1月某日の早朝、主人が突然、寝床から起き上がり、横で寝ている奥さんに向かってしゃべりを始めた。
主人:おい、起きろ!不思議な夢を見たぞ。
カメ子が西暦30世紀の自分の子孫とテレパシーで交信している夢※1で、今から30世紀までの地球で起こった出来事などを話している夢だったよ。
夢の中では、2112年に人間は、動植物がテレパシ-で共通言語を使っていることを発見し、その後2162年に全ての動植物と会話することに成功したのだ。
さらに、2814年には、人間がタイムマシンの開発に成功した。しかし、その後、いろいろな問題が発生し急遽中止になったそうだよ。そこで、登場したのが、あのスタートレックに出てくるフオロデッキだ。それを使ってカメ子とその子孫が交信していたのだ。
吾輩はそれを聞き、びっくりするともに感慨もひとしおであった。
これまでずっと主人にテレパシーを送り続けていたのであるが、ついに交信に成功したのである。
そして、主人の話はますますエスカレートし、別の話しを始めようとした時、奥さんから主人の熱を冷ます発言が飛び出してきたのである。
奥さん:今、何時だと思っているの?
私は、仕事をして、午前3時にやっと寝たのに・・・。
それは、今言わなければいけないような重要なことなの?
もう少し、相手のことも考えてよ!まったくもう、あなたってしょうがないわね!
それは、本当は、夢じゃないんじゃない?だって、夢って自分で作る物っていうでしょ。あなたは、昔スタートレックを観ていたじゃない。
主人は、奥さんの発言に何も反論することはできず、その様子を見ていた吾輩は、主人に落胆し、自分自身に対してもなんだか情けない気持ちでいっぱいになった。
そして、それから2日経ったある日、びっくり仰天するようなニュースが飛び込んできた。
そのニュースというのは、埼玉大学の細胞情報研究室の豊田正嗣先生が、「植物はしゃべる(植物同士で会話をしている)」ということを発見したという内容であった。
そして、主人は、そのニュースの内容をさっそく奥さんに伝えたが、奥さんは、驚きを隠すような素っ気ない返事で言った。
奥さん:えっ、そうなの?と、つれない返事であった。
すると、主人は、そんな奥さんの様子を見て、前回とは違い、鬼の首を取ったかのような態度をとり、「どうだ。ワシの言ったことは嘘じゃなかっただろう」と言ったのである。
そして、それにつられ吾輩も「ヤレーヤレー」と応援した。
それに対し奥さんは、それ以降何も反論せず、主人はこれぞとばかり形成逆転のチャンスを見逃さず、一気呵成に攻め入った。
主人は、吾輩も忘れかけていた、夢の中のあの事を言い始めたのである。
主人:「カメ輔がワシのことをどう思っているか」をカメ子にテレパシーで聞いてみた。
すると、カメ輔の答えは、こうだった。
カメ輔:主人の声は大きくて怖い。だから嫌いだ。
すると、この話を避けていた奥さんが態度を一変し、主人に話し始めたのである。
奥さん:私が思っていたとうりだわ。カメ子とテレパシーが通じ合えたなんて、すごいじゃない。あなたは、人間以外の動植物と話し合えた最初の人間だわね。
これは、いったいどういうことか?
あれだけ主人をバカにしていた奥さんが、いつの間にか、主人の太鼓持ちになっているではないか?吾輩は、奥さんのことを、しっかりとした信念の持ち主だと思っていたのに、少しがっかりした。
そして、この後、さらにがっかりとする発言が奥さんの口から飛び出してきたのである。
奥さん:将来、タイムマシンが開発されるらしいけれど、どこの株価が上昇するのか?カメ子に聞いてみてよ。
ああ~駄目だこりゃ。タイムマシンを、株価を知るために使うなんて言語道断だ。
未来と過去の歴史が変わるようなことがないよう、以前完成したタイムマシンを製造中止にしたことがあり、その代わりに開発されたのが、このフオロデッキなのである。
しかも、夢の中で見た、未来や過去の歴史が変わるような重大なことは、夢から目覚めた時は消されるように設計されているそうだよ。
ご主人様、奥さんには、もう少し正確に説明して頂かないと、おしゃべりな奥さんの口から誤った情報が拡散されたら困りますよ!
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※1:第151話、152話 未来からの訪問者