カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第150話 フィアンセ

 5月のある日、吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、右上空から、見覚えのある鳥2羽が飛来し、吾輩の目の前に降りてきた。

とその時、その様子を見ていた主人が奥さんに、話し始めたのである。

主人:おい、見たか?鳩が2羽ベランダに飛んで来たぞ。しかも、カメ子と向かい合って何かを話している。

もしかしたら、あれは、鳩吉かもしれない。そして、一緒に飛んで来たもう1羽は鳩吉の○○○○○かなぁ?

もし、あの鳩が鳩吉だとしたら、以前に比べちょっと痩せて疲れているようだなぁ。

そこで、吾輩は、恐る恐る尋ねてみた。

カメ子:やあ、君は鳩吉かい?

すると、鳩がうなずいた。

それを見て、吾輩は一瞬ホッとし、そして言った。

カメ子:やっぱり鳩吉だったなぁ。突然のことで、びっくりしたよ。どうして、こんな所にいるの?あれっ、それに、隣にいる鳩とは、いったいどういう関係?

そう言うと、なぜか、鳩吉は辺りを見渡し、ちょっとがっかりしたような様子で「なんだ、何も食べ物がねーじゃねーか」と意味不明なことを言い、ゆっくり話し始めた。

鳩吉:久しぶりだなぁ。ひとつずつゆっくり話すから、ちょっと、待ってくれよ。

公園での出会いから、もうすぐ、1年になるなぁ?

相変わらず、お前は、人間に囲まれて良い暮らしをしているようだなぁ。ふっくらとして、顔色も良さそうだし。

あれ、隣にいるカメさんは、初めて見る顔だなぁ。いったい誰なの?

(カメ輔のことを言っているようである)

実は、あの公園で、カメを連れた怪しげな人間が来たという情報が耳に入った。

その話しを聞いて、俺はハッとした。そのカメはカメ子に違いないと思った。

なぜって?公園にカメを連れて来る人間なんて、そんなにいないだろうしね。

お前が、そんなに気が利くタイプじゃないのはわかっているので、「来る時は前もって、知らせてくれよ」とは言わないよ。俺自身も、食べ物を追いかけて、その日その日暮らしの貧乏暇なし人生だからね。

でも、その時から、お前のことが気になっていたのさ。

そこで、知り合いの鳩仲間とカラスやトンビにお前の居場所を聞いて回った。

すると、スズメの仲間から、近所にカメを飼っている家があるという情報を聞き、実際にその家に食べ物を物色に行ったことがあるというスズメがいた

(そのスズメはスズ吉かも?)

その家には、食べ物がたくさんあった。と言うことを聞いたので、「もしかして、カメ子の家かも?」と思い、さっそく、はせ参じたという訳さ。

俺の勘は鋭いので、当たったよ!

そして、もうひとつの質問、隣にいる娘のことだが、彼女は、俺のフィアンセだ。

どうだ、驚いただろう。お前から見れば、昔の俺とは、想像もつかないだろう?

お前と初めて会った時は、俺はひとりぼっちだったからなぁ。

俺はあの時、「一生一匹オオカミで良い」といきがっていた。

しかし、仲間からは、変わり者呼ばわりされつまはじきにされていた。

そして、公園では、2年ほど前からパンをくれる人間がだんだんと減ってきた。

巷の噂では、コロナウイルス感染症とロシアによるウクライナ侵攻でパンの価格が高騰したため、公園にパンを持ってくる人間が少なくなったそうだ。

鳩のグループに所属していない俺に、パンのシェアをしてくれる仲間なんか誰もいなかった。俺は、このまま餓死するんじゃないかと思っていた。

そんな時、突然、彼女が現れ、俺に優しい言葉をかけてくれ、食べ物を分けてくれた。そして、それがきっかけで、ずっと彼女と一緒に行動をするようになった。

鳩は、やっぱり一人では生きてはいけないと思い知らされ、共に助け合って生きていく生き物なのだと悟ったよ。

恥ずかしながら、この歳で初めて、鳩が集団で行動する意味がわかったよ。

それにしても、お前(カメ子)は良いよなぁ~人間というスポンサーがついていて、三食昼寝付きで、雨露をしのぐ家もあるし。

吾輩は、鳩吉の話しを聴き、なぜか複雑な気持ちになった。

そして、この後も鳩吉の話しは続いた。

鳩吉:今日は残念ながら、食べ物にはありつけなくて、フィアンセには申し訳ないことをしたが、お前と再び逢えたことは、俺にとっては大きな収穫だった。

そして、最後に、吾輩もお返しの言葉を言った。

カメ子:今日は、何も食べ物の用意がなくて済まないなぁ。

実は先日、主人と奥さんが食べ物のことで大喧嘩になり、当分の間この家でも食べ物が提供できなくなってしまったんだ。

すると、鳩吉は、フィアンセに向かい「もうそろそろ、おいとまするか」と言った。

そこで、吾輩が、「良かったら、来年の花見の席でまた会おう」と言うと、東の空を見ながら、鳩吉は、「無事に生きていればなぁ。俺はお前ほど長生きしないと思うよ」と呟いたのである。そして、彼女と一緒に東の空に飛び立って行った。

