カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第177話「知らぬが仏」「言わぬが花」part2

 

 あれから3日後、いつものように吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、突如、得体のしれない黒い物体が上空を旋回しているのが見えた。

黒い物体は、上空から我が家に向かって飛来し、ベランダに降り立った。

その得体のしれない黒い物体とはカラスであった。危険を感じた吾輩は、とっさに首を引っ込め、その場にうずくまった。

そして、以前我が家のベランダに現れ、吾輩を恫喝(どうかつ)したカラスと、3日前スポーツパークにいたカラスのことを思い出した。

しばらくしても何も起こらないので、恐る恐る頭を甲羅の外にそっと出してみた。

すると、吾輩の目の前には、真っ黒なカラスがいてこちらを凝視していた。

そこで、吾輩は、勇気を振り絞り、そのカラスに向かってテレパシー送ってみた。

カメ子:お前は、以前ここに来て、吾輩を脅かしたあのカラスなの?

すると、カラスはこう答えた。

カラス:それって、いったい何のこと?俺がここに来たのは今日がはじめてだよ。

それを聞き、吾輩は、ついでにあの事についても聞いてみた。

カメ子:3日前、近所のスポーツパークの野球のバックネットのところで水遊びをし、その後、近寄って来た人間に向かっていったカラスはお前なのかい?

すると、そのカラスは含み笑いをしながら言った。

カラス:うん。そうだよ。あの時、変なおっさんが俺に近づいてきたのさ。

そのおっさんをちょっと驚かせてやろうと思い、突進した。そして、そのおっさんに少し興味が沸いてきたので、後をつけ家を突き止め、今日、ここに来たというわけさ。

吾輩は、カラスの話を聞き、事のいきさつがよくわかった。

すると、吾輩とカラスの会話に突然、奥さんが割り込んできた。

そして奥さんが、カラスに向かい「この、カラスめ。うちのカメ子、カメ輔にいったい何をするつもり?」と言うと、近くにあった箒でカラスを追っ払ったのである。

カラスは、奥さんの行為を恐れおののき一目散に逃げて行った。

そして、奥さんは言った。

奥さん:あなた達を攻撃しに来たカラスは、追い出したわよ。

私に感謝してくれないかなぁ。

吾輩は、「このカラスは、かつて奥さんが箒で追っ払ったカラスとは違い、危害を加えようとしないのになあ~」と思ったが、一応、心の中で「ありがとう」と言った。

そして、この後、奥さんが意外なことを言ったのである。

奥さん:あれっ。もしかして、今のカラスは、私がかつて箒で追っ払ったあのカラスなのかなぁ?もしそうだとしたら、私が主人に言ったことが間違いで、主人が言っていたことが正しかったのかもしれないなぁ?

このことは正直に主人に話した方が良いのかなあ?私が主人に謝るのは、しゃくにさわるなぁ。

奥さんは、しばらくの間考えていたが、今度は吾輩に問いかけてきた。

奥さん:あっ、そうだ、カメ子。もしかして、あなたはカラスとテレパシーを交信していなかった?

もし、話しが出来ていたのなら、私にわかる範囲で教えてくれない?

この後、吾輩は、カラスとテレパシーを交信したことを正直に告白し、奥さんにも理解できるように、話の内容を話した。

そして、それを聞いた奥さんが言った。

奥さん:やっぱり、スポーツパークにいたカラスは以前我が家に来たカラスじゃなかったのね。

それを聞いて、ちょっとほっとしたわ。主人が言っていたことが間違いだったのね。さて、どうしようかなぁ?

カラスがさっき我が家に来たことや「カラスの正体」を主人に正直に話すべきか悩むわね。カメ子は、どう思う?

奥さんは、とっさに吾輩の意見を求めて来た。

しかし、吾輩は答えなかった。

しばらくして、主人は外出先から戻ってきたが、奥さんは、主人にただ「お帰り」と言っただけで、とうとう今日起きた出来事については、一言もしゃべらなかった。

その夜、なかなか眠れなかった吾輩は、今日の出来事を振り返ってみた。

そして、奥さんに対してある疑問が生じてきた。

どうして、奥さんは主人に何も言わなかったのだろう?

