カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第149話 Present

 5月のある日、吾輩はいつものように隙間時間(本当は、ずっと暇なのだが)を利用して、主人と奥さんの話しを盗み聞きすることにした。

奥さんは、吾輩をチラッと見た後、主人に訳の分からぬ話をしようとしていた。

奥さん:ああ~今日は、「母の日」だわ。やっぱり、今年もカメ子、カメ輔からは、何もプレゼントがなかったわね。

すると、主人は即座に答えた。

主人:それは、無理だよ。カメ子とカメ輔は、そんなこと微塵も考えてないよ。

吾輩は、その会話を聴き、一瞬ムカッとしたが、すぐ反撃を開始した。

吾輩:ご主人様、何おもしろいこと言っているの?

吾輩だって、母の日ぐらいは知っているよ。母の日というのは、子供がお母さんに何かプレゼントをする日だろ。

吾輩の本当の親は、主人と奥さんじゃない。正真正銘のニホンイシガメだ。

故(ゆえ)あって、親の氏素性(うじすじょう)はわからないが、本当の親ではない奥さんに母の日のプレゼントをする筋合いはない。

吾輩は、我を失い、ついつい興奮してしまい、主人に鼻鉄砲をしてしまった。

そして、それを見ていた主人が、「まあ、まあ、落ち着いて、落ち着いて」と

言ったので、ようやく怒りもおさまってきた。

そして、改めて事の事態について冷静に考えられるようになってきた。

カメ子:えっ、ちょっと待てよ。吾輩は産みの親が誰だかわからない。

でも、育ての親は、主人と奥さんだ。

もしかして、奥さんは、「育ての親の私には、プレゼントはくれないの?」と催促したのかもしれないなぁ。

(しばらく時間を置いて頭を冷やし)

でも、吾輩は、プレゼントをしようと思っても、何をプレゼントしたら良いのかまったくわからない。

いつだったか奥さんが「母の日のプレゼントは、カーネーションの花よ」とか言っていたが、吾輩はそんなもの今まで見たことがないし、どこに売っているのかもよくわからない。カーネーションの花じゃなくても、ユッカじゃダメなのかなぁ?

でも、ユッカじゃ花がないなぁ。(隣に鎮座している、ユッカ姉さんから怒られた)

あっ、そうだ、そういえば、最近、奥さんが始めたガーデニングのラベンダーがあったなぁ。でも、それは、奥さんの物だしなぁ。

そもそも吾輩には、カーネーションを買うお金がない。そして、「母の日」にプレゼントをするためには、事前に準備をする時間も必要だ。吾輩には人間社会のカレンダーという物がないので、いつの間にか「母の日」が過ぎてしまった。ということになりかねないなぁ。

吾輩だって、「暇人なりに、今日は何をしようか?」といつも頭を悩ませている

貧乏暇なしのカメなのである。

「やっぱり吾輩は、奥さんに【母の日】のプレゼントをすることができないなぁ~」と思い、心が折れそうになっていた。

そのとき、一筋の光明が差し込んできた。

それは、こういうことだ。

カメ子:奥さんへの感謝は、「母の日」だけすれば良いというものでもないし、カーネーションの花という形のある物をプレゼントすれば良いものでもない。

そうだ、奥さんが喜ぶことを吾輩がしてあげればいいのだ。吾輩が、奥さんに対してできる唯一のことは「癒し」を与えることかもしれない。そして、病気に罹ったり、怪我をしたりしないで、奥さんに心配をかけないようにすることぐらいかなぁ?

カメ輔にもこのことを肝に銘じるように言っておきます。

 

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【後記】

 カメ子はようやく、主人と奥さんが言いたいことがわかってきたようです。

もしかして、主人と奥さんは、カメ子によく考えてもらうために、わざと怒らせるような発言をしたのかもしれませんね。

でも、カメ子が、ここまで悟っていることをまだ、主人と奥さんは気が付いていないようです。

それを理解しているのは、読者の皆様と、カメ子自身です。

主人と奥さんには、このことを後で私から伝えておきますね。

そして、6月の第2日曜日は「父の日」です。

カメ子、カメ輔、絶対に忘れないで、ご主人様も大切にしてあげてくださいね。