カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第152話 未来からの訪問者(Part2)

 カメ子の子孫は、しばらく経ってから、再びみんながあっと驚くような凄い話を始めた。

(早速、前話から気になっていた“あれ”が登場するようです)

吾輩は、かなり難解な部分があるかもしれないので、聞き耳を立てて聞くことにした。

カメ子の子孫:私の話をびっくりしないで聞いていてくださいよ!

西暦2814年頃、人類史上初のタイムマシンが開発されたのです。それは、人類にとってたいへん大きな出来事でした。とある科学者グループ(特別秘密条項に指定されているため匿名とする)が、これまで長年の間、タイムマシンの開発研究に取り組んでいたのです。そして、ひょんなことから「これだったら実現可能かもしれない?」というアイディアがわき、研究を続けた結果、ついに実験が成功したのです。

えっ、いったいどんなアイディアかって?それは、内容がかなり難しいので、それについての説明は省かせていただきます。

(今度、時間があるときにゆっくり説明します)

そこで、時の政府(未来では、各国はなくなり、ひとつの統一連邦政府となっている)の下で実験を重ね、ついにそのグループは、人類史上初のタイムスリップの許可を得たのです。そして、そのタイムマシンに乗り、タイムスリップすることになりました。

ところが、その後ある事件が起こり、このことがきっかけで、歴史が変わるような大問題が起こったのです。さらに、ある人は、タイムスリップをした先から現代に戻ろうとしましたが、失敗し行方不明になったりもしたのです。

そこで、政府は、タイムスリップを禁止し、その代わりに、人間の脳内にタイムスリップ先の時代のものとそっくりなバーチャル空間を作り出す技術を開発したのです。

アメリカのSFテレビドラマ「スタートレック」に出ていたホロデッキ※1みたいなものです。

30世紀のホロデッキは、テレビで描かれているホロデッキに比べ進化し、本物とほとんど変わらない精密なものになっていて、AIが人間の過去の行動履歴と性格から判断し「この人は、こんな行動をとるであろう」と推測し、バーチャルではなく、本物に近い状況になるのです。

しかも、その装置は、テレビドラマの中に出てくるような大型の施設を必要とするものではなく、頭にAIチップを装着するとすぐ眠りに入り夢の中でバーチャル空間を作りだすのです。僕がいる世界から見ると、ご先祖様(カメ子)もホロデッキ内でバーチャルとして存在し、これが今、夢の中で繋がっているのです。

(カメ子:そうか、あの時、我が子孫が「故あって、あなたの夢の中でお相手することになります」と言っていたのは、このことだったのか)

ご先祖の時代には、まだ、このホロデッキがないので、ご先祖さまの夢の中をホロデッキにし繋げたのです。

そして、最後に大事なことを言っておきます。連邦政府は、夢の中の極秘情報については、現実の世界に流出しないように、AIが厳しくブロックしていることを覚えておいていてください。

普段、夢から覚めた時、夢の中の出来事をいつの間にか忘れてしまうことがあるでしょう。そういう現象になるのです。そして、試しに、次のことを夢から覚めてもしっかり覚えておいてください。

「ご主人には、私という子孫がいて、寿命は30歳まで」ということです。

しばらくして、子孫は再び話始めた。

カメ子の子孫:夜も明けてきたし、私の難しい話を聞いて、少しお疲れのようなので、このあたりで終わりにしましょう。ご先祖様、今度また何か困ったことがあったら、私を呼んでください。すぐに、はせ参じます。

そう言うと、我が子孫は、白いモヤの中に消えて行き、どこかで見たことがある風景が目の前に拡がっていたのである。

吾輩は「ああ~夢から覚めたようだ」と思い、ハッとした。夢の中で見聞きしたことを今でもはっきり覚えているではないか。これまでのことは、やはり夢ではなかったのか?

でも、ちょっと待てよ!夢の中で、我が子孫は、「目覚めそうになった時、夢の中の極秘情報が流出しないよう、AIが厳しくブロックしていることを覚えておいていてください」と言っていたなぁ。

しかし、吾輩は、子孫の言ったことを全て覚えている。これは、秘密をみんなに話しても良いということなのだろうか?こんな大事な話を、口の軽い主人には話せないが、口の堅い奥さんには話しても問題はないかもしれない。でも、奥さんに喋ったら、歴史が変わる大問題を起こしたということで、罰せられるかもしれない。心配だ。いったいどうしたらいいのだろう?

吾輩はしばらく頭を冷やし、もう一度考えてみた。

そして、ふとあることに気づいた。

カメ子:仮に吾輩が奥さんに話をしたとしても、奥さんにはカメ語は通じない。

だから、このことは、人間社会に流出することはない。もしかしたら、それを想定したうえで、AIはブロックをしなかったのかもしれないなぁ。そうだとすると、AIって本当に凄いなぁと思う。

そしてさらに吾輩は、あのことを思い出した。

カメ子:確か子孫は、「ご先祖様(吾輩)には、私という子孫がいる。そして、ご主人の寿命は〇〇歳である」と言っていたなぁ。吾輩は、どうしても、自分が死んだ年齢を思い出せないのである。これは、いったいどういうことを意味するのであろうか?

そうこう考えているうちに眠くなり、再び深い眠りについてしまったのである。

 

       にほんブログ村 その他ペットブログ イシガメへ
      にほんブログ村

        ↑ ↑ ↑

   ランキングに参加中です!

  ポチッとして応援して下さいね💛

 

       ブログランキング・にほんブログ村へ

      にほんブログ村

        ↑ ↑ ↑

    ランキングに参加中です!

   ポチッとして応援して下さいね💛

 

       にほんブログ村 その他ペットブログへ

      にほんブログ村

        ↑ ↑ ↑

    ランキングに参加中です!

   ポチッとして応援して下さいね💛

 

     PVアクセスランキング にほんブログ村

        ↑ ↑ ↑

   ランキングに参加中です!

  ポチッとして応援して下さいね💛

 

【後記】          

読者の皆様へ

 今回の話の内容は今までとは少し違うので、驚いてらっしゃる方も多いかもしれませんね!

これからは、カメ子の子孫が度々話の中に登場し、バーチャルで過去や未来、そして“あの世”の世界にも出掛け、皆様におもしろい話を紹介するかもしれませんので、

楽しみにしていてくださいね!

ところで、なぜ、カメ子は、子孫から告げられた自分の寿命を思い出すことができないのでしょうか?

読者の皆様も一緒に考えてくださいね!

 

※1ホロデッキ: holodeck)はアメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場する、現実とほとんど変わりのないシミュレーテッドリアリティの世界を作り出すことができる架空の装置である。初登場は1987年放送開始の『TNG』(The Next Generation)シリーズ第1話『未知への飛翔(Encounter at Farpoint)』。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』