吾輩はしばらくして、ふとある思いが浮かび上がってきた。

奥さんが主人に正直に言うと、傷口に塩を塗ることになるし、プライドを傷つけることにもなる。

しかも、せっかく、主人が主張したいことを我慢し、人間的にも成長したのに、これがご破算になってしまう。

それに、主人が知ったら話がややこしくなって、再び夫婦喧嘩が勃発することになるかもしれない。

もし、吾輩の思っていたことが真意だとすると、奥さんは主人に対して深い思いやりがあり、主人よりはるかに大人だということに違いない。

そして、奥さんの心の境地を諺(ことわざ)で例えると、「知らぬが仏(主人)」・「言わぬが花(奥さん)」だろうなぁ。

明日さっそく、奥さんにその真意を聞いてみることにしよう。

 

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第176話「知らぬが仏」「言わぬが花」Part1

    ある日の午後主人が、いつもの散歩から戻って来た。

そして、水槽の中にいる吾輩に近づき、突然、話し掛けてきた。

主人:カメ子、近くのスポーツパークで散歩をしていたら、野球のバックネット近くの水溜まりで水遊びをしているカラスを見つけたよ。翼を広げ、とても気持ち良さそうに行水をしていた。こんな光景はめったにお目にかかれないと思い、ダメ元で近づきスマホのシャッターを押した。

すると、そのカラスは、ワシに気が付いていながら逃げなかった。そしてさらに接近すると、カラスはワシに眼(がん)を付けて向かってきた。

最後に翼を広げ、突進して来たと思ったら、急に右上空に旋回して飛び立って行った。

そしてワシはその時、このカラスは、以前我が家のベランダに飛来し、立ち去る時にカメ子、カメ輔に捨て台詞を吐いたあの時のカラスかもしれないとピントきたのである。

カメ子、もしかしたら、いつかまた、我が家に復讐に来るかもしれないぞ。

吾輩は、主人の話を聞き、急に怖くなってきた。

そうだ。あの時も、カラスから「外に出る時は、頭上に注意した方が良いよ」と捨て台詞を言われたような気がする。

そして、吾輩があの時の状況を思い浮かべていると、突然、奥さんが吾輩と主人の会話の中に入り、前日、起きた夫婦喧嘩が再び勃発しそうな嫌な気配がしてきた。

奥さん:カラスがあなた(主人)に向かって来たからといって、あの時のカラスと同じカラスだとは限らないじゃないの。日本にいるカラスは二種類だって知っているの?

我が家に来たカラスがどのカラスで、今度のカラスはどのカラスか?なんてそんなことも知らないでしょう。

奥さんは、いつものように語気が荒くて、ひとこと多かった。

すると、主人からは、思ってもみないような意外な言葉が返って来た。

主人:言われてみれば、それもそうだなあ~

今日の主人は機嫌が良いのか?いつもとは違い、いとも簡単に自分の主張を取り下げたのである。

主人は今までの自分の言動を大いに反省し、小さなことで再び夫婦喧嘩をするより、自分の方から折れて我慢しようと思ったのか?

それとも、いつものように優柔不断な性格が出たのか?

それは、吾輩にはわからず、主人にしかわからない謎である。

今日の主人は、一皮むけたような大人の対応であった。

カメ子:いつも、主人の態度が大人だったら、今までのような夫婦喧嘩は起こらなかったのになぁ。

奥さんは鬼嫁だが、決して間違ったことを言ってはいない。

 

この話の後編は意外な方向に展開し、最後にこのカラスの正体が明らかになる。

次回を乞う御期待‼

 

:第137話 航行の自由作戦

 

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第175話 痛い。痛い。助けて!Part2

カメ子:あれから5時間が経つのに奥さんと主人は、整形外科に行ったまま、帰ってこない。

患者さんが多いのかなぁ?奥さんの怪我は、大丈夫かなぁ?

まあ、奥さんのことだから、転んでもただでは起きないとは思うけど・・・。

まさか、緊急手術になって、入院なんてことになっていたらどうしょう。

主人と吾輩とカメ輔のご飯はいったいどうなるのだろう?

これは、男3人にとっての死活問題だから、とても心配になってきた。

そうこう考えていると、玄関の開く音がした。

奥さん:カメ子、ただいま。心配かけてごめんね!

整形外科で診察してもらったよ!

カメ子:どういたしまして。怪我の具合はどうだった?

奥さん:幸い骨折はしていないけど、筋と筋肉を痛めているので、しばらくの間、

注射とリハビリに通わなければいけなくなったのよ!

