カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第159話蝉しぐれPart2

 

*この写真は、好奇心旺盛なカメ子がセミを覗いているところです。

 

 ついに、ユッカ姉さんの話は、佳境を迎えた。

さあ、第159話の始まり、始まりだよ。

セミ:私は、地上に出てから今日で3日目、残りの命が、あと4日間しかないの。

それに比べ、「カメは万年。鶴は千年」と言われていて良いわね。長生き出来るあなたが、とても羨ましいわ。失敗しても、何度でもチャレンジできるわね。

私は残り4日間で、あることをやらなくていけないのよ。

それは、私の子孫をつくること。だから、絶対に失敗は許されないの。今、私は、素敵な彼氏からのラブコールを待っている最中で、これから、あの蝉時雨(せみしぐれ)の大合唱が始まるわよ。

(カメ輔:えっ、いったい何のこと?さっぱりわからないよ)

もし、たくさんの彼氏からラブコールがあったらどうしよう?私は、声が大きくて、綺麗な声のハンサムな彼氏について行くことにしようかなぁ。

でも、声だけで判断してついて行ったら、容姿がイマイチだったらどうしょう?

僕は、「そんなことどうでも良いことだ」と思った。

そして、ここからさらなるセミの独演会が続き、どこからともなく、うるさい鳴き声が聞こえてきた。

すると、セミは、突然、話を止め、この鳴き声に素早く反応した。

そして、セミから驚くべき発言が飛び出してきたのである。

セミ:彼からのラブコールが始まったわ。そろそろこの辺でお開きにしましよう。

そう言うと、僕の顔をチラッと見て話を止めた。そして、その時、僕は、一瞬あることに気づいたのである。

カメ輔:もしかして、彼氏からのラブコールというのは、蝉時雨のことなのかなぁ?

そうだとすると、あのうるさい鳴き声はセミの鳴き声だったのか?

なんてこった、僕は、初めて知ったよ。でも、僕にとっては、この声はうっとうしく聞こえるだけだ。

そして、僕が、その場から立ち去ろうとした時、セミは、意外なことを言ったのだ。

セミ:あっ、そうそう、あなたに1つだけ言っておきたいことがあったのよ。

実は、あなたのご主人様から、「君のために名前をつけてあげる」と言われたの。

それで、私の名前が決まったら、あなたに教えてあげるわね。楽しみに待っていてね。

ああ~ついに、ここにも神出鬼没の主人が登場してしまった。僕は、半ば呆れながら、「楽しみにしているよ」と言って、その場から立ち去った。

そして、それから3日後、僕が、いつものようにベランダを散歩しているとき、ふと、彼女(セミ)のことを思い出した。

そして、ユッカ姉さんのところへ急いで行った、しかし、既に彼女の姿はなかった。

そこで、早速、ユッカ姉さんに彼女のことを尋ねてみた。

すると、ユッカ姉さんが、淡々と話し出したのである。

ユッカ:ああ、あの子ね。あなたと会ったその日の午後、彼氏に会うためにどこかへ飛んで行って、その翌日に戻ってきたのよ。そして、主人がここに来て、その子に向かって、何かを話していたわ。その翌日、つまり昨日、再び飛び立って行ったわよ。

カメ輔君が知りたがっていることは、後でご主人様に聞いてみたらいいわ。

やはり、ユッカ姉さんは、僕と彼女の話を聞いていたようだった。

僕は、「もう、彼女に会うことはないかもしれない」と思うと、なんだか急に寂しくなってきた。

ところが、しんみりした形で終わると思っていたこの話は、ユッカ姉さんの発言で、ほのぼのとした温かい気持ちになったのである。

ユッカ:彼女は、「私と契を結んだ彼は、鳴き声が大きくてたくましく、目がパッチリして、鼻筋の通ったイケメンなの。相手も私のことを凄く気に入ってくれたのよ」と、言っていたわ。

そして、最後に「自分の子供は、この近くの木の中に産んだので、今から7年後にまた、ここに挨拶に来るはずよ。その時は、よろしく頼むわね」って言って去っていったわ。

僕は、ユッカ姉さんの話を聞き、彼女が心配していたことが解決し、彼女の願いも成就したことに安堵した。

セミのお姉さん、おめでとう。願いが叶って良かったね!

でも、そのお姉さんは、もうこの世にはいない・・・。

なんだかとても寂しい気持ちになってきたが、今から、主人が命名した彼女の名前を聞くことにしよう。

何ていう名前を付けたのだろう?

また、変な名前じゃなきゃいいが、楽しみだなぁ。

 

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【後記】

 その後、主人は奥さんに、あのセミの話をしていたのです。

主人:おい。ユッカの葉っぱに隠れていた、あのセミちゃんに名前を付けた。

今度も、三日三晩寝ずに考えたよ。いったいどんな名前だと思う?「蝉しぐれ」だよ。

苗字が「蝉(せみ)」で、名前が「しぐれ」だ。どう思う?

これに対し、奥さんから拍子抜けした言葉が返ってきた。

奥さん:まあ、良いんじゃない。

ところが、主人と奥さんの話を聞いていたカメ輔は、意外な反応をしたのです。

カメ輔:えっ、その名前、僕は、どこかで聞いたことがあるぞ。確かそれは、彼女が僕に言った難しい言葉だ。

あれっ、もしかして主人は、僕と彼女の話をテレパシーで聞いていたのかもしれないなぁ。

えっ、また、今度も、三日三晩寝ずに考えたって、それは、嘘だと思うよ!

その真実はいかに?

後程、奥さんに聞いて確認しておきますね!