだろうなぁ」と思った。

10分ぐらいして、食事タイムは終了したが、

鳩吉は、まだ物足らないようである。

そこで、さらに、コッペパンはないかと、辺り

を探し、何か変な塊の生き物を発見した。

それが、吾輩である。

勘の鋭い鳩吉は、すぐに吾輩のことを思い出し

たようだ。

そして、鳩吉は、吾輩に近づき、衝撃的な言葉

を発したのである。

鳩吉:よおっ、久しぶりだな。元気だったか?

また、一段と太ったようだな。3食昼寝付き

だから、そうなるんだよ!

見ろよ。俺が食べ残したコッペパンを1羽の

カラスが食べているだろう。

そして、カラスの後ろで10羽のスズメが食べ

残しを狙っている。

さらに、その後ろで、何だかわからない、

正体不明の鳥が食べ物を狙って待機している。

みんな、その日に食べ物にありつけるか、毎日

が真剣勝負なんだ。

温室育ちのお前には、そんなことがわからんだろうなぁ?

鳩吉の能書きが終わり、話の中の「久しぶりだ

な」という言葉が妙に引っかかった。

「なんで、初対面で、どこの馬の骨だかわから

ない輩(やから)から、そんなに糞味噌

(くそみそ)のように言われなきゃならないんだ」

と鳩吉に対して、憎悪の念が出てきたのである。

ところが、吾輩の様子を見ていた鳩吉は、その

一瞬の表情を見逃さず、追撃の手を緩めなかった。

鳩吉:おう、鳩が豆鉄砲食らったような顔をし

ているな。

もしかして、俺様のことを忘れたのか?そうだ

ろうなぁ。

お前は、人間様に守られていて、敵から襲われ

る心配もない。

俺の後ろを見ろ。

俺がこっちに来て、カラスは、ようやく、俺の

食べ残しを食べるようになっただろ。

でも、カラスの後方では、スズメが食べ物に

ありつけるのを待っている。

そして、スズメの後方に、得体の知れない鳥た

ちがいる。

なぜ、それぞれが、間隔を空けて待っているか

わかるか?

それは、みんな、飢餓状態の中で、お互い、

襲われないように間隔を空けているんだ。

お前には、そんな心配はいらないだろう。

だって、人間様が守ってくれているからな。

だから、お前の頭はいつもお花畑なんだよ!

吾輩は、ついにダメ出しの「お前の頭はいつも

お花畑」にブチ切れてしまった。

初対面からこんなにバカにされたのは、今まで

の人生でたった一人しかいなかった。

「あれっ、待てよ。それは、鳩吉だ。それと

よく似た輩が目の前にいる」やっと、思い出した。

目の前にいる輩は、昔どこかの公園で会った

鳩吉だ‼

そして、あの公園は、ここだったのか?

吾輩は、ようやく謎が解けた。

すると、吾輩の表情が変化したことを察知した

鳩吉は言った。

鳩吉:ようやく、わしのことを思い出したよう

だな。  

その瞬間、これまで鳩吉が吾輩に投げかけてき

た毒舌に対する怒りが消え失せてしまったのである。

そして、鳩吉の存在が懐かしく思えるように

なり、初めて出会った時のことが、走馬灯のよ

うに浮かんできた。

あの時は、相手の生活を理解できず、けなしっ

ぱなしで、殴り合い寸前までいった。

でも、話し合いをする中で、お互いの気持ちを

認め合うことができ、最後は、鳩吉から主人や

奥さんの大切さを教えてもらった。

(詳細については、【カメのひとりごと】の本

【素敵な出会い】を参照してください)

もしも、鳩吉との出会いがなかったら、主人や

奥さんに対して、恩知らずのただのカメになっ

ていたに違いない。

このことに気づかせてくれたことは、たいへん

ありがたいことである。

鳩吉は、本当の「刎頸の友」に違いない。

しばらくの間、吾輩と鳩吉は、人間にはわから

ない、不思議なテレパシーで会話をしたが、

遂に、別れの時がやってきた。

そして、鳩吉が言った。

鳩吉:そろそろ、おさらばする時が来たよう

だ。おまえも元気でなぁ!

