カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第101話 はやぶさ2

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  あけましておめでとうございます

 読者の皆様が応援してくださったおかげで、昨年は、私にとって思い出に残る良い年になりました。どうもありがとうございました。

そこで、私からお年玉として、抽選で3名様に「カメのひとりごと」の本をプレゼントします。

今年も頑張りますので、応援して下さいね!

どうぞよろしくお願い致します。樋下由美子

本が欲しい方は、

希望商品番号2、住所、氏名、年齢、Instagramのアカウントがある方はアカウント名を明記の上、ハガキまたはメールで下記の宛先まで応募して下さい。

(ハガキ) 〒871-0162 

      中津市永添2636-24 

      株式会社ADP

      「FREE 1月号プレゼント」係

(メール) free.nakatsu@gmail.com

(応募締切)2021年1月12日(火)必着


 今日も、主人と奥さんが何やら話しをしている。どれどれ、盗み聞きをして、人間社会を覗いてみるか。

主人:「はやぶさ2」が、令和2年12月6日に、地球近傍の小惑星(リユウグウ)のお土産を持って、無事地球に帰還したらしいよ。アメリカ、ロシア、そして中国みたいに莫大なお金をかけて宇宙開発を進めるのも良いが、彼らもやったことがない、人類未到の小惑星に着陸して、土等を持って帰るなんて、なんて日本人って凄いんだ!日本人に生まれたことを誇りに思う。これも、「はやぶさ2」に携わった関係者の方々の成果の賜だな。聞くところによると「はやぶさ2」は、幾度となく、もうダメかという危機があったらしいが、みんなが諦めかけた時に奇跡的に動きだしたそうだ。まるで、人間の意思があるかのように、故障部分を自分で直したんだって。彼は、素晴らしいAI頭脳を持った人間のようだ。良く、人類のために頑張ってくれたよ。

この後も、主人の弁舌爽やかな話しが続いたが、相変わらず、奥さんは、黙して語らず、ただ、「うんうん」と、うなずいているだけだった。すると、突然、主人が吾輩のいる水槽に近づいてきたのである。吾輩は、「そうでたか?」と思い、身構えた。吾輩は、主人の言わんとすることが、大体予想できたので、微塵にも口撃による怖さはなかった。ところが、蓋を開けると、まるで違っていたのである。

主人:カメ子よ。カメ輔は、水の中に落ちた食べ物でさえも、一粒も残さず全部食べるぞ。

でも、お前は、水の中に落ちた物は食べず、いつも残った食べ物を周りに蹴散らしている。まったく、困ったものだ。ごはん粒を残すと目がつぶれたり、お百姓さんの作ったお米を蹴飛ばしたりすると、蹴った足が動かなくなるぞ!と言った。

吾輩は、主人の話が、予想していた内容と違っていたので、何を言わんとするのかが、よくわからなかった。しかし、吾輩自身の弱点を突いた話しであることがわかってきた。そして、ムカつきながら、主人だって、奥さんから「また、ご飯をこぼしている。ご飯の食べ方が汚い」といつも怒られているじゃないか。「主人もとっくに目がつぶれたり、足が動かなくなってもいいはずだぞ」とつぶやいた。そして、さらに主人は言った。

主人:お前達がいつも食べている、牛と豚、鳥や魚は、自分の命を犠牲にしてくれているんだぞ。わしらは、けっして一人では、生きてはいけない。みんなから与えてもらった命で生かされているんだ。それに、あのAIの「はやぶさ2」だって、まるで、人間の意志があるかのように、人類のために尽くしている。

吾輩は、主人の息をつく暇もないほどのしゃべりと理解不能なことを言っていることに、ただただ唖然としていた。そして、その後、主人がさらに意表をつく言葉を発したのだった。

主人:カメ子、カメ輔。わしは、いつもお前達に元気とやすらぎを与えてもらい、心が癒されている。どうもありがとう。

その時、吾輩は、主人の目にキラリと光るあるものを見つけた。それは、主人の涙だった。鬼の目にも涙である。あの「喝」でお馴染みの、張本元プロ野球選手が「男は、親の死に目以外に、人前で涙を見せるものではない」と言っていたが、主人は、親が死んだ時でさえ涙を流さなかったらしい。ところが、その主人が涙を流したのである。それも、生きている物ではなく、メカに対してだ。よっぽど、「はやぶさ2」の偉業に感動したのであろう。主人は、最近、感動することがあったり、YouTubeで昔懐かしい人が写っている映像を観ると、涙を流すようになった。主人も年のせいで、涙もろくなったのだろう。吾輩は、主人のその一言と涙で急に胸が熱くなった。そして、吾輩も涙が出てきたのである。吾輩の涙腺も、寄る年波で緩くなってきたようだ。(御年、まだ9歳だが・・・)吾輩とカメ輔は、いつも主人と奥さんから、食べ物を与えてもらい、水槽の掃除もしてもらっている。本当にありがたく思い、いつも感謝をしています。

ご主人様、奥さん、これからも、吾輩とカメ輔をよろしくお願いしますよ!

 

【追記】(第98話 かくれんぼ)以来、主人とカメ子は、ときどき、かくれんぼをするようになった。そのせいか、主人とカメ子の間にあったわだかまりが、徐々になくなりつつあり、我が家の雰囲気も、だんだんと良くなってきたようである。でも、主人がカメ子のいる水槽をちょっと覗いては、カメ子に見つかると、すぐに隠れ、水槽の他の場所から顔だけだしている。四つん這いになった主人が、水槽を覗き込む姿は、端から見ていると、少しみっともなく思える。一家の主として、ちょっと恥ずかしいが、これも一家和楽のためだ。良しとしよう。

 

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