カメ子:ああ、骨折していなくて本当に良かった。

でも、注射は痛いから嫌だなぁ。

奥さん:私も痛いのは嫌だけど、怪我を治すためには仕方がない。

今日も痛み止めの注射を打ったけど、関節の中まで注射針を入れられ涙が出るほど痛かったのよ!

診察室の前で待っていたら、中から「痛い。痛い。助けて」と女性の叫び声が聞こえてきて、診察室から出て来たおばあさんが「ああ、痛かった」と涙をふきながら出てきたり、皆、怪我を治したい一心で痛みを我慢して頑張っているのよ。

カメ子:生きるって、大変なことだね!

奥さん:私も注射を打つ前に「痛い。痛い」と叫んだら、「まだ、打っとらんぞ」と先生に叱られて、看護師さんに笑われちゃった。

カメ子:奥さんらしいね!

でも、そんなにひどい怪我じゃなくて、本当に良かった。

だって、男3人でご飯の心配をしなくてもいいからね!

奥さん:それで、良いチャンスだから、主人にご飯の作り方とあなた達の世話のやり方を教えようと思っているのだけれど、どう思う?

カメ子:さすが奥さん、転んでもただでは起きず、ピンチをチャンスにしたね!

でも、今回のことで良かったことがひとつだけあった。

それは、奥さんに吾輩の言葉が通じるようになったことだ。

これで、吾輩が病気になっても奥さんに症状を伝えることができるし、病院にも連れて行ってもらえるから安心だ。

 

読者の皆様へ 

 皆様にご心配をかけてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。

おかげさまで、たいした怪我ではありませんでしたので、安心してください。

たくさんの方に励ましのコメントを頂き、とても嬉しかったです。

どうもありがとうございました。

これからも頑張りますので、応援してくださいね💛

                          

 

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第174話 痛い。痛い。助けて!Part1

 

  ある日の午後、突然リビングルームに「痛い。痛い。助けて」という女性の大きな叫び声がした。

吾輩は、お昼ご飯を食べた後、岩の上でウトウトしていたので、いったい何が起こったのか?よくわからなかったが、どうやらその声の持ち主は、奥さんのようである。

そこで、吾輩はダメもとで、その声のする方に向かって話しかけてみた。

カメ子:奥さん、いったい、どうしたの?

奥さん:クロゼットの上の棚を片付けていて、脚立から落ちたのよ。

凄い、奇跡が起こった。

奥さんが、吾輩のしゃべっている言葉を理解しているではないか。

カメ子:大丈夫。痛みが治まるまでじっとして、動かない方がいいよ!

奥さん:カメ子、ありがとう。動こうにも、足が痛くて動けないのよ。

あいにく主人も外出して居ないし、どうしよう?

カメ子:えっ、もしかしたら、足を骨折しているかもしれないよ。

奥さん:縁起でもないことを言わないでよ!私が、もし、入院でもしたら、いったい誰が、あなた達の世話と主人の面倒をみるの。

カメ子:それもそうだなぁ。主人が居てもまったく役には立たないし、たぶん自分のご飯も作れないだろうなぁ。こりゃ困った、吾輩にとっても死活問題だ。

カメ子:よし、何とかして、奥さんを助けよう。吾輩に何かできることがある?

奥さん:水槽をよじ登って、テーブルの上に置いてある私のスマホを持ってきてくれないかなぁ?

吾輩がリビングルームの床を歩くのを嫌がっていた奥さんが、歩くことを許してくれたのだ、これも奇跡である。

カメ子:合点承知の助だ。

そうは言ったものの、水槽の壁は結構高いし、果たして吾輩にできるだろうか?

いや、そんな弱音を吐いている暇はない。奥さんを何とかして助けなきゃ。

いつも、やっているように水槽の壁をよじ登ればいいのだ・・・。

でも、水槽の上から転げ落ちたら、痛いだろうなぁ。

吾輩は、水槽の高い壁から何度も転げ落ちたが、必死によじ登り、やっとの思いでリビングルームの床に降りた。

今度の問題は、テーブルの上に置いてあるスマホを取って、どうやって奥さんのところまで運ぶかだ。

そうだ、いいことを思いついた。

テーブルにかけているテーブルクロスを引っ張ってスマホを落とせばいいのだ。

よし、これなら、吾輩にもできそうだ。

我ながら賢いと思い、自画自賛をしたのである。

でも、スマホをテーブルの上から落としたら壊れないかなぁ?

