カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第186話 女は〇〇〇〇〇男は〇〇〇〇〇〇〇Part1

 ある日の夜、主人と奥さんが何かひそひそ話をしているのが聞こえた。

吾輩は、今日も暇を持て余していたので、いつものように2人の会話を盗み聞きすることにした。

すると、2人の会話が終わったようで、主人が吾輩のいる水槽に近づき、いきなりこう言ったのである。

主人:おい、カメ子。良い知らせがあるぞ!

奥さんの都合次第だが、明日、お前達を花見に連れて行くことになった。

吾輩はそれを聞き、「なにっ!花見だと!」とびっくり仰天し、これはまさに、青天の霹靂(へいれき)だと思った。

コロナウイルスが流行って以降「花見」が全く出来なかったので、吾輩は「花見」という言葉をすっかり忘れてしまっていた。なんと懐かしい言葉だろう。

そして、その夜、吾輩はウキウキしてあまり良く眠れなかった。果たして以前花見に行ったのは、いつだったのだろうか?あの時に花見で出会った、おばあちゃんは今も元気にしているかなぁ~

そして、刎頸(ふんけい)の友※2である鳩吉はどうしているだろうか?

あれから、一度我が家にフイアンセを連れて来た※3が、その後も2人で仲良く暮らしているのであろうか?

久しぶりにきれいな桜の花が見られると思うと嬉しい。ああ、早くきれいな桜の花が見たい。桜の花の下で、美味しい食べ物が食べたいよ。昔は良かったなぁ。ああ~あの懐かしい時に戻りたい。

早く明日が来ないかなぁ~

しかし、なぜだか自分でもよくわからないが、また、嫌な予感がしてきた。

そして、ついに、楽しみにしていた翌朝になり、吾輩は、いつもよりドキドキワクワクしていた。

と、その時、主人が吾輩のいる水槽に何か良い匂いがする物を持って近づいて来たのである。

その匂いは、主人の手から発せられているようで、今までに嗅いだことがある食欲がそそられる物であった。

そして、その物が吾輩の前に現れると、毒味もせずにいきなりガブッとかぶりついてしまったのである。ガブッ、ガブッ。実に美味であった。

すると、突然、主人が「痛い、痛い」と悲鳴をあげ「おい、カメ子、ワシの指まで噛むなよ」と言ったのである。

吾輩は、「やばい、やっちまった」と、思い、すぐ口を開けると、今度は、主人から吾輩を奈落の底に突き落とすような衝撃的な言葉が返ってきたのである。

果たして、その衝撃的な言葉とはいったい何だったのでしょうか?

次回を乞う御期待!

 

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※1:素敵な出会い1 書籍(カメのひとりごと)

※2:素敵な出会い2 書籍(カメのひとりごと)

※3:第150話 フイアンセ