鳩吉は、相変わらず口が悪く、格好ばかりつけて、いけ好かないが、どこか憎めない。毒舌の中にも優しさが感じられる。だが、今回は、鳩吉はなんだか寂しそうであった。そんな鳩吉に対して、彼女は母性本能をくすぐられたのかもしれないなぁ。

それで、鳩吉は女性にもてるのかもしれない。

吾輩は、鳩吉が飛び立った東の空を眺めていると、主人が何かブツブツ呟いて近づいて来た。その時、吾輩は嫌な予感がした。

主人:カメ子は、鳩吉といろいろなことを話したようだね。

そこでワシは、鳩吉の彼女のために、本気で名前を考えることにした。

鳩吉には、また、今度会った時に伝えてくれよ。

ああ~吾輩の嫌な予感が的中したようだ。

さて、これからどうなることやら、吾輩には、ある程度の予想がつくが・・・。

先が思いやられるなぁ?

 

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【後記】

 それから、3日ほど経ったある日、主人から重大発表がありました。

主人:ワシが3日3晩寝ずに考えて、鳩吉のフィアンセの名前を"鳩子(はとこ)と命名したいと思う。果たして、鳩吉は、気に入ってくれるかなぁ?

これは、カメ子の名前を考えた時と同じ状況です。

実は、カメ子の名付けの親もご主人様だったのです。

世界に二つとない唯一無二の命名を期待したのですが・・・

でも、男でカメ子という名前は、珍しかったかもしれませんね。

 

:第109話・第110話・111話 

  刎頸の友Part1、2、3

:第146話 桜吹雪

:第147話 リアリスト

:第148話 鼻鉄砲



第149話 Present

 5月のある日、吾輩はいつものように隙間時間(本当は、ずっと暇なのだが)を利用して、主人と奥さんの話しを盗み聞きすることにした。

奥さんは、吾輩をチラッと見た後、主人に訳の分からぬ話をしようとしていた。

奥さん:ああ~今日は、「母の日」だわ。やっぱり、今年もカメ子、カメ輔からは、何もプレゼントがなかったわね。

すると、主人は即座に答えた。

主人:それは、無理だよ。カメ子とカメ輔は、そんなこと微塵も考えてないよ。

吾輩は、その会話を聴き、一瞬ムカッとしたが、すぐ反撃を開始した。

吾輩:ご主人様、何おもしろいこと言っているの?

吾輩だって、母の日ぐらいは知っているよ。母の日というのは、子供がお母さんに何かプレゼントをする日だろ。

吾輩の本当の親は、主人と奥さんじゃない。正真正銘のニホンイシガメだ。

故(ゆえ)あって、親の氏素性(うじすじょう)はわからないが、本当の親ではない奥さんに母の日のプレゼントをする筋合いはない。

吾輩は、我を失い、ついつい興奮してしまい、主人に鼻鉄砲をしてしまった。

そして、それを見ていた主人が、「まあ、まあ、落ち着いて、落ち着いて」と

言ったので、ようやく怒りもおさまってきた。

そして、改めて事の事態について冷静に考えられるようになってきた。

カメ子:えっ、ちょっと待てよ。吾輩は産みの親が誰だかわからない。

でも、育ての親は、主人と奥さんだ。

もしかして、奥さんは、「育ての親の私には、プレゼントはくれないの?」と催促したのかもしれないなぁ。

(しばらく時間を置いて頭を冷やし)

でも、吾輩は、プレゼントをしようと思っても、何をプレゼントしたら良いのかまったくわからない。

いつだったか奥さんが「母の日のプレゼントは、カーネーションの花よ」とか言っていたが、吾輩はそんなもの今まで見たことがないし、どこに売っているのかもよくわからない。カーネーションの花じゃなくても、ユッカじゃダメなのかなぁ?

でも、ユッカじゃ花がないなぁ。(隣に鎮座している、ユッカ姉さんから怒られた)

あっ、そうだ、そういえば、最近、奥さんが始めたガーデニングのラベンダーがあったなぁ。でも、それは、奥さんの物だしなぁ。

そもそも吾輩には、カーネーションを買うお金がない。そして、「母の日」にプレゼントをするためには、事前に準備をする時間も必要だ。吾輩には人間社会のカレンダーという物がないので、いつの間にか「母の日」が過ぎてしまった。ということになりかねないなぁ。

吾輩だって、「暇人なりに、今日は何をしようか?」といつも頭を悩ませている

貧乏暇なしのカメなのである。

「やっぱり吾輩は、奥さんに【母の日】のプレゼントをすることができないなぁ~」と思い、心が折れそうになっていた。

そのとき、一筋の光明が差し込んできた。

それは、こういうことだ。

カメ子:奥さんへの感謝は、「母の日」だけすれば良いというものでもないし、カーネーションの花という形のある物をプレゼントすれば良いものでもない。

そうだ、奥さんが喜ぶことを吾輩がしてあげればいいのだ。吾輩が、奥さんに対してできる唯一のことは「癒し」を与えることかもしれない。そして、病気に罹ったり、怪我をしたりしないで、奥さんに心配をかけないようにすることぐらいかなぁ?

