1月某日、主人が外出先から戻ってくると、吾輩の水槽に向かって一目散に駆け寄って来た。
吾輩が急いで主人に駆け寄ると、主人からいきなり仰天発言が飛び出してきたのである。
主人:おい、カメ子よく聞け。刎頸の友の鳩吉夫婦が、初めて会った公園にいたぞ!
それを聞いた吾輩はびっくり仰天し、鳩吉との出会い※1を思い出してみたのである。
カメ子:えっ、あの鳩吉に会ったの?あの頃が懐かしいなぁ。
鳩吉にもう一度会えるかもしれない。と思うと、急にうれしくなり、無意識のうちにカメ子ダンスを踊り始めていたのである。
すると、突然二人の会話に奥さんが加わってきた。
奥さん:カメ子に人間の言葉が理解できるわけないじゃない。
それに、どうして2羽の鳩が鳩吉夫婦だとわかるの?
すると、これを聞いた主人が待ってましたかとばかりに言った。
主人:なるほど。でも、カメ子はワシの言っていることがわかっているみたいだよ。
だって、カメ子ダンスを踊るほどのはしゃぎ様だからね!(カメ子:そう、そう)
その時に見た鳩吉の身体の模様と鳩吉夫婦が我が家のベランダに初めて来た時※2、の体の模様とが同じだったのだよ。
すると、奥さんからそのことについての、ツッコミ発言はなかった。
吾輩も主人の話しを聞いて、「彼らは本当の鳩吉に間違いない」と確信した。
ところが、主人はこの後吾輩に向かって意味深なことを言ったのである。
主人:お前がこんなに気合いを入れてカメ子ダンスを踊る姿は見たことがないぞ。
ひょっとして、カメの冬眠時は、寂しく感じるのかなあ?昨年の12月頃からワシが水槽の中を覗き込むと必ず寄って来てくれるし、たまにはカメ子ダンスも踊ってくれるようになったね。
ところが、カメ輔は顔だけこっちを向き、全く寄って来ない。
すると、今度は、主人が奥さんに向かって言った。
主人:カメ輔は近づいて来るが、カメ子は全く近づいて来ない。どうも、お前とカメ子は相性が良くないみたいだね?
すると、主人のこの発言に対し、奥さんがブチ切れたのである。
奥さん:何、言っているの!私がカメ子の名前を呼ぶと、すぐに寄って来るわよ。
カメ輔があなたに寄って来ないのは、あなたとカメ輔との相性の表われなのよ。だって、この前、公園でカメ輔を呼んでも、あなたに近づいて行こうとせずに無視していたでしょ※3。カメ輔があなたに懐かないのはどうしてか?直接聞かないとわからないわね。
すると、主人からこれ以上の突っ込みはなかった。
ああ~そうだ。吾輩はカメ輔に、主人に近づかない理由を聞くのを忘れていた。
たしか、前の時※3もそうだったなぁ。今度こそ、その理由を聞くことにしよう。
でも、どうしたことかカメ輔にこのことを聞くことが、物凄く怖い気がしてきた。
次回は、意外な役者が登場することになるよ!
乞う、御期待。
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※1:【カメのひとりごと】の本に掲載中
※2 : 第150話 フイアンセ
※3 : 第165話 律儀と薄情
※4 : 第144話 自我のめざめ