この話は、今から6年前のことである。 ある日の午後、吾輩は水槽の岩の上で、のんびりと甲羅干しをしながらうたた寝をしていた。 すると、どこからともなく、不思議な音が聞こえてきた。 いや、音というよりも音色と呼ぶべきであろうか。 人間たちは、これ…
皆さん、こんにちは! 今回は、新たに完成した『マンガ版:カメのひとりごと』をご紹介します。 本作の主役は、我が家の愛すべき2匹のニホンイシガメたち。 14歳の「カメ子」(女の子みたいな名前ですが、立派なオスです!)と、9歳の「カメ輔」です。 それ…
この話は、今から8年前のことである。 ある日の午後、吾輩は岩の上で甲羅干しをしながら、うとうとしていた。すると、どこからともなく主人と奥さんの話し声が聞こえてきた。 どうやら、その話題は吾輩に関することらしい。 特にすることもなかった吾輩は、…
この話は、今から七年前、冬の名残がまだ残っている頃のことである。カメ輔の身に、見過ごすことのできぬ異変が生じていた。 主人が水替えをしていた折、ふと気付いたらしい。「カメ輔の足の付け根に白いものがある。これは、いったい何だろう」その問いに対…
この出来事は、今から七年前の冬のことである。当時、吾輩カメ子は八才、そして、カメ輔は、まだ生まれて間もない幼き命であった。今となっては遠き日の記憶ではあるが、あの朝の寒さだけは、いまだに甲羅の奥に残っている。 前夜、主人と奥さんが居間で語り…
これは、今から七年ほど前の話である。当時の吾輩は七つ、カメ輔はまだ二つで、市販の餌以外を、ほとんど口にしたことがなかった。 一般に、亀は十一月頃になると寒さのため食が細くなると言われている。物知り顔の人間に言わせれば、「亀は変温動物で、気温…
吾輩はカメである。名はカメ子。 これから語るのは、ただの思い出話ではない。 甲羅の奥底に静かに刻まれた、吾輩とこの家族との「絆」の物語である。 これは五年ほど前の出来事であった。 当時、吾輩は今より少しばかり気難しく、そして何より疑い深い性格…
吾輩はカメである。名をカメ子という。この小さな水槽が吾輩の終の棲家であろうと、ふと考えると胸の奥に微かな翳りがさす。しかし、そこは生き物の知恵。限られた世界の中に、吾輩なりの楽しみを見つけてひそやかに暮らしている。 その最大の悦楽といえば、…
あれは、たしか2015年の10月頃のことであったか?主人が、近所の小学校の運動会なるものへ、吾輩を初めて連れて行ってくれた日の出来事である。 その日、吾輩は小さな水槽の中に閉じ込められ、まるで箱舟に乗せられた異国の旅人のような心持ちでいた。水槽は…
人間社会には、どうやら「墓参り」という風習があるらしい。お彼岸だとかお盆だとか、定められた時節に、子孫たちが墓所に集い、先祖を偲び、花を供え、線香を手向けるという。まことに美風である。主人と奥方も、そうした伝統を欠かさぬ人で、月に二度は必…
* カメ子とカメ輔とカメ吉です。 吾輩はカメである。名はカメ子。齢は十四を越えたが、甲羅の重みは歳の数を語るより、水に映る月の揺らぎに似つかわしいものを知っているように思う。さて、本日は少し長くなるが、我が家のこと、人のこと、そしてカメのこ…
吾輩はカメである。名はカメ子。年齢は推定13歳だが、カメ年齢でいえば、もう少し大人びているかもしれぬ。 最近、主人が妙なことを言い出した。 「なあ、カメ子。結婚って、なんだと思う?」 不意を突かれて、吾輩は首をかしげた。そもそも、吾輩は独りで…
吾輩はカメである。名前はカメ子。今宵は一篇、吾輩の心に刻まれた小さな出来事を語ってみたいと思う。 それは、奥さんの実家に居候していたある春の午後の出来事である。主人とともに家の前の道路を散歩していた時だった。ふと視線を感じて顔を上げると、隣…
春というものは、妙に人の心を浮き立たせる。桜が咲いたとなれば、老いも若きも弁当を抱え、公園へ繰り出すのがこの国の慣わしである。 さて、吾輩―否、私はカメ子という名の亀である。名前からして女性のようだが、れっきとした雄である。名前の由来は聞か…
あれは確か、西暦2015年の春のことであったか? 吾輩の住まいの隣に、新築の家が建ち、そこへ新たな家族が引っ越してきた。 ある日の午後、その一家が挨拶に訪れた折、吾輩は主人と共に自宅の庭先で散歩をしていた。ちょうど、そのとき、5歳になるという娘…