カメ輔にもこのことを肝に銘じるように言っておきます。

 

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【後記】

 カメ子はようやく、主人と奥さんが言いたいことがわかってきたようです。

もしかして、主人と奥さんは、カメ子によく考えてもらうために、わざと怒らせるような発言をしたのかもしれませんね。

でも、カメ子が、ここまで悟っていることをまだ、主人と奥さんは気が付いていないようです。

それを理解しているのは、読者の皆様と、カメ子自身です。

主人と奥さんには、このことを後で私から伝えておきますね。

そして、6月の第2日曜日は「父の日」です。

カメ子、カメ輔、絶対に忘れないで、ご主人様も大切にしてあげてくださいね。

              

第148話 鼻鉄砲

 


 吾輩は、相変わらず暇だったので、主人と奥さんの話を盗み聞きすることにした。

でも、今日の主人は、何か悩み事がありそうな表情をし、パソコンで仕事をしているようである。

そして、奥さんにこう言った。

主人:ワシは大きな間違えをしてしまったみたいだ。

最近、カメ子とカメ輔にパンを与えすぎてしまった。

パンはカメにとって「与えない方が良い食べ物」に入っていたよ。

これまで、極力、添加物や塩分、それに脂肪分の少ないものを選んだつもりだったんだが、どうも、パンは、カメの許容範囲をはるかに超えているようで、栄養価も低いらしい。

実は、この前、カメ子にパンを与えたとき、初めはクンクンと匂いを嗅ぎ、2~3切れ食べたが、その後、急に後ずさりをしたんだ。

そして、「もう少し食べろよ」と言って、逃げるカメ子に無理やり食べさせた。

すると今度は、鼻から透明の液体を出し、鼻鉄砲をこちらにかけてきたんだ。

これは、「ヤバイ」と思い、心配になってパソコンで恐る恐る調べてみた。

その結果がこれだ。カメ子、カメ輔、本当にすまなかった。と反省している。

すると、これを聴いた奥さんが、すかさず吠えた。

奥さん:えっ、そんなことがあったの?

だからあの時、カメ輔がパンを食べた後、下痢しているわよ。と言って、注意したじゃないの。

早くパンと鼻水、鼻鉄砲の因果関係を調べてよ。

それから、カメ子の気持ちも聞きたいわね。

そもそもあなたは、これまでカメ子が欲しがる食べ物を、全部与えてきた。

「ホッケ」や「ときしらず」の塩焼き、「マグロ」や「ブリ」の刺身、「牛肉のステーキ」等。

パンでさえ与えない方が良いのなら、これらは、カメにとって、とても悪い食べ物になるわね。

カメの餌は、あなたに任せてあるのだから、しっかり管理してくれなきゃ困るじゃないの。

(カメ子:いつものように主人は怒られっぱなしである。ああ、情けない)

この後、吾輩は嫌な予感がしていると、奥さんが、水槽に近づいて来て言った。

奥さん:カメ子ちゃん。お腹の調子は大丈夫?

しばらくはマメ(市販のカメ用の餌)だけで我慢してね。

パンは体に悪いから今後、絶対に食べちゃダメよ。

ああ、やっぱり、吾輩の嫌な予感が的中したようである。

本日、主人が吾輩に食べさせてくれたのは、やはり、マメだけであった。

これから当分の間は、このマメのお世話になるのであろうなぁ。

ああ、あの頃が懐かしい。

果たして、また、あの黄金時代に戻ることはできるのであろうか?

 

