カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第143話 ウクライナ侵攻

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 3月のある日、吾輩とカメ輔がベランダで遊んでいると、突然、ユッカがカメ輔に話しかけてきた。

吾輩は、2人の会話をそっと聞くことにした。

ユッカ:ロシアがウクライナに侵攻したらしいよ。両国は兄弟の国らしく、私のような植物には考えられないことだわ。だって、植物は他の生き物とは争わないし、私達は、それぞれ自分の使命をもってこの世に生まれ、使命が達成されれば死んでいくの。

私のような観葉植物は、人間の手で作られ、人間に癒しを与えることが使命なのよ。

この地球上の生き物の頂点に君臨し、最も強く、理性のある人間が同じ人間を殺すなんて、どこかの国の殿がご乱心したのかもしれないね。

すると、日頃、おとなしいカメ輔が喋り始めた。

カメ輔:カメは、仲間同士はもちろんのこと、他の動物とも命を落としてまで戦うようなことはしない。

主人が言っていたが「カメは小心者でのろま、そして、何も武器も持っていない。

(歯もないし鋭い爪もない。あるのは硬い甲羅だけ)

カメは、すぐに絶滅してしまいそうだが、この習性と形態だから、生き残っているそうだよ。

だって、小心者で臆病だから、岩の隙間に隠れてじっといるので、敵には見つからない。そして、見つかったとしても、自分から先に、敵に攻撃するようなことはしない。(これを主人は、専守防衛だと言っている。相手が攻め込んできた時は、顔を甲羅の中に引っ込めて敵が立ち去るのをじっと待っている。)

僕も、人間は、理性なんてない生き物だと思うよ。

そして、カメ輔の話を聞いていた吾輩は、含み笑いをしながら2人の会話に割り込んだ。

カメ子:カメ輔は、「専守防衛」とか、「理性」の言葉の意味がわかっているようだね。

でも、「人間は理性がない」なんて簡単に言わないでよ。

人間は好き好んで、人間を殺すなんてしないと思う。

おそらく、何らかの利害関係がぶつかって争っていると思うよ。

それは、何であるか?ワシは、勉強不足でよくわからんがね。

それにしても、我らカメ族には、自分達を守ってくれる国がない。

もし、敵が攻撃してきたら、自分の命は自分で守らなくてはならない。

だから、主人や奥さんが必要なんだ。この前の出来事※を思い出してくれよ。

カメの天敵であるカラスが、突如頭上に現れ、襲ってきたとしたら、自らの身は自らで守るしかない。

そして、主人と奥さんが助けに来てくれるまで、専守防衛で戦うしかないんだ。

だから、安易に人間のことを理性がないなんて言ってはいけないよ。

すると、吾輩が言っていることをジッと聞いていたユッカが話し出したのである。

ユッカ:そうかもしれないわね。

私の場合、2度も奥さんから命を助けてもらったし※、ここにいる、キャべッジ君やハクサイ君、そしてニンジン君は、奥さんが蘇えらせてくれた。

奥さんと主人には、とても感謝しているわ。

でも、人間は、地球上で最も賢く、頼もしいが、時として理性を失うことがあることも事実だわ。(手厳しい)

そして、3人で会話をしている最中に、吾輩とカメ輔を厳しい現実の世界に引き戻す発言がユッカから飛び出した。

ユッカ:戦争で当分の間、ロシア産の小麦粉、サケ、カニは食べられないかもしれないわね。

それを聞き、吾輩は一瞬、茫然とするとともに、この侵攻はもはや他人事ではないことに気づかされたのだ。

それにしても、ユッカの人間社会の情報を吸収しようとする姿勢には感服したよ。

「カメの甲より年の功」だね。

(いつもはプライドの高いカメ子にしてみれば、今回は珍しく負けを認めました)

 

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【後記】

 

いやはや、カメ輔がこんなに人間の言葉を理解しているなんて、びっくりしました。

 

ところで、前章で、カメ子がカメ輔に「お前、主人をどう思っているんだ?」と聞いたとき、カメ輔はこう答えたそうです。

 

カメ輔:人間の言葉はだいぶ前からわかっていたよ。

 

そんな中、主人は僕のことを、不細工とか小心者とかと言って、からかっていた。

 

それを聞いて、僕はショックを受け傷ついた。

 

でも、そのことで僕は、主人を嫌いになったんじゃないよ。

 

ただ、あの時はショックで、顔を甲羅の中に入れて泣いていたんだ。

 

カメ子は、この発言を聞いた時から、カメ輔を子供扱いせず、大人として扱うようになったようです。

 

カメ輔の発言に、カメ子が含み笑いをしたのも、そう言った気持ちがあったのかもしれませんね。

 

最後に、ウクライナに侵攻したロシアが速やかに撤退し、これ以上尊い人命が失われることがないよう、お祈り申し上げます。

 

そして、今こそ、人間の英知が試されるときです。

 

地球上の他の動物は注視していますよ。

 

 

 

:第137話 航行の自由作戦【カメのひとりごと】

 

:第133話 黄泉がえり【カメのひとりごと】

 

第142話 自我のめざめ

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                            (カメ輔の写真だよ!)

