カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第165話 律儀と薄情

久々に登場の「カメ輔」です。

 

 12月某日、吾輩は朝から何か良いことが起こりそうな気がしていた。ちょうど、そう思っていたときに、主人が急に吾輩に話しかけてきた。

主人:カメ子、今から良いところに連れて行ってあげるからな、楽しみにしていろよ!

やった~!吾輩は、心の中で叫んだ。このことがきっと吾輩の感じていた良いことなのかもしれないなぁ。と思った。

早速、主人は、吾輩をバスケットに入れ外に出た。

しばらくすると、見慣れた光景が吾輩の目の前に拡がって来た。主人は、さっそく吾輩を公園の一角の地面の上に置いた。そして、主人は吾輩のいる場所から2m程離れた所で剣道の蹲踞(そんきょ)の姿勢で、吾輩の様子をじっと見つめていた。

カメ子:そのとき、主人は吾輩を試しているのかなぁ。と思った。

吾輩は、首を伸ばして回りを見渡し、ついに決断した。そして、躊躇(ちゅうちょ)することなく主人のいる方に向かって歩き出し、主人の足元まで来た。すると、それを見ていた主人が言った。

主人:カメ子は、律儀じゃのお~

カメ子:えっ、律義ってどういう意味?

吾輩は、一瞬主人が何を言っているのかよくわからなかった。

この後も主人は、同様の行動を公園の別の場所で行ったが、その時も吾輩は主人に向かって真っすぐに進んで行った。

そして、この時も主人は、うれしそうな顔をしてニコニコ笑っていた。

その後、主人は吾輩をバスケットに入れ家に戻り、水槽の中に入れた。

今度はカメ輔の番で、主人がバスケットに入れて外に出た。その時、吾輩は嫌な予感がしていた。

しばらくして、主人はカメ輔をバスケットに入れて戻ってきた。そして、カメ輔を水槽の中に戻すやいなや、吾輩の水槽にやって来て言った。

主人:カメ子。相変わらずカメ輔は薄情なカメだなぁ。

(カメ子:それって、いったいどう意味?)

主人:カメ輔をお前と同じように離れた所に置くと、ワシを無視してあらぬ方向に逃げて行く。これまで、あんなに可愛がって育てたのに、相変わらず薄情者だなぁ。

吾輩の嫌な予感が的中したようだ。吾輩は、主人が言っていた、「律儀」や「薄情」の詳しい意味はわからないが、吾輩とカメ輔がとった行動と主人の反応から、その言葉の意味がなんとなくわかってきた。

でも、ご主人様、カメ輔が本当に薄情なカメだと、決めつけない方が良いと思いますよ!

ああ見えてカメ輔には、律儀なところがあるのです。

今度、吾輩がカメ輔に今回の真意について詳しく聞いてみますから、カメ輔を悪く思わないでくださいね。よろしくお願い致します。

 

律儀:きわめて義理堅いこと。実直なこと

薄情:人情に薄いこと。思いやりの気持ちがないこと。

 

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【読者の皆様へ】

 カメ子は、主人が水槽の中を覗き込んだとき、いつも近寄って来ますが、カメ輔は、相変わらず無反応な態度をとっています。

カメ輔は、どうして主人に対して、このような態度をとるのでしょうか?

今後、カメ子からカメ輔への聞き取り調査の結果を楽しみにしていてくださいね!

 

いつも「カメのひとりごと」を読んでくださりどうもありがとうございます。

新しい年が、皆様にとって良い年になりますようお祈りいたしております。

これからも、「カメのひとりごと」を応援してくださいね!

どうぞよろしくお願い致します。

                             樋下由美子