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【後記】

 この後、カメ子は、マメを食べましたが、鼻水は出ず、鼻鉄砲もしませんでした。

パンを食べた時は鼻鉄砲をするのに、マメを食べた後はしなかったのです。

そして、これ以降、カメ子はマメだけしか与えてもらえず、パンを食べさせてもらえることはなくなりました。

というわけで、鼻水や鼻鉄砲とパンには何か因果関係があるようです。

でも、わかったのはこれだけで、肝心なカメ子の気持ちはわからず、真実の究明には至りませんでした。

そこで、今回特別読者の皆様だけに、カメ子の気持ちを語ってもらうことにしましたので、よく聞いてあげて下さいね。

カメ子:カメにとって添加物や塩分、脂肪分を摂り過ぎることがどうして身体に悪いのかよくわからない。

でも、吾輩だって、その食べ物が身体に良い食べ物なのか?果たして悪い食べ物なのか?は、自分の嗅覚で判断しているよ。

だって、カメにとって、餌を食べるということは命がけだし、自分の身は自分で守らなきゃいけないからね。

今回、吾輩がパンを食べようとした時、拒否したのは、前日、パンを食べ過ぎていたからさ。

そして、主人が、「鼻から透明の液体」と言っていたが、実は、あれは、水なんだ。

なぜか、パンを食べるときは、水が欲しくなるので、水をたくさん飲みながら食べるんだ。

そして、その一部が鼻から出て鼻鉄砲になるのさ。

パンは、柔らくて食べやすいが、口の中の上の方にくっ付くので、水を飲みながら食べて胃の中に流し込むんだ。

カメ子の話しをよく聞くと、鼻水と鼻鉄砲、パンの間には、何か因果関係がありそうですね。

ただ、今回のカメ子の話しでは、パンがカメにとって身体に悪い食べ物だと断定するには至りませんでした。

第147話 リアリスト

 

 昨日、吾輩はカメ輔と一緒にベランダで遊んでいた。

すると、突然上空から謎の鳥が飛来し、吾輩の近くに降り立った。

からして、あのにっくきカラスではないようだ。

いったい何の鳥だろう?と思ったが、それは、いつかどこかで見たことがある鳥だった。

でも、その鳥がいったい何の鳥なのか?は思い出せない。

すると、その中の1羽が吾輩の方にやって来て、言った。

鳥:おいおい。俺だよ。スズメのスズ吉だよ。忘れちゃったのかい?

以前、俺は「あんたは良いよな。何の苦労もなしに、人間から食べ物がもらえて」と言ってからかったなぁ。ごめんよ。

その言葉に対し、吾輩は、(しばらく間をおいて)「あっ、そうだ。思い出した。あの時のスズ吉だ。」と答えた。

(ようやくその時の記憶が戻ってきた)

「ところで、今日は何しに来たの?」と核心を衝くと、スズ吉は、意味深な発言をした。

スズ吉:いや~ようやく春になったし、今日から、挨拶回りを始めたんだ。ところが、同じ仲間やカラスの有力者に挨拶に行ったが、いろいろと忙しいのだろう、皆留守だった。

温室育ちの君にはわからないとは思うが、ここ2年ほど前から、この辺りのゴミ置き場に出しているゴミ袋に残飯がたくさん入っていて、多くのカラスがそれをあさっているよ。もちろん、俺もその周りでご相伴にあずかっているので、助かっているがね。

ところで、今日は、ここに美味しい食べ物があるらしいとの情報を入手し、挨拶がてら、たくさんの仲間を連れてやって来たんだ。

(カメ子:はて、ここには美味しい食べ物が、あったかなぁ?)

と言うと、スズ吉は、しばらく辺りを見渡し、ちょっぴり悲しげで、悔しそうな顔をして言ったのである。

スズ吉:残念ながら、それらしきものは見つからなかった。でも、君に挨拶が出来たし、この辺りでおいとまするよ。

さあ、次は、この辺りの大御所といわれているトンビへの挨拶回りだ。

次回は、是非、美味しい食べ物を用意しておいてくれよ!

と言い残し、スズメ達は東の空に飛び立って行ったのである。

すると、その様子を、部屋の中から見ていた主人が、傍にいる奥さんに向かって囁いたのである。

主人:おいおい。たくさんのスズメ達が来て、ベランダで、カメ子と何やら話しているぞ。それにしても、どうして今頃スズメ達がここに来たのかなぁ?

しかも、こんなにたくさんのスズメ達がやって来たのは初めてだ。

ワシは、最近、食べ物をベランダに撒いたこともないしなぁ。

すると、奥さんは主人の疑問に対し、淡々と答えた。

奥さん:ようやく過ごしやすい季節になり、動物達の活動も活発化してきて、生き物が食べ物を探す季節がやってきたのよ。ここ2年ぐらい、近所の家の屋根に、たくさんのカラスが留まっていることに気づかない?

トンビも、向こうの家の屋根からいつもこちらを覗き込んでいるわよ。

これは、きっと新型コロナウイルスの影響があるかもしれないわね。

だって、コロナ禍で、皆が自宅に引きこもっているので、たくさんの生ゴミが出て、それをめがけて、カラスやスズメが集まってくると思うのよ。

これって、「新型コロナウイルスでカラスが増えた」と言うことになるわね。

まるで、「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じね!

すると、主人は「なるほど。上手い例えだなぁ。座布団1枚」と言った。

ところが、主人の次の質問に、奥さんの顔が一変し、主人に対して半ば呆れ顔で言ったのである。

奥さん:あなた。マジで「ワシは、最近、食べ物をベランダに撒いたこともないし」と思っているの?