 今日も主人 と奥さんが、面白い話をしているようである。

いつものように、奥さんが話して、主人が聞き役だけどね!吾輩は、いつものことだが、今日も何もすることがないので、二人の話をじっくり聴くことにした。

奥さんの話は、こんな内容から始まった。

奥さん:私は昔、走るのが遅かったので、かけっこが苦手だった。

だから、運動会の1週間前から憂欝な気持ちになって落ち込んでいたのよ。

運動会を観に来た両親も、がっかりしていたわ。

でも、私は負けず嫌いなので、小学2年のときに、どうしたら、勝てるか考えて奥の手を使ったの。

それは、私のすぐ前を走っている人の髪の毛を引っ張ることだった。

その人は、いきなり後ろから髪の毛を引っ張られたので、こけてしまった。

そして、その人は、「誰かが私の髪の毛を後ろから引っ張った」と泣いてしまったの。

でも、私は、「髪の毛を引っ張ったりしていません」と知らんふりしたわ。

ビリにはなりたくなかったし、せっかく観に来てくれた両親をがっかりさせたくなかったのよ!

(ところが、その現場を目撃した母親は、「あんなことをするなんて、我が子ながら恥ずかしくて情けない」と言っていたらしい)

また、こんなこともあったわ。

私がまだ、幼稚園生で小さかったとき、鬼ごっこをして遊んでいたのよ。

そして、鬼に捕まりそうになったの。

そのとき、私は、とっさに鬼の腕に噛みついて泣かしたこともあったわ。

すると、その話を初めて聞いた主人は、びっくりし、半ばあきれていた。

そして、奥さんに言った。

主人:ふ~ん。ところで、「ペットは飼い主に似る」というが、カメ輔はお前に似ているのかなぁ?カメ輔は、確かお前が、今から5年ぐらい前に小ガメの里親に当選し、たくさんのカメの中から選んで我が家に連れて帰ったんだよなぁ。

そのカメ輔のことだが、ワシがカメ子を、「カメ子、カメ子」と呼ぶと、カメ子は近づいて来るが、カメ輔は、「カメ輔、カメ輔」と呼んでも全然近づいてこない。途中で止まってしまい、顔を甲羅の中に引っ込めてしまうんだ。これって、ワシは、カメ輔から怖がられているのかなぁ?あれから、もう、5年もたつのに、ちっとも心を開いてくれないよ。

もし、そうだとすると、お前と違って小心者みたいだなぁ。

「ペットは飼い主に似る」っていうのは、違うみたいだね。

すると、奥さんは言った。

奥さん:私は、たくさんニホンイシガメがいる中で、カメ輔を選んだ。

私に近づいて来て、「僕を選んで。僕を連れて行って」と自己アピールしてくる出しゃばりのカメや、全くアピールせずに後方でいじけているカメは選ばなかった。

カメ輔を選んだのは、群れの二番目辺りで、自己アピールしていたからよ。

いちばん前で自己アピールしてくるカメは、カメ子と喧嘩しそうだし、全く自己アピールをしないで後方でいじけているカメは、病気になって長生きはしそうではなかった。でも、決してカメ輔は、怖がりのカメじゃないわよ。私が、「カメ輔、カメ輔」と呼ぶと、すぐに寄って来るわ。

それに、カメ輔とカメ子を散歩させたとき、初めはカメ子がカメ輔の後を追ってお守りをしているが、最後は、カメ輔が勝手に好きな方向に歩いている。それが、カメ輔の本当の姿なのよ。私には、カメ輔が近づいてくるのに、あなたには近づいて行かないということは、もしかしたら、カメ輔はあなたのことが好きじゃないかもしれないわね。あなたは、何かカメ輔に嫌われるようなことをしたの?

それを聞いた主人は、一瞬、愕然とした様子で、奥さんにくってかかった。

主人:えっ、まさかそんなことはないと思うよ。

だって、カメ輔にも「カメ輔、カメ輔」と声を掛けているし、ワシは、カメ子と同じようにカメ輔も好きだよ。

すると、奥さんは、天井を見上げながら、フーッと息を吐いて言った。

奥さん:確かにカメ子と同じようにカメ輔にも声を掛けているわね。でも、声を掛ける順番をよく考えてよ。これまで私達は、長幼の序※1をもって、年長のカメ子の方から声を掛けていたわね。カメ子にとっては、先に「カメ子、カメ子」と言われて心地よかったかもしれないけれど、カメ輔にとっては気に食わなくなったかもしれないわよ。

カメ輔が小さいときは、何もわからなかったかもしれないけど、今では、「どうして?」と思うようになったかもしれないわね。

それに、今思うと、私達は「カメ輔は人間の言葉なんてわからない」と、カメ輔の前で、不細工とか小心者とか言ってきた。

そして、とうとうカメ輔は人間の言葉を理解できるようになってしまった。

カメ輔に「自我のめざめ」がやって来たかもしれないわね。

そして、自我がめざめたうえで、カメ輔は私のことが好きになったようだし、あなたは嫌いになったみたいね。

すると、主人は、ついにいたたまれず、水槽の中にいるカメ輔に向かって言ったのだ。

主人:おい。カメ輔。本当にワシのことが嫌いなのか?