もし、スマホが壊れたら、奥さんにこっぴどく怒られるだろうなぁ?

まあ、怒られてもいいか、やってみよう!

人生は一度きり、何事もやってみなければわからない。

そして、テーブルに近づき、テーブルクロスの端を噛んでおもいっきり引っ張った。

やった、うまくいった。運よくスマホがテーブルから転げ落ちた。

しかも、スマホは壊れていないようで、神様は吾輩を見捨てなかった。

今度は、どうやって重いスマホを奥さんの所まで運べばいいのだろう?

神様は、吾輩にさらなる試練を与えた。

ぜんぜんいいアイデアが浮かばないので、万策尽きてあきらめようとしていたとき、また、奇跡が起きたのである。

玄関のチャイムが鳴り、カギを開ける音が聞こえてきた。

主人が、外出先から戻ってきたのである。

ああ、よかった。重いスマホをどうやって奥さんの所まで運ぼうか?と思っていたときだったので、ちょうど良かった。

主人:おい、どうした、大丈夫か?いったい、何が起こったのだ?

奥さん:クロゼットを片付けていて、脚立から落ちたのよ。

足が痛くて動けないから、もしかしたら、骨折しているかもしれないわ。

主人:そりゃ困った。明日から、俺の飯はいったいどうすればいいの?

奥さん:まったくあなたって人は、私のケガより、自分のご飯の方が心配なの。

主人は、急に大きな声をあげた奥さんにびっくりしながら言い返した。

主人:おっと。それぐらい大きな声が出れば大丈夫だ。

骨折じゃなくて、たぶん捻挫だよ!

肩を貸してあげるから、今から、一緒に整形外科に行こう。

あれっ。それにしてもどうしてカメ子が床の上にいるの?

カメ子:まったく、もう、吾輩とカメ輔のご飯より自分のご飯ばかりを心配して、本当に困ったご主人さまですね!

B型の男性って、こんなにマイペースなのかなぁ?

(あれっ。もしかして吾輩もB型だったっけ?)

 

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 もうすぐ、お盆ですね!

台風も接近中ですし、帰省される方は、

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次回の話は、意外な方向に展開しますので、乞うご期待!

 

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第173話 ご報告

 皆様に可愛がっていただいた「カメのひとりごと」の本は、出版社との書籍販売期間満了のため、2023年7月15日(土)をもちまして終了させていただきます。

書籍の販売が終了するのは、とても寂しい思いでいっぱいですが、これからの社会では、電子書籍の販売が主流になりつつあるようで、一歩前進するために決めました。

今後「カメのひとりごと」はAmazonkindle楽天ブックスkobo、新しく契約した20社へと販路を拡大し、電子書籍の販売のみに変更いたしますので、本で読みたい方は、お早めに注文してください。

本来なら、もっと早く読者の皆様にご報告しなければいけなかったのですが、諸般の事情によりたいへん遅くなり申し訳ございません。

たくさんの方に本を読んだ感想を頂き、涙が出るほど嬉しかったことを今でもはっきり覚えています。私自身も、読者の皆様から頂いた心温まるメッセージで、どんなに励まされたことかわかりません。

読者の皆様には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

3年間どうもありがとうございました。

作家という仕事は、自分の骨身を削ってでも締め切りに間に合うように書かなければならない、とても孤独でたいへんな仕事です。

しかし、自分が書いた文章で、人の心を動かし、感動を与えることができるということは、とても素敵なことだということを実感しました。

普通の主婦だった私にとってこの3年間というものは、激動の日々で、とても短く感じられました。

これからは、Amazonkindleで「カメのひとりごと」の続編も出したいと思っています。楽しみにしていてくださいね💛

安心してください。もちろん、ブログも続けていくつもりです。

これからも、皆様に楽しんで読んで頂けるように頑張っていきますので、応援してくださいね💛どうぞよろしくお願い致します。                                                                     

 

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第172話   男捨離

 

 

 ある日の午後のことである。奥さんが、段ボール箱とゴミ袋を持ち、部屋の中を行ったりきたりしている。

とても忙しそうだが、いったい何をしているのであろうか?

