* これが、鳩吉の写真です。
「ああ~とうとう行ってしまったか!」
鳩吉が東の空へ飛び立ち、吾輩の心には、ポッカリと穴が開いてしまったようだった。
と、その時、主人から意外な言葉が発せられたのである。
主人:カメ子、お前、鳩吉とずっと話をしていたが、いったい何を話していたんだい?
あっ、そうか。相手がカメだったら、顎の関節を鳴らせば、会話ができるが、鳩が相手だったら、「何をしてるの?」だよな。あの時、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたが、もしかして、お前は鳩吉のことを忘れていて、会話が出来なかったのか?
吾輩は、「やっぱり人間には、わからないだろうなぁ?」と思った。
鳩吉とはたっぷり会話が出来たし、人間には、共通のテレパシーがないから、それすら分ってない。
人間は、「知力」が邪魔をしたり、頭脳を
過信し過ぎて、人間が本来持っている、
異生物との心の解読(テレパシー)が
出来なくなっている。
現に吾輩は、鳩吉と会話をすることができるが、人間にはできない。どうして、人間は、住んでいる国や生まれた国が違うと、言葉が通じないの?
吾輩には、クサガメやミドリガメの言葉も理解することが出来るのに。(本当は彼らに、お目にかかったことはないが)
鳩吉だって、人間の言葉が分かっているんだぞ!
ただ、主人と奥さんは、未だカメの言葉を分かってないようである。
いつの日か、生物と会話ができる、自動翻訳機を開発してくれる、優秀な人間が出てくることを期待するよ。
それには、まず、カメが既に人間の言葉を理解していることを認識することだ。カメは、人間が思っている以上に賢いのだ。そして、人間の英知で、カメの会話を充分研究してくれたら、きっと実現可能だと思うよ。
と、吾輩が一人でつぶやいていると、後ろの方で「カリッ、カリッ」という顎の関節を鳴らしている音が聞こえてきた。
その声の主は、カメ輔だった。吾輩が後ろを振り向くと、カメ輔は、さらに猛烈な勢いで、話しかけてきた。
カメ輔:カメ子兄ちゃん。僕もお兄ちゃんが鳩吉兄ちゃんと話しているのを聞いていたよ。いつも自由気ままに飛んでいると思っていた鳩吉兄ちゃんも、実は色々と大変なんだね。それに、僕は、自分の知らないところで、ずいぶん主人と奥さんにお世話になっているんだね。初めて知ったよ!
これからは、もっと主人や奥さんを大事にしないといけないね。でも、カメ子兄ちゃんは、顔が広くて、色んな生き物や人間を知っているなぁ。僕には、少ししか知り合いがいない。友達も少ないんだ。性格が悪いのかな?
それを聞いて、吾輩は答えた。
カメ子:へぇ~そんなことはないさ。「カメの甲より年の功」と言うだろう。いずれ、お前にも分かるときがきて、友達ができると思うよ。それに、お前が、主人や奥さんのことをそんな風に思えるようになったのは、成長した証しだなぁ。
そして、今度は、吾輩の行動をじっと見ていた奥さんが主人と会話を始めたのである。
奥さん:臆病者のカメ輔が、3人の少年達に囲まれながらも正々堂々と円陣を潜り抜けて行ったのよ!
吾輩は、奥さんの話を聞き、「カメ輔もたくましくなったなぁ」と思った。
この後、吾輩とカメ輔は、主人と奥さんに連れられて家路についた。
そして、奥さんは、吾輩とカメ輔が入っている水槽の中を覗き込み、ため息をつきながらつぶやいた。
奥さん:カメ輔は、いつものとおりで、カメ子は珍しいわね。今日の出来事がそうさせたのかなぁ?
なんと、二人とも大胆に、水槽の中で、脱糞をしていたのである。
(ああ~まだまだ、二人とも修行が足らんな)
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