でも、いったい、どうして?

すると、カメ輔は突然、顔を甲羅の中に引っ込め、案の定何も返事はしなかった。

(カメ輔が返事したところで、主人はカメ語を理解できないものね)

そこで、吾輩は、カメ輔に主人に対する気持ちをそっと聞いてみた。

 

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【後記】

「ペットは飼い主に似る」と言いますが、二番目辺りで、自己アピールしているカメ輔って、意外と奥さんに似ているのかもしれません。というのは、その当時の奥さんは負けず嫌いの女の子である一方、人前に出た時は、顔が真っ赤になってしまうほど、おとなしいごく普通の女の子だったそうです。

一方、主人とカメ子(実はカメ子を里子として選んだのは主人なのです)の関係性をみれば、長男でイケメン?な主人に対し、カメ輔の兄貴で男前のカメ子と、境涯や外見はよく似ているようです。

しかし、性格は、総領の甚六(じんろく)の主人に対し、カメ子の性格は「さじい」ようで、随分違っていますね。

果たして、皆様のご家庭のペットは、いかがでしょうか?

 

長幼の序:年長者と年少者との間で、守るべき順序関係のこと。

総領の甚六:長子は大事に育てられるので、その弟妹よりもおっとりしていたり、世間知らずであったりするということ。

さじい※3:すばしっこい、転じて意地が悪い人(大分地方の方言)

第141話 定年退職

 

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 2月のある日奥さんは、YouTubeに熱中している主人に何か話しかけていた。

しかし、主人は、「う~んう~ん」と、相変わらず、空返事で答えていたのである。その様子を見ていた吾輩は、今日もおもしろい話を聴いてみたいと思い、耳を傾けることにした。今回も何かが起こりそうな予感がしてきた。

奥さん:友達の旦那さんが、もうすぐ定年退職なので、次の仕事を探すためにハローワークに行くことになったのよ。でも、ハローワークに行くのが恥ずかしくて、尻込みしていたみたいなの。だから、友達も一緒に付いて行ったのよ。一家の大黒柱として、情けないわね。

(カメ子:吾輩は、ハローワークって何だかわからないが、そんなことで女性に頼るなんて、男として恥ずかしいと思う)それに、友達は言っていたわ。「うちの旦那は、家事を全くしたことがないのよ。これといって趣味もないようだし、このまま退職して仕事がなくなると、いつも家の中でゴロゴロすることになるのよ。ああ~このままだと私が夫源病※1になりそうだわ」って。

(カメ子:夫源病って、うちの奥さんが一人で食事の支度や洗濯、ゴミ出し等をやっているとき、主人に「あなた、少しは、手伝ってよ。私が、夫源病になっちゃうわよ」と言って、ちょくちょく夫婦喧嘩している、あのことかなぁ?

そうだとすると、奥さんの友達の気持ちもわかるなぁ。でも、旦那さんも仕事をして疲れきって帰っているのに、そのうえ、家事の手伝いをしなくちゃいけないなんて、その辛さも理解できる。

どこの夫婦もこんな些細なことで、夫婦喧嘩をするのだろうなぁ~。結婚したことがない吾輩には、よくわからない。

ところで、人間は、どうして仕事をするのだろう?

もし、仕事をしていなければ、夫婦喧嘩もしないかもしれないし、主人もカメの世話(餌やりや水替え)をする時間がたっぷりとれるのになぁ。

生活するためには、やはりお金が必要なのだろうか?

お金のためだけに働くのは、なんだか虚しいなぁ。

話がそれてしまったが、人間社会での夫婦間の「家事役割分

担」が頭の中でグルグル回って、混乱しそうになってきた。

どうして、人間のことで、吾輩がここまで、悩まなきゃいけないのだろう?)

すると、今まで何も反応しなかった主人が、突如動き出した。主人は、何も考えていない様子で、「ちょっと、外に出てくる」と言って、玄関へ向かった。

すると、それを見ていた奥さんは、ちょっと、ムッとした表情で、黙って出て行く主人に対し「コロナがうつるから、マスクをしっかり付けて行きなさいよ」と言った。

そして、主人が出て行った後、奥さんは、吾輩の方に向かって来て、がっかりした表情で意味深なことを言ったのだ。

奥さん:うちの旦那は、何も言わないで、外出してしまったわ。私が話したことを旦那は、他人事のように思っているのかもしれないわね。

吾輩は、奥さんの意味ありげな言葉に呼応して、しばらくしてから、ある考えや疑問がどんどん湧いてきた。

もしかして、奥さんは、友達の話しを、自分のこととして受け取ってもらいたかったのではないだろうか?そして、奥さんが主人に対し、本当に言いたかったことは、いったい何だったのだろう?

一方、奥さんが思っているように、主人は他人事として何も考えずに外出したのだろうか?それとも、わざと黙して語らなかったのだろうか?