気になった吾輩はいつものように聞き耳をたて、奥さんと主人のようすを観察してみることにした。

すると、あんなに慌ただしく動き回っていた奥さんが、急に物静かになり、突然呟き始めたのである。

奥さん:ずっと着ていない洋服、食器、本、昔好きで集めた雑貨などがたくさんあって、クロゼットと納戸のドアが閉まらなくなっちゃった。

この際、思い切って捨てることにしよう。

でも、まだ、新品同様で使える物ばかりだから捨てるのはもったいない。

それで、私より年配の方に「何か要る物があれば差し上げます」と、言うとみんな喜んで貰ってくれる。

しかし、私より年下の友達に「何か要るものがあればあげるよ」と、言うと皆、同様に要らないと答える。

昔は、今のように欲しい物がなかなか手に入らなかった時代で「物は大切にしなさい」という教育を受けた年配の方は、物をため込んでしまう方が多いようである。

年齢で差があるのはどうしてだろう?と、思い、若者に理由を聞いてみると「自分の物がたくさんあるので、もう、これ以上増やしたくない」と答える。

やはり、物が豊富な時代に育った若者とは考え方が違うと思った。

これは、断捨離という言葉が世の中に浸透しているからかもしれない。

人にあげても喜んでもらえないし、どうしたらいいのだろう?と、思って考えているときに、突然良いアイデアが浮かんだようで、奥さんは、こう言ったのである。

奥さん:そうだ、いいことを思いついた。すぐに結果が出て手っ取り早い、リサイクルショップに売りに行くことにしよう。

家の中の要らない物は減って片付くし、現金は貰えるし、一石二鳥だわ!

すると、今度は主人が突然、はなし始めた。

おもしろそうな話題になるといつも会話に入ってきて、まったく調子のいい主人である。

主人:不用品を売ったお金で、焼き肉でも食べに行こうよ!

奥さん:捕らぬ狸の皮算用ね!じゃ、今から、私が、段ボール箱に詰めるから運ぶのを手伝ってね!

主人:合点承知の助だ!

吾輩:そうだったのか。これで、やっと、奥さんが、部屋の中をウロウロしている訳がわかって安心した。

吾輩は、奥さんのようすが少し変だったので、もしかしたら、認知症にでもなってしまったのか?と、少し心配していたところだった。

焼き肉か?そういえば、もう、ずいぶん食べてないなぁ?

もし、可能であれば、吾輩も、焼き肉が食べたいので、一緒に連れて行ってくれないかなぁ!多分、無理だろうなぁ?

奥さん:カメ子、カメ輔。今日、不用品をリサイクルショップに持って行ったら、こんなに高い値段で買ってくれたのよ!今から、おいしい物を食べに行ってくるからね、お利口にしていてね!

カメ子:やっぱり、一緒に行くのは無理か。奥さん、せめて、お土産ぐらいは、買ってきてくださいね!

主人:やったー、やったー!コロナが流行ってから3年間というもの、ずっと外食をしていなかったので、超うれしいなぁ。

奥さん:さあ、これから家の中の必要な物と不用品の整理をして、どんどんリサイクルショップに持って行くことにしよう!

そして、奥さんは、今から思うと身の毛もよだつような怖いことを言い始めたのである。

奥さん:でも、我が家で一番不要な主人は、どこのリサイクルショップでも買い取ってもらえない。

だって、どこのリサイクルショップでも「生き物はお断りします」って貼り紙があるから仕方がない。ああ、私が一番売りたいと思っていたのに、残念。

主人は、奥さんのその一言を聞き、愕然としたようすであった。

これが、我が家の「男捨離」である。

ああ~主人と同じ男である吾輩とカメ輔が、捨てられなくて本当に良かった。

こんなことを平気で言う奥さんって、本当は怖い人かもしれないなぁ?おお、こわ~!

 

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第171話この告げ口野郎

  

*リビングを徘徊するカメ子です。

 

 ある日の午後、主人が久しぶりに吾輩とカメ輔をベランダに出してくれた。

主人は、最近暇を持て余している様子であるが、以前のようにかまってくれない。

早速カメ輔は、吾輩の目の前を素通りし、ある方向に向かって進んで行った。

その行く先を見ると、袋の中に何かが入っている荷物が山積みになっていた。

カメ輔は、そこに向かって突き進んで行ったが、吾輩は、何か嫌な予感がしてきた。

山積みになった荷物が置いてある場所に到着したカメ輔は、次は、荷物と荷物の間の隙間に入ろうとしていたのである。

その時、吾輩は一瞬ヤバイと思った。隙間の向こう側にはいったい何があるの?