カメの餌やりは、いったい誰の仕事なの?あなたの仕事でしょ。

これは、あなたがこの仕事を最後までやっていないということね。

実は、私がカメ子とカメ輔が食べ残したパンの屑をベランダに落としたのよ。

今回、スズ吉達がたくさんベランダにやって来たのは、カメ子達に与えたパンの残りがお目当てだったはずよ。

すると、これを聞いた主人は、一瞬あっけにとられた顔をして言った。

主人:そうだったのか。いつも、ワシがカメ子達に食べ物を与えていたが、お前に後始末をさせていたからなぁ~その後のことは知らなかった。面目ない。

(カメ子:ああ~また、主人が奥さんに怒られている。情けない)

吾輩は、奥さんの話しを聞いて思った。

カメ子:奥さんは、スズ吉の話しと同じようなことを言い、ちゃんと世の中の動向を把握しているようだ。

もしかして、奥さんはリアリストかもしれない。

一方、ベランダに落とした食べ物はパンだと言っていたなぁ。

そうだとしたら、そのパンは、吾輩がウクライナ侵攻に伴う「怒りの抗議」をした時に食べたあのパン※3の残りだったのかもしれない。

あの時、奥さんは、確か「ウクライナ侵攻の影響でパンは値上がりし高価になっている」と言っていた。そんな大事なパンを主人が吾輩に与えたんだ。

主人は、もう少し自分の仕事を自覚し、最後まで責任を持って、カメ達からも尊敬されるような人になってもらいたいものだ。

しばらくして、主人と奥さんが何かヒソヒソ話しを始めた。

きっと、吾輩に聞かせたくない話しだろうなぁ。と思った。

そうすると、かえって聞きたくなるのが人情で、ちょっと聞いてみることにした。

主人:スズメに食べさせるために、ベランダにパンを撒いたの?

奥さん:いいえ、本当はベランダに置いているゴミ箱にパン屑を捨てようとして、うっかり下に落としてしまったの。忙しくて、掃除する暇がなかったので、そのままにしていたらスズ吉達に見つかっちゃったのよ。

ベランダに洗濯物を干している時はスズメが来ると、糞をするので、困るのよ。

それに、鳥達はいろんなところに飛んで行って、足にどんな細菌をつけているかわからないから怖いわ。

やはり、吾輩が思っていた通り、奥さんはリアリストだった。

 

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:第58話 素敵な出会いPart3(未知との遭遇

  【カメのひとりごと】本には未掲載

:現実に即して物事を考え、また処理する人。現実主義者。 実際家。

 

※3:第144話 怒りの抗議【カメのひとりごと】

第146話 桜吹雪

 

f:id:antabilog:20220416014837j:plain

🌸桜吹雪の中を探検しているカメ輔です。

 

 今日は、朝からなんだかウキウキしている。

えっ、いったいどうしてかって?

それは、昨夜、主人と奥さんの話しを聞いたからだ。

話しの内容は、吾輩とカメ輔を近くの公園に連れて行ってくれるという内容だった。

そして、とうとうその時がやってきた。

お昼過ぎ主人が、吾輩とカメ輔を別々のバスケットに入れて車に乗せ、

奥さんが車に乗り込むと、すぐに発車した。

バスケットの中で少しガタガタ揺れたが、10分ぐらいで目的地の公園に到着した。

そして、車から降ろされ、透明なバスケットの中から見える風景は、いつかどこかで見たことがあるような景色だった。

そこは、広いグラウンドで、その周りにある木々には綺麗なピンク色の花が咲き乱れ、

その花びらは、風が吹くと乱舞していた。

主人と奥さんは、グラウンドの横の椅子に荷物を置いた後、吾輩とカメ輔を広場の別々の場所に運んだ。

そして、なぜか?一度、椅子のところに戻り、再び、吾輩とカメ輔がいる所にやって来たのである。(なしか?)

それから10分ぐらい経ったであろうか、見知らぬ年輩の男女二人がカメ輔に近づいて来た。

すると、男性がカメ輔を見ながら言った。

男性:広場にカメがいるなんて珍しい。こんなに近くで、本物のカメを見るなんて久しぶりだ。このカメは何という種類?どこの川からやって来たの?と、質問をしてきた。

すると、カメ輔の近くにいた主人が、「名前はカメ輔と言って、家(うち)で飼っているんですよ。種類はニホンイシガメで、日本固有の在来種で準絶滅危惧種のカメなんです」と答えた。

それに対し、男性は、何を言っているのかよくわからない様子で、ポカーンとしていた。

そして、今度は、女性が二人の会話に入って来た。

女性:こんなお花見日和に縁起の良いカメさんに出会えるなんて、おめでたいことじゃないの。写真を撮影して奥さんに見せてあげたら。

と、言った。

すると、さっそく男性は、主人に了解をとり、カメ輔の動画をスマホで撮り始めた。

そして、撮影が終わると、こう言った。

男性:来年の花見には、縁起の良いカメさんに、会えるかどうかわからないなぁ。

良い冥途の土産になったよ。

(カメ輔に向かって)カメ輔くん。ありがとう。この動画は妻に見せて、縁起物として大事に取って置くからね。

「カメが縁起物」だと言われて有頂天になっているときに、吾輩はある言葉に反応したのである。

カメ子:えっ、花見。この言葉は、いつかどこかで聞いたことがある言葉だなぁ。

もしかして、いま、綺麗に咲いているピンク色の花は桜の花かもしれない?