そして、最後に奥さんは、そこにはいない主人に向かって、痛烈は一言を放ったのだ。

奥さん:うちの大黒柱には、もう少し精神的にもしっかりしてもらわないと困るわね。いつかやってくる定年退職のときは、いったいどうするつもりなのかしら?

さらに、奥さんは、今度は吾輩に向かって言った。

奥さん:将来、もしかして、我が家にお金がなくなったら、

あなたの好きなホッケの塩焼きが食べられなくなるかもしれないわよ。

吾輩は、その言葉を聞き一瞬、愕然とした。

奥さんの話を他人事のように思って聞いていたのは、吾輩も同じであった。

風が吹けば桶屋が儲かる」ってことかもしれないなぁ。

ご主人様、これからも我が家のため、そして、吾輩とカメ輔のためにもお仕事頑張って下さいね。

よろしくお願い致します。

 

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【後記】

この後、奥さんは、家に戻ってきた主人に、何も語らなかった真意を聞いてみたそうです。そして、家事の役割分担や今後の過ごし方について、二人でじっくり話し合ったようです。

 

夫源病:夫の言動が原因で妻がストレスを感じ、溜まったストレスにより妻の心身に生じる様々な不定愁訴を主訴とする疾病概念で、医学的な病名では無い。

【出典】: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

風が吹けば桶屋が儲かる

日本語ことわざで、ある事象の発生により、一見すると全く関係がないと思われる場所・物事に影響が及ぶことの喩え

である。「大風が吹けば桶屋が喜ぶ」などの異形がある。

【出典】: 『フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

 

第140話 Olympics

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 ある日の午後、奥さんは、ふみ机の前に座りパソコンで何か調べものをしているようである。

そんな奥さんに向かって、主人が何か話しかけようとしている。吾輩は、そんなことをして大丈夫なの?2人の間に何かが起こりそうな気がしてなんだか心配になってきた。

そして、その心配を余所(よそ)に、とうとう主人が、奥さんに話しかけた。

吾輩は、今日も何もすることがないので、2人の話を聴くことにした。

主人:オリンピックが始まったね。もし、カメたちのオリンピックがあったら、どんな競技が面白いかなぁ?今から、ワシのアイディアを話すから聞いてくれよ。

すると、奥さんは、主人をチラッと見たが、何も返答はしなかった。

吾輩は嫌な予感がしてきたが、主人は話を続けた。

主人:まず、因縁のカメ対ウサギの「かけっこ」なんてどうかなぁ?きっと、おもしろいと思うよ。

巷では、カメはのろまだということになっているが、決して、そんなことはない。

カメを飼っている人なら、カメのことを良く知っている。カメは、いざというときは、早く走れるんだよ!(ニホンイシガメ、クサガメ、アカミミガメ等のヌマガメ科のカメ)

あのウサギに勝ったこともあるんだ。(イソップ物語に出てくるカメはリクガメか?)。

一方、ウサギが跳びはねることができる距離は約2mで、カメの歩幅は5cmぐらいだ。カメにとっては不利だが、ウサギはすぐに居眠りをしてしまう習性があるらしいぞ。だったら、カメにも勝つチャンスがあるなぁ。

(カメ子:初めから相手の敵失を狙ってもダメだよ。相手は、積年の恨みをはらすため、今度こそ居眠りしないでゴールまで完走するかもしれないよ。それに、こっちも臆病なカメがエントリーされて、ずっと、顔を引っ込めたまま動こうとしないかもしれないからね)

次にカメのボルダリングもおもしろそうだね。カメは、前足を使って登るのが上手い。だから、登るのは、降りるより苦にならないと思うよ。

(カメ子:そうかもしれないのなぁ?だって、カメは、「そこに山があるから」登るんだ。やはり、下に降るのは怖いよ。ご主人様、もし、落っこちて甲羅がひっくり返ったときは、フォローを頼みますよ。でも、ちゃんと起こしてくれるかなぁ?そっちの方が心配だ)

3番目は、水泳かなぁ?カメは、陸で歩くより水の中で泳ぐ方が速いかもしれないな。(カメ子:最近は、人間様が思っている以上にカメの鉄鎚(かなづち)が多いんだ。特に家の中の水槽で飼われているカメたちだ。だって、少ない水の中で泳ぐなんて出来ないよ!そのいい例が吾輩だ。もし、吾輩が川に捨てられて大水が出たら、溺れ死ぬだろうなぁ。ああ、情けない。だから、選手をエントリ-するときは、まず泳げるかどうか調べた方がいいと思うよ。さもないと、動物虐待につながるよ)

4番目はレスリングだ。カメの強さの証しとして、相手の甲羅の上に乗った方が強いんだ。これは、レスリングのルールでは、バックをとったことになるから2点加点かなぁ?

(カメ子:なるほどね。でも、バックをとるとき、カメは相手の後ろに回って甲羅の上に登ろうとする。だから、対戦相手は、同性が良いかもね。だって、雄だと、雌の後ろに回ったとき、求愛行動をするかもしれないね)

最後に冬季オリンピックだ。スピードスケートがいいかもしれないと思ったが、やはり無理だ。だって、カメが氷上に立つと、甲羅の裏が氷に付くことになる。そうなれば、内臓が急激に冷やされて、即死だ。それに、例え甲羅を氷から離してスケートをしたとしても、気温は0℃までに下がっているので、顔を甲羅の中に引っ込めたまま凍死するよ。

(カメ子:さもありなん)

ワシのアイディアは、どうだい?

