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読者の皆様へ
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
新年のご挨拶がたいへん遅くなってしまい、申し訳ございません。
本日の投稿は、2021年1月4日の出来事をご報告したいと思います。
吾輩は、前回の第102話(祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ!!)で、「甲羅の上に付けられている物はいったい何か?」と疑問に思っていた。
すると、たくさんの読者の方々からご連絡を頂き、そして、その内容を聞いてびっくりした。「それは、サンタクロースの衣装だった。我が家は、仏教徒だから、サンタクロースは来るはずがない」と、ずっと思っていたからさ。
しばらくして、吾輩は、そのことについてようやく合点した。
カメ子:我が家には、今までサンタクロースが来たことがない。だから奥さんは、吾輩にサンタクロースの衣装を着せたんだなぁ。でも、なぜ、吾輩がサンタクロースの格好をしないといけないのだろう?主人が、やっても良いじゃないか?
そう考えると、吾輩は、いささか腹が立ってきた。
だが、しばらくの間考えて、遂に悟った。
カメ子:あっ、こんなことを思っては、ダメだ。ダメだ。
吾輩は、みんなを楽しませるために、この世に生まれてきたのだから。
(なんちゃって)
奥さんは、コロナ禍で苦しんだり、悲しんだりしている人達の癒やしになればと考え、吾輩をサンタクロースに変身させたんだなぁ。と思った。
吾輩は、これでもモデルの端くれだ。ただ単に、歩いている訳ではない。
心を込めて一生懸命に演技をしているのだ。
奥さん。これからは、撮影の前に、吾輩は何の衣装を身につけるのか、教えてくれよ!そうしたら、もっと良いパフォーマンスができるのに・・・。まったく、困ったものだ。
さて、本日も、そうこう考えていると、奥さんが吾輩のいる水槽に近づいてきた。
今度も、また、何かが起こりそうだ!ワクワクするなぁ。
奥さんは、早速、吾輩をバスケットに入れ、ベランダに連れて行った。
そして、バスケットから出し、歯ブラシで甲羅をゴシゴシし始めたのである。
最近は、自分でも不思議だが、ゴシゴシされるのが快感に思えてきた。
甲羅掃除が終わると、奥さんが、
奥さん:カメ子ちゃん。今日も頑張ってよ!お正月は縁起の良い日だからね。
私が、手作りした素敵な晴れ着を着せて動画を撮るわよ!と、言った。
それを聞いて、吾輩は、「さすが、奥さんだ。」と、感心した。
今度は、何を着るのかがわかり、ほっとした。もう、気合いが入ってきたぜ!
それから、いつものように、吾輩は、あの撮影部屋に行き、晴れ着の着付けが始まった。
そして、今度は、鏡餅だ。本来なら鏡餅は、頭に載せるはずだったが、吾輩は頭を甲羅の中に引っ込める癖があるため断念し、甲羅の上に載せることになった。
カメ子:すぐに、自分の晴れ着姿を見たいと思ったが、本番前なので我慢することにした。
あれっ、吾輩に晴れ着はちょっとおかしくないか?吾輩は、女性だったっけ?
本当は、紋付き袴の方が良かったのになぁ~。と思った。
今度は、主人が最初から奥さんの後ろにいた。
「あれ、主人が手に何かを持っているなぁ?」と、思い、ちょっと気にはなったが、
早速、リハーサルが始まった。
不思議なことに、何のトラブルも起こらなかった。
でも、それが、かえって不気味に思えた。
そして、いよいよ本番をむかえ、奥さんから「スタート」という声が発せられた。
吾輩は、目の玉をカメラのレンズに向け前進した。と、その時、吾輩は周りの景色が、全く見えなくなってしまった。目に眩しい光が当たっているためである。
一瞬、身体が止まって動けなくなってしまったが、このような事態になっても
奥さんは、まったく、動じなかった。
吾輩は、「果たして、これで良いのか?」と疑問を抱きながら、光源元を探すと、
主人が先ほどから手に持っている機械から出ていて、それは、懐中電灯であった。
吾輩は、ようやく状況がわかってきた。
まぶしくて、ちょっと見えにくいが、再びモデルとなって前進したのである。
そして、撮影は無事に終了した。奥さんは、吾輩に近寄ってきて「カメ子。とっても良かったわ。お疲れ様」と、言った。そして主人に向かい「今度は、カメ子の顔が明るく映っているわよ」と、言った。
吾輩は、奥さんと主人の会話を聞きながら、あの時(第102話、祭りだ!祭りだ!ワッショイショイ!!)のことを思い出してハットした。あの時、映像をチェックし、画面が暗く顔が見えづらいことに気付いた奥さんは「そうだ、懐中電灯で照らそう」というアイディアが頭に浮かんだので、ニタッと微笑みを浮かべたのだ。
吾輩は、「流石奥さん、転んでもただでは起きないなぁ」と感心した。
それにしても、人間は、お祭りが好きだなぁ。
ほんとうに、ストレスが多そうで可哀想だ。と、思う。
カメの世界は、ストレスも無いし、毎日がパラダイスだ。
でも、人間のお祭りは、とても楽しくて、刺激があっておもしろかった。
これからも、吾輩をちょくちょくお祭りに呼んでくれたまえ。
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