吾輩が、「また、会おう」と言うと、鳩吉は

こう言った。

鳩吉:生きていればな。俺は、お前ほど長生き

できないかもしれない。

「鶴は万年。カメは万年」と言うが、ワシは、

せいぜい生きられても10年ぐらいだからな。

あと、何年生きることができるのか?って、

そんなことは、仏様以外、誰にもわからないよ。

だって、今の自分の年齢がわからないのだから

なぁ。

この後、鳩吉は、右上空へ飛び去って行ったの

である。

何て、ニヒルな奴‼ 

彼は、吾輩の「刎頸の友」である。

 

※:お互いのためなら首をはねられても悔いの

  ない、堅い友 情で結ばれた友。

  生死を共にするほどの親密な間柄の友。

 

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第109話 刎頸(ふんけい)の友 Part1

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  今日は、とても良い日になりそうな気がする。

なぜ?って、主人と奥さんが、吾輩とカメ輔を遊びに連れて行ってくれるからだ。

果たして、どこに連れて行ってくれるのか?とても楽しみだ。

そして、その時がやって来た。

朝の10時頃に主人が、吾輩とカメ輔を透明な水槽に入れて車に乗せた。

その後から、奥さんが車に乗り込み全員が揃ったところで、

さあ、ドライブの始まりだ。

ところが、車に乗るとすぐに、カメ輔の大暴れが始まった。

水槽の壁をよじ登り、外に飛び出したのである。

ああ~また、カメ輔がしでかした。

まったく、もう、おかげで、カメ輔のおもり役の吾輩が、

主人から「躾がなっとらん」と、怒られることになるんだぞ!

当のカメ輔本人は、相変わらずのほほんと平気な顔をしている。

まったく、カメ輔には、困ったものだ。

車に10分ぐらい乗ったであろうか?ようやく目的地に到着した。

車外に出ると、以前見たことがあるような景色が広がっていた。

でも、ここがどこなのか?よくわからない。

透明な水槽の中から外を見ると、向こう側には運動公園が見えた。

そこには、元気に活動している人間たちがたくさん見える。

コロナ禍なので、久しぶりに 主人以外の人間を見た。

主人は、早速、吾輩とカメ輔が入った2つの水槽を持って、この場所から移動した。

しかし、主人が手抜きをして、2つの水槽を一度に運ぼうとしたので、地震のように揺れた。

吾輩は、おかげで、いささか、乗り物酔いをしてしまった。

(カメにだって、平衡感覚ってものがあるんだぞ!)

隣にいるカメ輔も、水槽の中で外に出ようと悪戦苦闘しているようだ。5分ほど水槽の中で揺られたであろうか?

やっと、目的の場所に着いた。

さっそく地面に降ろされると、甲羅の中から顔を出し、周囲を見渡した。

そこには、石で出来たベンチと、積み上げられた砂の山があった。

反対側には、グランドが広がっており、そこでは、子供達がサッカーの練習をしていた。

やはり、ここは、いつか来たことがあるよう

な気がするが、どうしても思い出せない。

そして、前を見ると、カメ輔の顔があった。

彼もこちらを見ていた。

「ははぁ~ん。また、主人が、吾輩とカメ輔を迎え合わせに置いたんだなぁ。

これには、何か深い意図があるのか?

吾輩にカメ輔の面倒を見ろということなのか?

もしかして、吾輩とカメ輔を戦わせようとしているのかな?」と思っていると、

カメ輔の方から話しかけてきた。

カメ輔:お兄ちゃん。いったい、ここはどこ?

よくわからないから、僕は探検に行ってくる。

でも、心配しないで。今度は脱走なんかしないから。と言うと、

さっそく、今居る場所から右側に広がってい

るグランドに向かって歩き出したのである。

吾輩は、カメ輔に「おまえの好きなようにしな!」と言いつつ、

果たして、吾輩はどうすべきか?と思いながら、

もう一度、辺りを見渡した。

そうだ、「大切な主人を忘れていた。どこに行くにしても、

まずは、主人だ」と思い、主人を探した。

主人は、右側の広場にいた。

剣道の蹲踞(そんきょ)をしているような格好で、吾輩を見ていた。

吾輩は、主人に 向かって進んで行き、 やっと、足元にたどり着いた。

吾輩は主人の靴の上から臭いを嗅いでみた。

すると、やっぱり主人の匂いがした。

そして、主人は言った。

主人:お~っ、やっぱりカメ子は律義だなぁ。

それに比べて、カメ輔は、困ったものだ。

また、逃亡するつもりなのだろう。

吾輩は、「これも、宮仕いだ。我慢、我慢」と

思いながら、主人の股の間をくぐり抜けて、グランドの方に向かった。

5mほど、歩いたであろうか?