なぁ、パソコンばっかり見ていないで、何か意見を言ってくれよ。

この後、しばらく沈黙が続いたが、今まで寡黙をとおしていた奥さんが、ついに吠えたのである。

奥さん:あなたは、いつもくだらないことばかり考えて、暇でいいわねぇ。

私は、今、仕事中で忙しいのよ!話し掛けないで。と、激怒し、とうとう奥さんの雷が落ちてしまったのである。

(カメ子:ああ、吾輩の予想したとおりの顛末になってしまった。だから吾輩が奥さんの代わりにコメントしてあげていたのに・・・)

やっぱり、主人は空気を読まない、暇な吾人である。

主人は奥さんの激昂した顔を見たとたん、何も言わずに、その場を立ち去った。

そして、こそこそとパソコンが置いてある机に向かい、Youtubeを視聴し始めたのである。

なお、この後、奥さんが主人に対して、どのようなコメントをしたのか?については、吾輩の耳には、まだ、入ってきていない。

 

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※1ジョージ・ハーバート・リー・マロリーGeorge Herbert Leigh Mallory 、1886年6月18日 - 1924年6月8日もしくは9日)は、イギリス登山家

マロリーが「なぜ、あなたはエベレストに登りたかったのか?」と問われて「そこにエベレストがあるから(Because it's there. )」と答えたという逸話は有名であるが、日本語では、しばしば「そこに山があるから」と誤訳されて流布している。

『出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

第139話 地震アラート

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 令和4年1月22日午前1時8分、吾輩は大きな揺れを感じて目が覚めた。

深夜まで、主人のYouTube視聴に付き合っていたが、そろそろ眠くなってきたので、ちょうどうたた寝をしていたときだった。

すると、突然、部屋全体が左右に揺れ始め、水槽の水も大きく波打ちだした。こんなにひどい揺れを感じたのは、生まれて始めてのことだった

吾輩は、びっくりして眠気も吹き飛び、とっさに首を引っ込めた。

そして、主人は、寝ている奥さんに向かって、「地震だ、起きろ、これは大きいぞ」と大きな声で叫んだ。

この声は、部屋中に響き渡たり、これを聞いて吾輩は、地震だとわかった。

吾輩もそうだったが、みんな、地震が発生した時に「何かしなくちゃいけない」と思うようだが、実際に地震が起こった時は、身体は全く動けなくなってしまう。

手足と首を甲羅の中に引っ込め、ただひたすら地震が収まってくれるのをじっと待っているだけだった。

話しを戦況に戻そう。

主人の叫び声の後に、遅ればせながら地震アラームが鳴り響いた。

そして、奥さんが眠りから覚め「キャーキャー」と大声を発しだしたのである。

まさに、パニック状態であった。

そんな中、揺れは収まるどころか、さらに横揺れがバージョンアップしたのである。

しばらくして、ようやく揺れが収まったが、主人と奥さんは、放心状態であった。

そして、ようやく主人が動けるようになり、吾輩が居る水槽にやって来た。水槽を覗く主人の目と吾輩の目が合った。

そして、主人は開口一番こう言った。

主人:カメ子、大丈夫か?怖かったなぁ~

お前、ワシのことがわかるか?茫然としているじゃないか。

あっ、乾いているはずの甲羅全体が濡れている。それに、水槽の水が減っているなぁ。(主人は水槽の周辺を見て)水槽の周りが水浸しになっている。それにしても、この前の熊本地震※1と比べて、今度の方が怖かったんじゃないか?だって、今度の揺れは長くて大きかったし、地震アラートが鳴る前に揺れ出したからね。あの時は、数秒後に揺れが来ることがわかっていたので、「しっかり踏ん張れ」と言ったら、お前は「うん」と言って、踏ん張っていたなぁ。今度の地震は、いきなり揺れ出したからな。

やっぱり、警報が鳴ってから揺れ出すのと、ぜんぜん違うなぁ。

二人が話しをしている最中に、奥さんも話しに加わってきた。

ちょっと、怒っているようだった。

奥さん:あなた、どうして、地震で揺れているのに、私に教えてくれなかったの。

私は、地震アラートで知ったのよ。

すると、主人が「言ったよ」と返答したのだった。

これに対し、奥さんが、「いいえ、聞いてない」と反論し、次第に二人の頭からは、湯気が出てきた。

吾輩は、「ああ~またか。しかも、よりによってこんな時に。奥さんは相変わらず、攻撃の手を緩めないが、主人は、珍しく今日は反論している」と思った。とうとう、夫婦喧嘩が勃発したのである。