あっ、思い出した。

ここは、昔、吾輩がお花見をした場所だったんだ。

でも、その時いったいどんなことがあったのか思い出せないなぁ。ああ、情けない。

すると、暗い顔をして困っている吾輩を見かねた奥さんから、痛快な話しが飛び出してきたのである。

奥さん:カメ子。もう、そろそろ思い出した?

あなたは6年ぐらい前、ここにお花見で来たことがあるのよ。

その時、鳩の「鳩吉」に会ったわね。

吾輩は、「鳩吉」という言葉を聞いて、思い出した。

「鳩吉」は、吾輩の「刎頸(ふんけい)の友」だ。

「刎頸(ふんけい)の友」でありながら、すっかり忘れていた自分が恥ずかしい。

しばらくの間、あの時のことを思い出していると、ある疑問が生じてきた。

あの時、鳩吉とは、「また会おうなぁ」と、約束をして別れたが、今日、彼の姿はまだ、見ていない。何かあったのかなぁ?

再び吾輩の顔が暗くなると、主人がカメ輔を手で掴んでこっちにやってきて、吾輩の横に置いたのである。

すると、吾輩は鳩吉のことを忘れ、カメ輔に対する対抗心がメラメラと湧き上がってきたのである。

カメにとって、「前人未踏の探検」は心が浮き立つのである。

そして、吾輩は、カメ輔の前に割り込み、カメ輔を手で押しのけ、「桜吹雪」の前方に広がる花の絨毯(じゅうたん)をノッシ、ノッシと前進したのである。

そして、それを見ていた奥さんは、半ば呆れ顔で言った。

奥さん:まぁ~カメ子は相変わらず負けず嫌いの吾人ね。

昔からちっとも変わってないわ。

もちろん、吾輩は、奥さんの戯言(たわごと)をいちいち気にしている暇はないので、未知の世界をただひたすら突き進んでいた。

一方、カメ輔も、吾輩と違った方向に舵を切って、ゆうゆうと歩んでいた。

すると、吾輩は、自分が進みたい方向とは違う所に、人間の足があるのに気が付いた。

足元まで行き、上を見上げると、主人の顔があった。

吾輩は、「さて、どうするか?このまま、主人を見なかったことにして、前進すべきか?いや、仁義を尽くして挨拶しておこうか?」と一旦立ち止まって考えたが、しばらくして、吾輩は主人のいる方向に行くことにした。

そして、吾輩が主人の足元まで近づいて来た時、主人からびっくりするような言葉が飛び出したのである。

主人:お~い、カメ子。よく、ワシの所まで来てくれた。やっぱり、カメ子は律義だなぁ。それに比べてカメ輔はなんだ。ワシの方に近づいても来ない。ただ、あらぬ方向に進んでいるだけだ。こんなにカメ輔のことを世話してきたのに。ああ、情けない。

カメ輔は相変わらず、世間知らずのカメだな。

すると、それを聞いていた奥さんが、間髪入れず、吠えたのである。

奥さん:だってしょうがないじゃない。カメ輔は、まだ4歳で、世間の義理人情なんてわからないのよ。

奥さんは、どうも吾輩には厳しく、カメ輔には優しいようである。

一方、主人は、カメ輔には厳しく、吾輩には優しい。なしか?

それにしても、お腹が空いた。

お弁当はまだかなぁ?

 

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【後記】

 カメ子が心配していた鳩吉のことについて、ご報告致します。

鳩吉がこの日、姿を見せなかったのは、主人と奥さんが鳩吉にあげる

パンを持ってくるのを忘れたからです。

一方、主人と奥さんは、ちゃっかり自分達が食べるお弁当を持って来て、

椅子に座って食べていたとのことです。

読者の皆様、どうか、このことはカメ子とカメ輔には絶対内緒にしてくださいね!

どうぞよろしくお願い致します。

 

:詳細については、【カメのひとりごと】の本《素敵な出会い》を

   参照してください。

 

 

第145話 冬眠明け前線

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 3月某日、主人が奥さんに何か話しかけている。

今日も暇をもてあましている吾輩にとって、いつものように二人の会話を聞くことは、楽しみのひとつになってきた。

今回は何の話しかなぁ?楽しみだなぁ。

早速、主人が何かを悟ったかのような顔をして話し始めた。

主人:我が家のカメ達の冬眠明けは、3月の中旬頃だったみたいだなぁ。

それは、カメ輔のある行動で確信したよ。

すると、奥さんが、すかさず答えた。

奥さん:へぇ~どうして、冬眠明けがその頃だってわかるの?

それに、カメ輔の「ある行動」っていったい何なの?

それは、カメ子だとダメなの?