そこには崖があり、前が立ちふさがっていた。

崖といっても、20cmほどの窪みで、横に長く伸びていた。

そこで、吾輩は「これじゃ、前には進めない」と思い、

意を決し、窪みの中に頭から突っ込んで行った。

一瞬痛いと思ったが、窪みの中に落ちるや、いなや、

向こう側の壁をよじ登ろうとした。

しかし、登れそうもない。

これも、歳のせいなのかなぁ?自分でも、半分情けなかったが、

「ここから登らなくても、どこかに、壁の低い所があるかもしれない。

そこを探して登ろう」と思い、窪みに沿って歩んで行くことにした。

今度は、10mほど歩いたであろうか?

向こうの方に3人の中学生ぐらいの男の子たちがいて、

吾輩の様子をじっと伺っていた。

最近では、こんなに若い人間を近くから見るのも久しぶりだ。

吾輩は、さらに進み、彼らの足元までにやって来た。

すると、彼らの中の1人が、吾輩の後方にいる主人に向かって、

話し始めたのである。

「おじちゃん。カメを見ても良い?

こんなにカメを近くで見るは生まれて初めてだ」と言った。

これに、主人は「見ても良いよ。このカメの種類は何かわかるかい?」と

聞き、彼らは、頭を横に振り、「わからない」と答えた。

そして、主人は、いつものように、吾輩の自慢話を始めたのである。

主人:このカメは、ニホンイシガメと言って、そんじょそこらにいるカメとは

ちょっと違うんだよ!準絶滅危惧種に指定されているんだ。

皆は知らないとは思うけど、カメってとっても賢くて人間の言葉を

理解することができるんだよ!等を自慢げに話し、そして、最後には、

「カメのひとりごと」の本の宣伝まで始めたのである。

吾輩は、何だかこそばゆくなってきた。

すると、彼らは、直立不動の格好から、膝を折り曲げて、

顔を吾輩に近づけてきたのである。

そして、吾輩の顔をジロジロ見ながら、一言を発したのである。

少年:カメの顔って、カエルに似ていて、可愛いな~

その言葉を聞いて、吾輩は嬉しかったが、

ひとつだけ気にくわないことがあった。

カメ子:吾輩が、カエルに似ている?

そうじゃなくて、カエルが吾輩に似ているんだよ。

カエルは両性類で、吾輩は爬虫類だ。吾輩の方が上だぞ。

それに、人間だって、吾輩と同じ顔をしているじゃないか?

目が2つ、鼻が1つ、耳が2つ。口が1つ。

これでも、吾輩はモデルだぞ!

最近は、テレビにも出演して、みんなから「可愛いカメさんね!」って

言われているんだぞ。(いつの間にか、自分の自慢話が始まった)

さっきまで、主人が吾輩のことを褒めちぎっていたのに、

少年の一言で、興ざめしてしまった。

この後、彼らはこの場を立ち去り、今度は、カメ輔の方に向かって行った。

吾輩は、久しぶりに、素敵な出会いがあり、とても、楽しい1日であった。

でも、これだけでは終わらず、いよいよ、この後、刎頸(ふんけい)の友が

登場するのである。

次回を乞う期待!

 

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第108話 銀幕デビュー

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*カメ子の着物姿の動画が見たい方は、Instagramhino0719を検索してくださいね!
 

令和3年3月3日は、記念すべきカメ輔の銀幕デビューの日である。

ついに、この日がやって来た。

吾輩は、カメ輔の親になったような気持ちで、果たして上手く撮影ができるだろうか?と、とても心配をしていた。

(カメ輔は、このことを自覚しているのかな?)