しばらくの間、両者の「言ってない。いや言った」という禅問答が続いた。

そんな最中、吾輩はこれまでの出来事を思い出してみて、はっきりわかった。

主人は、奥さんに「地震だ、起きろ」と言っていたのである。あの時、主人は揺れと同時に部屋中に響き渡る声で、奥さんに向かって叫んでいた。

一方、奥さんは、揺れ出してから遅れて鳴った地震アラートで気が付いたというから、おそらく、目が覚めた時、ボーッとしていたので、主人の声が聞こえなかったのだろう。

いつも、主人は、奥さんが主張する時には、「ご無理ごもっとも」と言って、引き下がるが、今回は違っていた。

いったい、どうしてだろう?奥さんに、いち早く地震のことを知らせたのに、怒られるなんて、と思って引き下がらなかったのだろうか?と、その時、以前、奥さんが主人に話していたある出来事を思い出した。

奥さん:私が、まだ、幼かった頃、夜中に強い地震があったのよ。揺れが収まって、ふと、気が付くと、そこには、もう、すでに父の姿はなかった。お父さんは、私とお母さんに声をかけることもせず、自分だけ洋服を着て玄関に居たのよ。その時、お母さんと私が、玄関に行き、「どうして、私達を起こさないで、一人で外に逃げようとしたの?」と叱咤した。

すると、お父さんは「家の外の様子を見に行こうとしていたんだよ」と妙な弁解をした。あれ以降私達は、ことあるごとに、お父さんにそのことを話し、懲らしめてやったわ。私とお母さんは執念深いのよ。

吾輩は、ああ~もしかして、このことが脳裏にあるので、主人は、「お前に地震を知らせた」と食い下がっていたのかもしれない。と思った。

主人は、ここで、奥さんの軍門に降(くだ)ったら、奥さんから、すえ末代まで、ずっと言い続けられるかもしれない。奥さんを敵に回したら怖いからね。と、その時、あることに気が付いた。

あれっ、主人は、もしかして、カメ輔に地震のことを知らせていなかったんじゃないのかなぁ?

ご主人様、これは、ヤバイよ!

今度は、カメ輔からすえ末代まで恨まれることになるかもしれないよ!

 

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【後記】

 残念ながら、今回の地震で、我が家にも少し被害がありました。水道管にひびが入り、道路に水が噴き出してしまったのです。

今回の地震の教訓から、日頃から空のペットボトルや風呂場等に生活用水を確保していた方が良いと思いました。

そして、地震が起きた時は、家族の一員でもあるペットたちにも声をかけてあげてください。

決して、「自分だけ助かれば良い」と思ったらダメですよ!

なお、主人が奥さんに「地震を知らせた」ということに意固地になっていたのは、お父さんの事が原因であったかどうかについては、改めて聞いてみることにします。

 

熊本地震※12016年平成28年)4月14日21時26分以降に熊本県大分県で相次いで発生した地震気象庁震級では最も大きい震度7を観測する地震が4月14日夜(前記時刻)および4月16日未明に発生したほか、最大震度が6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生している。

 

出典先:ウィキペディアWikipedia

 

第138話 Compassion

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 ある日の午後、奥さんがスマホで誰かと会話をしていた。

今日の吾輩は、これといってすることもないので、奥さんが誰かと話しているのを聴くことにした。

すると、奥さんは、会話の途中でクスクスと笑い、また、ある時は大笑いをしていたのである。

そして、その話しの内容はこうだった。

ある日、奥さんの友達の知り合い(Aさん)が、歯科治療のため歯医者に行った。

その日、Aさんは、ウイッグを付けていた。Aさんが診察台に乗り、うがいを済ませた後、頭を診察台に付けて、治療が始まるのを待っていた。

すると、担当の歯科衛生士さんから「もう少し診察台の上の方に上がっていただけますか?」と言われた。

Aさんは、歯科衛生士さんに言われるがまま、寝たままの状態で診察台の上に上がった。

すると、突然、ウイッグが後頭部の方にズルッとずれ、おでこが見えてしまったのである。

Aさんは慌てて「ヤバイ、どうしよう?」と思った。

しかし、それを見ていたはずの歯科衛生士さんと先生は、「クスッ」とも「二ャッ」ともせず、淡々と歯の治療を開始したのである。

しばらくしてから、今日の治療が終了し、歯科衛生士さんは、何事もなかったかのように、「お疲れ様でした」と言った。

その一方でAさんは、「もしかして、ウイッグを付けていることが歯科衛生士さんと先生にバレたかもしれない」と思い、治療中も心臓がバクバクしていたそうである。

吾輩は、奥さんの話を聴いていて、よくわからないことが2つあった。

1つ目は、奥さんが、どうして笑いころげながら、この話を聴いていたのか?と言うことである。

いったいこの話のどこがおもしろいのだろう。

もう1つは、歯科衛生士さんと先生は、ウイッグがずれていることに、気が付いていたのかどうかわからないが、もし気が付いていたとしたら、知らないふりをしたのはなぜだろう?さらに、そもそも、どうして人間はウイッグなんか付けるのだろう?