すると、主人は、奥さんの質問に対して、「待ってました」と言わんばかりな顔をし、得意気に話し始めたのである。

主人:カメは、気温が15℃以上の日が何日か続いたら冬眠明けをするというけれど、そんなものはあてにならん。

だって、カメによって体調は違うからなぁ。カメは、体温が下がると食欲がなくなって冬眠し、体温が上昇すると食欲が出てきて冬眠明けの時期を迎えることになる。

3月の中旬頃、ワシがカメ輔に「カメ輔、カメ輔」と声をかけると、カメ輔が甲羅から首を出して、ワシに歩み寄って来た。カメ輔がワシに近づいて来るのは珍しい。

そこで、ワシは、カメ輔が近づいて来た理由を考えてみた。すると、2つの理由が頭に浮かんできた。それは、お腹が空いたので、食べ物を要求しているか?水が汚くなったので水替えをしてくれか?のどちらかである。

水替えは、冬眠中もいつものとおり2日に1回は行っていたので、水は汚れていない。だとすると、カメ輔の要求している物は、食べ物に違いない。

それで、食欲が出てきた3月中旬頃を、カメ輔の冬眠明けと確信した。

また、「カメ子だとダメなの?」の質問については、カメ子は、お腹が空いていなくても「遊ぼう、遊ぼうよ」と寄って来ることがある。

だから、カメ子がワシに近づいて来ても、冬眠明けのシグナルとしては判断しがたい。

このような理由から、冬眠明けの判断対象をカメ輔と決めたんだ。

これと似た例では、桜前線があり、桜前線の標本木には、ソメイヨシノが使われている。

冬眠明け前線を桜前線に例えると、さしずめソメイヨシノはカメ輔かもしれないね。

(おもしろい例えだが、ややこしくてよくわからない)

すると、主人の話を聞いていた奥さんが、驚いた様子で話し出した。

奥さん:へぇ~、よくカメ子とカメ輔の様子を観察しているわね。感心したわ。

ああ、そう言えばあの時、あなたは、近づいて来た二人にパンをあげていたわね。

そして、二人ともパンをペロリとたいらげてしまったわ。

あれ以来、二人とも食欲が日を追うごとに増し、最近では、スイカやイチゴは勿論、今まで食べたことのない物を絶対に口にしなかったカメ輔が、初めてメロンをたいらげたのよね。

そう考えてみると、カメ輔があなたに近づいて来るようになった時が、今年の冬眠明けに間違いなさそうね。

(そして、カメ子とカメ輔がいる水槽の方を振り向き、)あなた達は、私達からいつも見守られていて幸せね。何か身体に異常があった時は、すぐに病院にも連れて行ってもらえるしね。

プライバシーがないなんて、ブツブツ文句を言わずに、我慢しなさいよ。

それにしても、カメ輔を桜前線の標本木に例えるなんて、おもしろいわね。

あなたに座布団一枚、あげたいところだわ!

吾輩は、今回のこの話しを聞き、主人と奥さんが、吾輩とカメ輔のことをこんなにも思ってくれていたことに感謝をしたい。

これから、吾輩とカメ輔は、なるべく不平不満を言わず、主人と奥さんに心配をかけないようにしていきたいと思います。

どうか、今後とも、温かく見守って下さい。

どうぞよろしくお願い致します。

でも、吾輩が、我が家の冬眠明けの指標にはなれなかったことは、ちょっぴり残念である。

 

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【後記】

 主人と奥さんとの会話を聞いていたカメ輔から、感想が届きましたので、ここで、ご紹介させていただきます。

カメ輔:僕も、主人と奥さんになるべく迷惑をかけないように気を付けていきたいと思います。

今回、僕が我が家の冬眠明けの指標に選ばれました。身に余る光栄で、たいへんうれしく思っています。これからは、僕が病気や怪我をして、標本木の役目に支障をきたすことのないよう、体調に気を付けていきたいと思います。

ところで、皆様のご家庭で飼われているカメさん達は、無事に冬眠明けが出来ましたでしょうか。冬眠させるより、冬眠から目覚めさせること(冬眠明け)の方が難しいようです。

全世界のカメさん達が、無事冬眠明けできることを心よりお祈り申し上げます。

冬眠:(とうみん、: hibernation)とは、狭義には恒温動物である哺乳類鳥類の一部が活動を停止し、体温を低下させて食料の少ない冬季間を過ごす生態のことである。広義では変温性の魚類両生類爬虫類昆虫などの節足動物や陸生貝など無脊椎動物が冬季に極めて不活発な状態で過ごす「冬越し」のことも指す。

出典: フリー百科事典  【ウィキペディアWikipedia)】

 

桜前線の標本木※2気象庁による桜の観測は、各都道府県の標本木を基準に行われます。標本木は各地方気象台構内または、公園や庭園、寺社など、気象台に近く周辺の環境が変わりにくい場所に定められています。開花予想はソメイヨシノに限って観測されます。

 

 

第144話 怒りの抗議

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 今回は僕(カメ輔)がナビゲータになって話を進めることにするよ!

