カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第102話 祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ‼  

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*動画をご覧になりたい方は、

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12月某日、奥さんは、いつものように吾輩をベランダに連れだし、甲羅の掃除を始めた。吾輩は、どうしても甲羅をゴシゴシされるのが苦手なのである。だって、くすぐったいじぁないか。

吾輩は、くすぐったいのをじっと我慢し、甲羅の掃除が終わるのを待っていた。

でも、今日は、特に念入りにやっている様子で、なかなか終わらない。

吾輩は、「もしかして、奥さんが、また、何か企てているのかな ?」と思った。

そして、その予感がみごと的中したのである。

奥さんは、吾輩をバスケットに入れ部屋の隅に連れて行った。そこは、未踏の地であった。吾輩は、「この場面は、昔、遭遇したことがあるぞ。(もう忘れたの?30日ほど前だよ)もう歳で、物忘れが多くなった(まだ、9才だぞ)」と、ひとりでブツブツ言っていた。すると、奥さんは、吾輩をバスケットから取り出し、床の上に置いた。

そして、奥さんが吾輩の甲羅に何かをくっ付け始めたのである。吾輩は、どうも甲羅を触られるのが苦手なのだが、ようやく、装着が完了した。

奥さんは、「我ながら良く出来たわ」と言った。

と、その時、どこからか、主人の「祭りだ。祭りだ。ワッショイショイ」という、訳の分からない言葉が聞こえてきた。

その後、奥さんは、吾輩から少しずつ離れて行った。そして、2mほど離れた後、再び、吾輩の方を振り返った。

すると、奥さんの首から何かがぶら下がっていることに気が付いた。それは、スマホだった。吾輩はそれを見て、あの場面が頭の中をよぎった。

Happy Halloween(第97話)だ。「奥さんは、吾輩をスマホで撮影しようとしているんだなぁ」と直感した。そして、「いざ、出陣」と思い、奥さんに向かって一歩を踏み出そうとした。と、その時、首は動かさずに、目の玉だけを右に動かすと、そこには、主人がいた。吾輩は、「あれっ、主人が四つん這いになっている。主人は吾輩と遊びたがっているのかな?」と、思い、果たして、「どっちの方向に進めばいいのだろうか?」と、しばらく立ち止まって考えていた。

そのとき、吾輩の様子を見ていた奥さんが、吾輩の気持ちを察し、主人に向かって言った。

奥さん:あなたがそこにいて、「かくれんぼ」をするから、カメ子が、どっちに進んだらいいか?迷っているじゃない。あなたは、私の後ろにいてよ。

いつものように怒られた主人は、渋々、奥さんの後ろ側に回った。

「吾輩の気持ちを察してくれた奥さんは、さすがだ」と思い、ついに、吾輩の意は決まった。そして、奥さんは、「カメ子、このスマホを見ながら、ゆっくりこっちへ歩いて来てね」と言った。

吾輩は、「わかっているよ!」と心の中でつぶやき、ゆっくりと前に進んだ。

その時、吾輩は、既にモデルと化し、スマホのシャッター音が時折、耳に入ってくる中で、しばし恍惚感を覚えた。そして、吾輩は、奥さんの足元にたどり着き、撮影は無事終了した。

ところが、終わるや否や、奥さんが、再び「カメ子、良く出来たわ。でも、もう一回お願いね」と言った。吾輩は、「あいよ」と心の中で返事をした。あの時(Happy Halloween第97話)もそうだったからな。

あの時から、奥さんは、何度も何度も吾輩に歩く練習をさせることがわかっていたので、吾輩は、文句も言わず、奥さんの言うとおり従うことにした。

そして、この後、2~3回リハーサルを行い、ついに本番を迎えることになった。

さあ、本番開始。吾輩は、一歩、一歩、奥さんに近づいて行った。その途中、シャッター音が何回か聞こえてきた。そして、まばたきもせず一心不乱に歩き、どうにか奥さんがいるところに到着した。

その時、主人が奥さんに声を掛けたのである。「ちょっと、この場所は暗いんじゃない」と言ったのだ。

すると、奥さんは、突然、鬼の形相をし、「しっ、黙って」と主人を睨み返したのだった。そして、ようやく撮影は終了した。

奥さんは、吾輩に近寄って来て、ニコニコ笑いながら「お疲れ様。良かったよ」と言ってくれた。

ところが、主人に対しては、呆れたように言い放ったのである。

「あなたは、この前、テレビ局の撮影でも、私がインタビューを受けている時、床に物を落として私をヒヤヒヤさせたわね。(運命が変わる日第92話)この前の撮影の時も、カメ子の横で酔っ払って寝てしまい、あなたのイビキの音が録音されたんじゃないかと、ビクビクしたわ(HappyHalloween第97話)」

胸の内を全て吐き出した奥さんは、安堵した表情になった。

と、その時、リビングルームの方から、ガタガタという音が聞こえてきた。

カメ輔が、水槽をよじ登ろうとしている音である。

吾輩は、「カメ輔が、僕もモデルに使ってよ!と言っている」と思った。

この音を聞いて、吾輩は、「カメ輔よ。見てくれの良い吾輩の顔に免じて許してくれ」と心の中でつぶやいた。

最後に、奥さんは、撮影の出き具合をチェックしていた。すると、顔が段々と険しい表情に変わってきたのである。

そして、最後に、ニタッと笑みを浮かべた。いったい、何が起こっているのだろうか?

奥さんのこの微笑みが、後に大きな意味を持つことになる。

今、そのことについて理解しているのは、奥さんだけである。

今後の話しの展開を楽しみにしてくれ。

ところで、吾輩は、何を身に付けられて、何のお祭りだったのかは、いまだにさっぱりわからないままである。

どなたか、吾輩に教えてくださいよ~

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