何も考えていないカメ輔は、前進するのみであった。吾輩は、カメ輔の身に何かが起こりそうな予感がしたので、カメ輔の後を付いて行くことにした。

ヤバイ、言わんこっちゃない。

カメ輔の進む方向を見ると、そこにはそびえ立つ荷物があって行き止まりになっていたのだ。このままカメ輔が前進すると、カメ輔はここから一生抜け出すことができなくなるかもしれない。吾輩は、「なんとかしなくちゃ」と思った。

しばらくの間どうしたらいいか?よく考え、ついに伝家の宝刀を抜くことに決めた。

ガブッ、ガブッ。吾輩は、生まれて初めてカメ輔の尻尾に嚙みついたのだ。

ところがどうだ。

カメ輔は、一瞬動きを止めたが、なんとその後も前に突き進み、そして袋小路の終着点でやっと歩みを止めたのである。

カメ輔は、これまで前進あるのみで、後ずさりした経験がなかったのである。

さて、どうやって助けるか?吾輩はカメ輔の救出方法を考えなくてはならなくなった。

その時、ふと吾輩の右側を見ると、あの憧れていた光景が拡がっているではないか。

その光景とは、水槽の壁をよじ登って何回も脱出を試み、いつも主人から「ダメ、ダメだよ」と叱られ水槽の中に戻された、あの夢のような憧れのリビングルームのことである。

吾輩は、一瞬ヤバイと思った。

カメ輔を助けるより、夢のリビングルームで遊んだほうが楽しいよ。という悪魔の囁きが聞こえてきた。

吾輩は、しばらく考え、そしてついに決断した。

一旦、カメ輔を助けるのをやめ、人間が住む夢の世界に突き進もう。と、思った。

そして、進行方向を右側に変え進んで行った。

吾輩は、リビングの床を一歩ずつ前進し、やっと70cmぐらい進んだであろうか?

どこからともなく、人間の声が聞こえてきたのである。

そして、こう言った。

人間の声:ああー、カメ子が大変なことをしているよ!

すると、その声を聞いた奥さんはびっくりして吾輩を見た。

奥さん:しっかり見ていなきゃダメじゃない。早くカメ子を水槽の中に戻して!

そう言われた人間は、しぶしぶ吾輩を水槽の中に戻したのである。

そう、最初の声を発したのは、主人であった。

カメ子:なんたることをしてくれたのか!

まったく主人は、余計な事をしてくれたなぁ。この告げ口野郎が。

吾輩は、主人の卑劣このうえない行動が頭にきた。

しかし、この後、主人から意外な言葉が飛び出してきたのである。

主人:最近、「カメ子のひとりごと」の新作をあまり書いていないみたいだね。

それで、話のネタを作ってあげようと思ってわざとやったのだよ。

すると、奥さんは、

奥さん:そのことと、カメ子をリビングルームで徘徊させることは別問題よ。

余計なことをしないで。そんなことをするからいつも私から怒られるのよ。

私は、アレルギーが多いのだから、カメ子、カメ輔を飼う時は、水槽の中だけにしてよね。

吾輩は、主人のことをこの告げ口野郎と言って一度は怒りを覚えたが、この主人の発言を聞き、その怒りも失せてしまった。

一方、奥さんに対しては、「相変わらずクールだなあ~」と思い、そして、自分の行ったことを改めて考え直してみた。

すると、自分が主人のことを告げ口野郎と言えるほどの立場なのか?

疑問に思えてきた。

だって、主人が告げ口野郎なら、吾輩は悪魔の誘惑に負けた輩(やから)ではないか。吾輩もまだまだ修行が足りんなぁ。

ええい、こうなりゃ~吾輩のせめてもの罪滅ぼしじゃ。

奥さん、吾輩の未熟さをネタにして、おもしろおかしく「カメのひとりごと」の話を書いてください。

吾輩は、奥さんから何と書かれても文句は言いませんから、安心してくださいね!

  

【後 記】

 主人は、奥さんにネタを作ってあげるためにわざとやった。と、言っていましたが、

果たして本当のところはどうだったのでしょうか?

読者の皆様は、どう思いますか?

そのヒントは主人と奥さんとの会話の中にあるようですね。

 

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