カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第153話 おしゃべりトマト

 6月某日、僕(カメ輔)は、いつものようにベランダを探検していた。

ふと、向こう側を見ると、プランタに植えられている植物があり、その植物には、黄色い花がたくさん咲いていて、いくつかの実が成っていた。

その時、僕はあることを思い出した。

カメ輔:あれ、待てよ。奥さんが主人に「トマトと胡瓜とサニーレタスが大きくなったわよ」と言っていたが、もしかしたら、このことかも知れない。

でも、僕達には、何の連絡も来ていない。ここは、カメ子兄ちゃんと僕のベランダなんだぞ!

そこで、僕は、一瞬ムカッとして「一言文句を言ってやろう」と思い、彼らの前まで突き進んだ。そして、こう言った。

カメ輔:見たことのない新顔だね。ここは僕達のベランダで、何も連絡が来てないよ。

すると、植物の内の一人が答えた。                         

植物A:あ~ら、てっきり奥さんがあなた達に連絡してくれたと思っていたので、ご挨拶が遅れてごめんなさい。

あれっ、あなたは、もしかして、この家の若きエースカメ輔君じゃない。

申し遅れましたが、私はトマトという植物なの。

僕は、その植物が、トマトであるということを初めて知った。

トマトはちょっぴり馴れ馴れしかったが、「この家の若きエース」と言われ、まんざらでもなかった。

そういういきさつがあって、トマトに対して抱いていた怒りがいつの間にかなくなってしまった。

そして、今度はトマトに対する好奇心がメラメラと湧き上がり、開口一番こう言った。

カメ輔:いつだったか、あそこにいるユッカ姉さんも「私は分類学的には植物で、あなたのような動物ではない」と言っていたが、あなたは何を食べて生きているの?

そして寿命はどれくらいなの?

すると、トマトは、僕の質問を予想していたかのように、ゆっくりと答え出したのである。

トマト:まず、私はトマトという植物なの。私達植物は、水と空気と光を主食としながら、N、P、Kも食べて健康を維持しているのよ。

トマトは、僕を子供扱いし、わかりやすく簡単に話したつもりのようであったが、それがかえって僕の疑問を増幅させたのである。

そこで、僕はトマトをしばらくじっと見つめながら、再び質問した。

カメ輔:う~ん。僕には日向ぼっこをしながら、水を飲むだけの生活なんて、とうてい我慢できないよ。すぐにお腹が空くし、どうしてそんなので身体がもつの?

この質問に、トマトは即答した。

トマト:だって、それが私達植物の食べ物なのよ。

その質問は、私があなたに「カメは、どうしてマメ(カメ用の配合飼料)を食べるの?」と聞くのと同じことで、あなたは「これが僕の食べ物だよ」と答えるでしょ。

それと同じよ。

僕は、わかったような、わからないような不思議な気持ちで、トマトに上手くまるめこまれたような気がして、モヤモヤ感が抜けなかった。

ところが、僕の表情を観ていたトマトは、突然、ギアを上げパワーアップし、さらに凄い話を始めた。トマトの独演会の開始である。

次回の話は、意外な展開で、トマトの正体が顕わになるよ!

乞う御期待!

    

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