付けなくても、少しは髪の毛が生えているじゃないか。

しかし、髪の毛というものは、人間にとって、本当に大事な物なんだろうなぁ~

吾輩は、主人がいつか話していた「オバケのQ太郎」の話を、ふと思い出した。

Q太郎の頭のてっぺんには、毛が3本生えているだけで、今でも話題になっているそうである。

髪の毛がないカメの吾輩にはよくわからない。

あっ、もしかして、奥さんは、Aさんがウイッグをずらし、髪の形が変わったことを想像して笑ったのかも知れないなぁ。そうだとすると、奥さんは、Aさんの身体的欠点?

(そこまで言う)を笑ったことになるよ。

ああ、毛が3本で思い出した。

今は亡き我が兄弟、カメ吉に対して、主人は「カメ吉の頭に毛が3本生えている」と言って、からかっていたなぁ。

カメにとっては、毛が生えるなんてとんでもない身体的侮辱だ。

奥さんといい、主人といい、平気で身体的欠点を笑ったり、からかったりして、相手の気持ちを傷つけたりしている。吾輩は、人間に対していささか、腹が立ってきた。

吾輩は今まで、ふたりのようなことは一切していないし、これからもしないように気を付けよう。と、自分に言い聞かせていた。

すると、突然、吾輩の右上の方から何者かの声が聞こえてきた。

いつか、どこかで聞いたことがあるような、懐かしい声ではあるが、なぜかその声は悲しそうであった。

何者かの声:あなたは、本当に身体的なことで、相手の心を傷つけたりしたことは、これまで一度もなかったのですか?昔、あなたの首にエアレーションのチューブがからみ、もがき苦しんでいた時、カメ吉がいち早くそのことを奥さんに知らせ、助けてくれましたね。カメ吉はあなたの命の恩人なのですよ。

そんな折、主人が、カメ吉のことを「カメ吉の頭に毛が3本」と言ってからかいました。

その時、あなたは、カメ吉をかばうために、主人に対して何か言いましたか?

(このとき、本当は主人に対して何か文句を言って欲しかった)

カメ吉に、一度も慰めの言葉もかけなかったし、何もしていませんね。

かわいそうに、カメ吉は、とても傷つきやすい性格だったのですよ。

その辛さは、傷つけられた者にしかわからないことです。

それなのに、相手が落ち込んでいる時に、何もしないのは、相手の不幸を陰で喜んで、相手の気持ちを傷つけているのと同じことなのです。

そう言って、何者かの声は遠ざかっていった。

吾輩は、茫然とした。そして、あの時、歯科衛生士さんや先生が、ウイッグがずれていることに気付いていたが、知らないふりをしたとしたら、彼らのとった行動の意味がなんとなくわかったような気がしてきた。

相手が落ち込んでいる時は、そっとしておいてあげるのも、

相手の気持ちを傷つけないことになることを・・・。

それがCompassionというものなのかもしれませんね。

奥さん、御主人、そして、謎の声の持ち主さん、吾輩にこのことを気付かせてくれて、本当にありがとうございました。

 

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【後記】

後日、奥さんは、友達にAさんのことについて聞きました。

すると、友達は、Aさんとは、自分の事だと告白したのです。

この話、実は自虐ネタだったんですよ!

だから、友達は、奥さんが笑ったことに対して、自分が傷つけられたとは思っていなかったようですね。

また、主人がカメ吉に、「頭に毛が3本」と言って、からかっていた時、それを見ていた奥さんは、主人に対して酷く怒り、主人は猛省していたようです。

最後に、あのどこか聞いたことがあるような昔なかしい声の持ち主は、いったい誰かって?

それは、謎は謎のままにしておいた方が良いのかもしれませんね。

 

オバケのQ太郎:ごく普通の家庭に住み着いた、1匹の間の抜けたオバケが引き起こす騒動を面白おかしく描いた藤子流生活ギャグ漫画の原点にして、藤子漫画の代表作の一つ。『オバQ』と省略されて呼ばれることも多い。      

(出典先:Wikipedia

Compassion(思いやり)

:他人の気持ちに配慮し、相手が何を望みどんな気持ちかを注意深く考え、接すること。相手の身になって考えたり、推察して気遣いをしたりすること。(出典先:Oggi

 

第137話 航行の自由作戦

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 今日は、冬にしては温かくとても穏やかな天気だったので、奥さんが吾輩とカメ輔をベランダに出し、水槽の掃除をしてくれた。そして、どういうわけか、奥さんは、すぐ部屋の中に入っていったのである。

吾輩も、ベランダにいるのだからカメ輔のお守りをする必要はないと思い、カメ輔を自由にさせていた。(でも、こんな時に限って、何かが起こるんだよね)

あまりの温かさで気持ちがよくなり、しばらくの間、吾輩はベランダでうたた寝をしていた。

すると、誰かがテレパシーを使って、何かを話している声がどこからともなく聞こえてきた。吾輩はその声が聞える方向に視線を向けた。

すると、そこにはカメ輔がいて、カメ輔の向こう側で、ゴミ袋をあさっている謎の生物がいたのである。

それは、真っ黒で、大きくて、眼光の鋭い生き物、そう、我が天敵、カラス※1だった。

どうして、カラスが天敵かって?