その日の午前中、既に、吾輩とカメ輔は、甲羅の掃除を終え、そして、その瞬間がやって来た。

まず、トップバッターは吾輩だ。

奥さんは、吾輩をバスケットに入れ、いつもの撮影場所に連れて行った。

そこには、ひな壇があり、男雛と女雛が置いていて、

その周りには、綺麗な桜の花びらが敷き詰められていた。

奥さんは、吾輩を女雛の前に置いて着物を着せ、甲羅に桜の花を付けた。

撮影に慣れている吾輩は、顔を甲羅の中に引っ込め微動だにせずにいた。

すると、これを見ていた奥さんが言った。

奥さん:さすが、モデルね!私の気持ちを察して、おとなしくしてくれているわ。

いよいよ、次は、カメ輔の登場だ。

主人は、カメ輔を鷲づかみにし、男雛の前に置いた。

奥さんは、主人に「着物を着せるので、カメ輔が動かないように押さえていてね」と言うと、さっそく、甲羅の上に着物を付け始めたのである。

すると、カメ輔が甲羅の中に引っこめていた顔と足を外に出し、いきなりバタバタと暴れ出した。

そして、主人の手に、カメ輔の長く伸びた爪が刺さり、「痛い」と叫んで、カメ輔を手から離したのである。

まさに、ひな祭り会場は、カメ輔の独壇場になろうとしていた。

とうとう、吾輩の怖れていたことが、現実となってしまったのである。

野に放たれたカメ輔は、ぐるりと回りを見渡した後、糸の切れた凧のように、あらぬ方向に徘徊し出した。

ひな壇の周囲一面に敷き詰められていた桜の花びらは、カメ輔によって、蹴散らされ、無茶苦茶になってしまった。

吾輩は、「ああ~やってもーた」と、ため息をつくと、今度は、カメ輔が吾輩に向かって突進して来たのである。

そして、吾輩に言った。

カメ輔:お兄ちゃん。何とかしてよ!奥さんが、僕の甲羅に何か悪さをしているみたいなんだよ。(いつもの甲羅掃除とは、少し感じが違ったらしい)

吾輩は、「もう遅いよ」とカメ輔に言った。

すると、奥さんは、主人に「ああ~とうとうやってしまった。しょうがないわね~カメ輔はやっぱりモデルには向いていないのかも?きっと、カメ子とは、血が繋がってないかもしれないわね。カメ輔を早く捕まえて、元の位置に戻してよ」と言ったのだ。

奥さんは、主人にダメ出しをして、かなりご立腹の様子であった。

主人は、奥さんに言われたとおり、カメ輔を元の位置に戻した。そして、今度こそ、カメ輔が動かないように、しっかり甲羅を手で押さえたのである。

そして、カメ輔の目の前にバスケットを置き、壁を作ったのである。

すると、事は意外な方向に動き出した。

カメ輔は、目の前に大きな壁があることに気づき、しばらく静止したのである。

主人は、「ようやく、カメ輔が落ち着いたな」と、つぶやくと、そっと、前の壁を取った。

そして、すぐ、奥さんが、カメ輔の目の前にスマホを構え、撮影を開始したのである。

ところがどうだ。カメ輔は、スマホをじっと睨みつけ、動こうとはしなかった。

そして、しばらくして、カメ輔は、威風堂々と行進を始めた。

奥さんは、「カメ輔もやる時は、やるじゃない。カメ輔を見直したわ。

やっぱり、カメ輔は、カメ子と血の繋がった兄弟ね!あなたもついにモデルの虜になったわね」と言い放ったのだ。

そして、撮影は終了し、奥さんは、吾輩とカメ輔に、「ご苦労さん」と言った。

でも、奥さんの顔は、何だか寂しそうであった。

ああ~とんだ「ひな祭り」になってしまったなぁ。

男雛と女雛の前で、カメ輔(男雛)と吾輩(女雛)が、二人揃って仲良く映るはずであったのに、とんでもないことになってしまった。ああ、情けない。すべてカメ輔のせいである。いや、全て、吾輩の不徳の致すところである。

奥さんは、肩を落とし、「この企画は、失敗だったわ」とポツリつぶやき、撮影のチェックをした。

案の定、奥さんの表情は、段々と厳しくなっていき、それを見かねた主人がついに動いた。「どれどれ、ちょっと見せてみろ」と言い、奥さんが持っているスマホを取り上げ、覗いてみたのである。

そして、しばらくして、主人は、意外なことを言った。

主人:オーッ、カメ輔も、きまっていて、なかなか格好良いぞ。まるで、遠山の金さんみたいだ。左前足(失礼、手)で仁義を切り、半分はだけた着物の下から甲羅模様の入れ墨がちらっと見えているよ。

すると、それを聞いた奥さんの顔から、笑みがこぼれてきた。カメ輔は、この二人の会話を聞いていたのだろうか?

この後、主人は、カメ輔のいる水槽を覗き込んだ。すると、そこには、シュンとして落ち込んでいるカメ輔がいた。

それは、まるで、今まで格好良くきめていた、遠山の金さんではなく、金さんから裁きを受けた罪人であった。

 

 

【追記】

 この後、SNSで、「カメ輔、銀幕デビュー」の評価を確かめてみました。

すると、予想以上に閲覧回数が多く健闘しているようでした。

これも、すべて、読者の皆さまが応援してくださったおかげだと思い、

感謝をしています。

どうもありがとうございました。

さっそく、この結果をカメ輔に報告します。

まさしく、「瓢箪から駒」とは、このことですね!

 

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