主人が夕方帰宅し、「ただいま、今帰ったよ」と言うと、早速、カメ子兄ちゃんの水槽に向かって進んで行った。

そして、水槽を覗き込み、カメ子兄ちゃんの姿を見て驚いた。

「カメ子、なんでそんな恰好をしているの?」と言うと、キッチンで夕食の準備していた奥さんが答えた。

奥さん:ああ~、カメ子が水槽の壁にへばりついて立っていることでしょ。

カメ子は朝からずっと立っているのよ。こんなこと、今まで一度もなかったのに、いったいどうしたのかしら?

すると、主人が「へえ~そんなこともあるんだなぁ。カメ子は小さい頃から、足が大きく、太ももも太くてしっかりしていたからね」と答えた。

僕も、これを聴いて、「カメ子兄ちゃんは、すごいなぁ。僕はそんなに長い間、水槽の壁にへばりついて立っていることなんてできないよ。というか、直立不動で水槽の壁にへばりついていたことは、一度もないよ」と感心した。

そして、この後、主人は、カメ子の行動に対して、奇妙なことを言ったのである。

主人:もしかして、これは、何か不吉なことが起こる前兆かもしれないなぁ。

その日の夜21時頃、主人はカメ子のことが気になり、様子を見に行った。

すると、カメ子は、まだ水槽の壁にへばりついて立っていた。

これを見て、主人は、洗濯物をたたんでいる奥さんに対して意味深なことを言ったのである。

主人:おい、おい、カメ子がまだ水槽の壁にへばりついて立っているよ。どうしてかなぁ~?もしかして、先日からカメ子にパンを与えていることに関係があるのかなぁ?だって、パンの主成分である炭水化物はエネルギーの源であるっていうし、エネルギーがないと、これほど長い間水槽の壁にへばりついて立っていることはできないと思う。

これを聞いた奥さんからは何も返事はなかった。

僕としても、カメ子兄ちゃんが、ずっと水槽の壁にへばりついている理由が知りたかったので、カメ子兄ちゃんにテレパシーを送ってみた。

そして、運命の令和4年3月16日23時36分がやってきた。

主人が、ふとスマホを覗き込むと、「福島県沖合で地震が発生し、最大震度6強の地震」というテロップが出ていたのである。驚いた主人は、このことを奥さんに知らせ、慌てふためいて水槽の中を覗き込んだ。

すると、カメ子は相変わらず水槽の壁にへばりついて立っていたのである。

しかも、カメ子は、顔を甲羅の中に入れており、暗くてカメ子の様子がわからなかった。それで、奥さんが懐中電灯でカメ子の顔を照らし様子を見ることになった。

すると、カメ子は、立ったままの状態で寝ていたのである。

(どうりで、僕がカメ子兄ちゃんにテレパシ―を送っても繋がらなかったはずだ)

突然、懐中電灯を照らされたので、カメ子はびっくりして目を覚ましてしまった。

そして、奥さんに向かって「シュッシュッツ」という音を出し、威嚇したのである。

その光景を見ていた主人が、ついにカメ子に向かって思いの丈をぶつけた。

主人:とうとう不吉なことが起きてしまった。お前はこの地震が起こることがわかっていたのか?どうして、お前がこんなに長い間水槽の壁にへばりついて立っているのか訳を教えてくれよ?

しかし、カメ子兄ちゃんからは何の反応もなかった。

でも、この2つの疑問については、僕も回答して欲しいので、後でカメ子兄ちゃんにそっと聞いてみたいと思います。

 

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【後記】

 早速、カメ輔は、2つの疑問点についてカメ子に聞いてみたようです。

カメ子:不吉なことが起こるなんて、わかるわけない。それは、主人が勝手に思っているだけだよ。ただ、吾輩が珍しい行動をとったので、めったに起こらないことがあるってことでしょ。そして、もうひとつの疑問は、ユッカが残虐非道な「ある人」の行動により、多くのウクライナ人やロシア人が死んでいると言っていたね。そして、ウクライナから遠く離れた日本のカメ達の生活にも、その影響が出始めている。

それは、小麦粉の値段が上がったため、パンの価格が高くなったということだ。

(第143話 ウクライナ侵攻を参照してください)

そんな最中でも、主人と奥さんは、高価でおいしいパン?を吾輩とカメ輔に食べさせてくれたんだ。本当に嬉しかったよ。

だから、こんなになった元凶に対して、吾輩ができる最大級の「怒り抗議」で、ずっと立っていたんだよ!

(でも、「怒り抗議」をしている最中に、居眠りをしていたなんて、如何なものか?)

パンを食べているおかげで、たくさんのエネルギーをもらえ、こんなに長い間水槽の壁にへばりついて立っていることができるんだよ!

 

また、今回の福島県沖を震源とする地震に係る被害の早い復旧と、被災された方々が一日でも早く日常生活に戻れますようにお祈り致しております。