なぜだろう。吾輩の体の中には、カラスを許すことができない遺伝子が組み込まれているようである。

おそらく、吾輩のご先祖様は、カラスから酷い目に合わされたに違いない。それに、主人と奥さんから、「カメ子。散歩をする時は、上空を飛んでいるカラスに注意しろよ」と口を酸っぱくして言われていたのである。

すると、吾輩の視線を感じたカラスは、吾輩に向かってこう言った。

カラス:ああ~ようやく親分がワシのことに気付いてくれたなぁ。親分のお噂は、電線の上から、よく耳にしていましたよ。散歩をしている時は、いつも、大勢の子供達から囲まれて大人気じゃないですか。

それにしても、こいつ(カメ輔)は、大物というか、世間知らずというか?まったく、困ったものだよ。

俺に向って「おじさん、ここは、主人達のお家で、無断で入ってきちゃいけないよ」と説教したんだ。

こいつ、俺様に向かって何を言ってるんだ。この辺りは俺様の縄張りであり、制空権を握っているんだぞ。カラスの世界じゃ、誰の敷地かなんて関係ないさ。

もう少し、子分の教育をしっかりやってくれよ。と、言いたい放題である。

そしてその時、吾輩の心にあることが浮かんだ。

カメ子:もし、ここに主人がいれば、「カメと人間、カラスの関係は、まるで、日本とアメリカ、そして、あのお隣の赤の大国の関係だ」と言うだろうなぁ。それに、カメ輔でさえ、カラスに対して筋を通し、勇気を振り絞って抗議したのだからなぁ。

吾輩にとって初めての体験なので、どう対応すべきか悩んだが、しばらく考えて、ついに決めた。

カメ子:おい、カラス。早く領土の侵入を止めよ。ここは、我が家の領土だ。

すると、これを聞いたカラスは、一瞬びっくりした様子であったが、その後、不敵な笑みを浮かべて言ったのである。

カラス:それは違う。ここは、領空域を握っている俺様のものだ。

予想したとおり、恐るべきカラスである。びくともしない。

そこで、今度は、吾輩の最後の一手を打つことにした。同盟国、アメリカの登場だ。

カメ子:それでも、ゴミ袋をあさると言うのなら、このことを奥さんに言いつけるぞ!

すると、これを聞いたカラスの態度は豹変した。カラスは、愕然とするとともに、生ごみあさりを突然止めた。これには、吾輩も本当に驚いた。

「奥さんに言う」ってことが、これほど効くなんて。

その後、カラスは、吾輩とカメ輔を前にして、先程の傲慢な態度と打って変わって、最期の虚勢を張りながら捨てぜりふを吐いたのだ。

カラス:お~よくも言ってくれたな。でも、これから、外に出る時は、頭上に注意した方が良いよ。

そう言うと、カラスは、外を見上げて飛び立って行ったのである。そして、それを見届けた吾輩は、カメ輔に言った。

カメ子:よくぞ、怪物(カラス)に向かって、ダメなものはダメと、はっきり言ったなぁ。大したものだ。だから、ワシもお前の勇気に倣(なら)って、カラスに言ってやったんだ。

すると、これに対し、カメ輔は答えた。

カメ輔:カメ子兄ちゃん、どうもありがとう。(でも、僕は、本当はカラスの怖さを知らなかったんだ。もし、知っていたとしたら、怖くて言えなかったかもしれない。それに、カラスとカメ子兄ちゃんが話しをしている間、僕の足は震えていたんだ)

 

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【後記】

 カラスは、どうして、奥さんの名前を出した時、愕然としたのでしょうか?

実は、少し前カラスがベランダに侵入し、ゴミ出しの準備の為置いていたゴミ袋をあさっていたのです。

そして、それを見つけた奥さんは、箒を振り上げ、カラスを追っ払ったのです。

もしかして、その時のカラスが今回と同じカラスだったかもしれませんね!

なお、この事件以来、我が家の周辺には、カラスの群れが頻繁にやって来るようになったそうです。これも、あのカラスが仲間を呼び寄せてきたかもしれませんね。

でも、カメ子とカメ輔はこれぐらいのことでは負けません。

お散歩の時には、これにひるむことなく、奥さんや主人と合同で「航行の自由作戦」を展開していくことになるでしょう。

カラス※1 : ハシブトガラスの場合、翼長は32–39cm。

 鳥類の中で、最も知能が発達しているとされ、ある程度の社会性を持っており、鳴き声による意思の疎通を行っている。遊戯行動(電線にぶら下がる、滑り台で滑る、雪の斜面を仰向けで滑り降りるなど)をとることも観察されている。4色型色覚を識別でき、人間と同じRGBに加えて紫外線も識別できる。人間の個体を区別して認識することができる生き物である。

【出典: フリー百科事典】

航行の自由作戦※2:1979年よりアメリカ合衆国は、他国が領海や排他的経済水域といった海洋権益を過剰に主張していると判断した場合、その主張を認めないという意思表示をするため事前通告なくその海域を航行するという「航行の自由」作戦(FONOP: Freedom Of Navigation OPeration)を実施している。この作戦によりアメリカの軍艦が事前許可なく南シナ海を航行することに中国は反発している。

【出典: フリー百科事典】