カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第140話 Olympics

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 ある日の午後、奥さんは、ふみ机の前に座りパソコンで何か調べものをしているようである。

そんな奥さんに向かって、主人が何か話しかけようとしている。吾輩は、そんなことをして大丈夫なの?2人の間に何かが起こりそうな気がしてなんだか心配になってきた。

そして、その心配を余所(よそ)に、とうとう主人が、奥さんに話しかけた。

吾輩は、今日も何もすることがないので、2人の話を聴くことにした。

主人:オリンピックが始まったね。もし、カメたちのオリンピックがあったら、どんな競技が面白いかなぁ?今から、ワシのアイディアを話すから聞いてくれよ。

すると、奥さんは、主人をチラッと見たが、何も返答はしなかった。

吾輩は嫌な予感がしてきたが、主人は話を続けた。

主人:まず、因縁のカメ対ウサギの「かけっこ」なんてどうかなぁ?きっと、おもしろいと思うよ。

巷では、カメはのろまだということになっているが、決して、そんなことはない。

カメを飼っている人なら、カメのことを良く知っている。カメは、いざというときは、早く走れるんだよ!(ニホンイシガメ、クサガメ、アカミミガメ等のヌマガメ科のカメ)

あのウサギに勝ったこともあるんだ。(イソップ物語に出てくるカメはリクガメか?)。

一方、ウサギが跳びはねることができる距離は約2mで、カメの歩幅は5cmぐらいだ。カメにとっては不利だが、ウサギはすぐに居眠りをしてしまう習性があるらしいぞ。だったら、カメにも勝つチャンスがあるなぁ。

(カメ子:初めから相手の敵失を狙ってもダメだよ。相手は、積年の恨みをはらすため、今度こそ居眠りしないでゴールまで完走するかもしれないよ。それに、こっちも臆病なカメがエントリーされて、ずっと、顔を引っ込めたまま動こうとしないかもしれないからね)

次にカメのボルダリングもおもしろそうだね。カメは、前足を使って登るのが上手い。だから、登るのは、降りるより苦にならないと思うよ。

(カメ子:そうかもしれないのなぁ?だって、カメは、「そこに山があるから」登るんだ。やはり、下に降るのは怖いよ。ご主人様、もし、落っこちて甲羅がひっくり返ったときは、フォローを頼みますよ。でも、ちゃんと起こしてくれるかなぁ?そっちの方が心配だ)

3番目は、水泳かなぁ?カメは、陸で歩くより水の中で泳ぐ方が速いかもしれないな。(カメ子:最近は、人間様が思っている以上にカメの鉄鎚(かなづち)が多いんだ。特に家の中の水槽で飼われているカメたちだ。だって、少ない水の中で泳ぐなんて出来ないよ!そのいい例が吾輩だ。もし、吾輩が川に捨てられて大水が出たら、溺れ死ぬだろうなぁ。ああ、情けない。だから、選手をエントリ-するときは、まず泳げるかどうか調べた方がいいと思うよ。さもないと、動物虐待につながるよ)

4番目はレスリングだ。カメの強さの証しとして、相手の甲羅の上に乗った方が強いんだ。これは、レスリングのルールでは、バックをとったことになるから2点加点かなぁ?

(カメ子:なるほどね。でも、バックをとるとき、カメは相手の後ろに回って甲羅の上に登ろうとする。だから、対戦相手は、同性が良いかもね。だって、雄だと、雌の後ろに回ったとき、求愛行動をするかもしれないね)

最後に冬季オリンピックだ。スピードスケートがいいかもしれないと思ったが、やはり無理だ。だって、カメが氷上に立つと、甲羅の裏が氷に付くことになる。そうなれば、内臓が急激に冷やされて、即死だ。それに、例え甲羅を氷から離してスケートをしたとしても、気温は0℃までに下がっているので、顔を甲羅の中に引っ込めたまま凍死するよ。

(カメ子:さもありなん)

ワシのアイディアは、どうだい?

なぁ、パソコンばっかり見ていないで、何か意見を言ってくれよ。

この後、しばらく沈黙が続いたが、今まで寡黙をとおしていた奥さんが、ついに吠えたのである。

奥さん:あなたは、いつもくだらないことばかり考えて、暇でいいわねぇ。

私は、今、仕事中で忙しいのよ!話し掛けないで。と、激怒し、とうとう奥さんの雷が落ちてしまったのである。

(カメ子:ああ、吾輩の予想したとおりの顛末になってしまった。だから吾輩が奥さんの代わりにコメントしてあげていたのに・・・)

やっぱり、主人は空気を読まない、暇な吾人である。

主人は奥さんの激昂した顔を見たとたん、何も言わずに、その場を立ち去った。

そして、こそこそとパソコンが置いてある机に向かい、Youtubeを視聴し始めたのである。

なお、この後、奥さんが主人に対して、どのようなコメントをしたのか?については、吾輩の耳には、まだ、入ってきていない。

 

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※1ジョージ・ハーバート・リー・マロリーGeorge Herbert Leigh Mallory 、1886年6月18日 - 1924年6月8日もしくは9日)は、イギリス登山家

マロリーが「なぜ、あなたはエベレストに登りたかったのか?」と問われて「そこにエベレストがあるから(Because it's there. )」と答えたという逸話は有名であるが、日本語では、しばしば「そこに山があるから」と誤訳されて流布している。

『出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』