※左側の女性は、ユッカ、右側の男性は、カメ輔です。 吾輩はカメである。名前はカメ子。 最近、吾輩の主人は、またしても、未来から来た子孫、カメ太に無理難題を押し付けていた。今度の代物は、なんと“心の眼鏡”なる不思議な道具である。 「カメ太よ、頼む…
吾輩はカメである。名前はカメ子。せっかくの機会ゆえ、我が家の近況について一筆認める(したためる)としよう。 さて、吾輩の住まう家では、近頃夜がひどく明るい。否、それは単に照明の話ではない。奥さんが、夜な夜なパソコンに向かい、何やら熱心に作業…
今回は、これまでブログに未公開だった、「カメのひとりごと」をご紹介したいと思います。 吾輩はカメである。名前はまだない。いや、正確にはあるのだが、世間一般のカメと一線を画すほどのものではないので、ここでは省かせていただく。 さて、本日は吾輩…
さて、本日は「思いやり」について一筆したためたいと思う。 吾輩は、主人と奥さんの家で、恙無く(つつがなく)毎日を過ごしている。 だが、最近、主人が慢性副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎を患い、通院を余儀なくされているようである。 そんなある日の午後、…
ある日の朝、主人と奥さんは、健康診断を受診するため病院へ出かけた。人間は、健康診断ができて良いなぁ~カメには、健康診断なんてものはない。しかも、無料で受診できるなんて羨ましいなぁ。 そして、その日の午後、2人は少々疲れた様子で、家に帰って来…
ちょっとカッコ良くなりすぎたかなぁ? しばらくすると、吾輩の後方に何者かが近づいて来る気配を感じ、後ろを振り向いた。すると、黒い猫がこちらをじっとみつめていたのである。 吾輩にとっては、初対面の黒猫であるが、主人にとっては例の黒猫であったよ…
カメ子:行ってきます。と言うと、吾輩は玄関に向かって進んでいった。 そして、玄関のノブに触ると、奥さんから 奥さん:気をつけて、いってらっしゃい。鍵は首にかけて、この前のように落とさないでよ。鍵を交換したら、20万円かかるのよ!と言われた。 …
*さすが、大物カメ輔! 背中に何かが乗っても、少しも動じる様子はありません。 吾輩は、何か嫌な予感がしていた。 すると、今度は奥さんが、吾輩に対してとんでもないことを言ったのである。 奥さん:カメ子、あなたは、どうしていつもガタガタと音を立て…
ある日の午後、主人が吾輩のいる水槽に近づいて来た。 吾輩は、「きっと、いつもの巡回だろう」と思い、相手にしなかった。 しかし、主人は、いつもとは違い、水槽全体に被せている板の一部をはずし、その隙間から吾輩をじっと覗いていたのである。 いつもは…
※ 久々にカメ輔君が登場! 最近、どうやら、奥さんの体調が悪い様子だ。 大丈夫かなぁ?奥さんが病気になって寝込んだら、我が家は崩壊してしまう。 吾輩は、とても心配なので、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。 主人:おい、体調が悪そ…
主人が、吾輩に向かって言った。 主人:おい、カメ子。いつの間にか随分たくましくなったなぁ~ お前に噛まれた指が、まだ、痛くてたまらんよ。 ところで、お前にとても残念な知らせをしなければいけなくなった。 今日のお花見は、奥さんの都合で中止するこ…
ある日の夜、主人と奥さんが何かひそひそ話をしているのが聞こえた。 吾輩は、今日も暇を持て余していたので、いつものように2人の会話を盗み聞きすることにした。 すると、2人の会話が終わったようで、主人が吾輩のいる水槽に近づき、いきなりこう言った…
どうも、最近、奥さんの様子がおかしい。 友達と頻繁に電話をし、その後、すぐにネットショッピングでいろいろな物を買っているようである。 吾輩は、「ケチな主人にバレたらヤバイことになるぞ」と内心ヒヤヒヤしていたが、とうとう恐れていたことが起こっ…
白いモヤの向こう側から、突然、謎の黒い影が現れた。 奥さんは、「あなたは、いったい誰?」と大きな声で叫んだ。 奥さんは、強い恐怖心を感じたが、それは、どこか見覚えのある姿をしていた。 そして、その黒い影が徐々に近づき、ついに奥さんの目の前で立…
ある日の午後、主人と奥さんが外出先から戻ってきて、何か二人で話しをしている。 いつものように吾輩は、水槽の中から聞き耳を立て、二人の会話を聞くことにした。 奥さん:今日、整形外科へ足の診察に行ってきたの。 そうしたら、先生からびっくり仰天する…