カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第122話 食わず嫌い Part2

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主人:さあ~今日はお前達にご褒美をやるからなぁ。

まだ、お前達が今まで食べたことのない食べ物だぞ!

吾輩は、嬉しくなって「キュッキュッ」と喉を鳴らした。

そして、あの栄光の時代が、脳裏をよぎった。

焼き魚のホッケから始まり、ビーフジャーキー、鮭の「ときしらず」やマグロの炙り、牛肉のステーキ、豚ロース肉のしゃぶしゃぶ、魚肉ソーセージ、防腐剤の入っていないパン、刺身用ブリトロ、刺身用のマグロ等が食べられたこと。

あれは、吾輩の黄金期だった。

(第12話 至福の時 それは「食べる」こと:現在は、ブログには未掲載です)

今でも思い出すと、思わずよだれが出そうになる。

そうこうしていると、主人が、箸で何かをつかみ、吾輩の鼻先まで近づけてきた。

それは、直径1cm位の赤い身であった。

吾輩は、「マグロの刺身かなぁ?でも、今までに食べたことがない食べ物と言っていたので、マグロではない。だとすると、これは、マグロに似た魚だろうなぁ」と思った。

そして、今度も毒が入ってないか、嗅いをかぎ、口に含んでみた。

すると、生臭くはなく、無臭で水っぽかった。

しばらくして、口の中に甘さが拡がってきた。

これは、きっと鮮度が良い魚?に違いないと思った。

(早速、カメ子の「孤独のグルメ」が始まったぞ!)

そして、もう1個食べてみた。

今度は、ゆっくり、じっくり噛んでみた。

やはり、初めて味わう味で、美味だ。

吾輩が、「これ、何という魚かなぁ?」と熟慮していると、

主人は、「さあ、今度はカメ輔の番だ」と言って、サッサとカメ輔のいる水槽に向かって歩いて行った。

吾輩は、「おそらくカメ輔は食べないだろうなぁ~だって、今までマメ以外は食べたことがないし、初物を食べる勇気なんてない臆病者だよ」とブツブツ言っていた。

そんな吾輩のひとりごとを知ってか知らずか、ついに、主人がカメ輔にお刺身?を与える瞬間がやってきた。

そしてその時、主人は、カメ輔にとどめを刺す言葉を発したのだった。

主人:あっ、そうそう、そう言えば、あの時もそうだったなぁ。

テレビ局のカメラマンの方が、カメ輔の姿を間近で撮影しようとして、カメラを近づけた。

すると、それまで、水槽の中を自由気ままに歩きまわっていたカメ輔が、顔を甲羅の中に引っ込めて撮影が出来なかったことがある。その時にカメ輔が内弁慶で、小心者だと分かったよ。

(詳細は、第93話 運命が変わる日 Part4を読んでください。) 

それから、しばらく静寂な時間が流れた。

おそらく、カメ輔が刺身?を、食べるべきか?食わざるべきか?

にらめっこをしているのであろう。

吾輩は、「おい、まだか。じれったい。早くしてくれよ。その後に、もう一度、吾輩が控えているんだぞ。どうせ、食べないのだろう」と思っていた。

と、その時、主人から予期せぬ、驚愕の言葉が発せられたのである。

主人:びっくりした!カメ輔が「スイカ」を食べた。

青天の霹靂だ。この言葉を聞いた吾輩もびっくりしてしまった。

そして、主人は、今度はため息交じりの言葉を発したのである。

主人:ああ~今日はなんて日だ。驚くことばかりが起こる。

あの肉食のカメ子が、スイカを食べ、臆病で小心者だと思っていたカメ輔も「スイカ」を食べた。

今日は、何か凄いことが起こっているような気がする。

吾輩は、聞き捨てならぬことを聞いてしまった。

あの刺身だと思っていた物の名前が、「スイカ」だったとは・・・。

でも、どうして主人はびっくりしたのだろう。

「スイカ」ってお魚だよね?

(カメ子は、まだ、【スイカ】を魚だと勘違いしているようである。)

主人が、こう思うのも無理はない。

これまでカメ子は、魚や肉類、食品添加物の入ってないパン以外は、食べたことがない。だから、カメ子はまだ「スイカ」を魚だと思っているようである。

SNSの情報では、雑食だといわれているカメでも、魚・肉は食べるが、野菜・果物は食べないカメもいるそうだ。

その一方で、野菜・果物は食べるが、魚・肉は食べないベジタリアンのカメもいるそうである。

そんなことで、主人は、カメ子とカメ輔を野菜・果物嫌いなカメだと思い込み、

「食わず嫌い」だと勘違いしたのであろう。

これは、仕方がないことかもしれないね。

カメ子が「【スイカ】は魚ではない」と気が付くのには、もう少し時間がかかりそうである。

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【追記】

 その後、第2段として、二人にトマトを与えてみた。

すると、カメ輔は、「これは、何だろう?」と、しばらくの間、にらめっこしていたが、ついに食べたのである。

一方、カメ子は、スイカと同じ色ということもあって、口には入れたもののトマトの皮だけ吐き出してしまったのである。

雑食といわれるカメも、人間と同じように偏食をさせないように育てることが大事です。

カメに初めての食べ物を与えて、食べるかどうか?その反応を観察するのもおもしろいし、いろいろな食べ物にチャレンジ出来るので、カメ自身も楽しみにしているようですね!

 

第121話 食わず嫌い Part1

 

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 主人は最近、毎日朝一番に、吾輩とカメ輔に朝食をくれる。

食事管理を怠ったため、ぶくぶく太った吾輩の姿とヒューヒュー喉をならしているカメ輔の姿を見て、主人は反省したのであろう。

吾輩とカメ輔にとって、これは、たいへんありがたい事だと思う。

話は変わるが、今日は何だか良いことが起こりそうな予感がしてきた。

さっそく主人が吾輩の水槽に近づいて来て、マメ(カメ用配合飼料)の入った袋を持ち

シャッ、シャッ、シャッと音をたてて振りながら「カメ子~、カメ子~」と、普段より1オクターブ高い声を出して吾輩の名前を叫んでいる。

吾輩は、音が聞こえてくる方向に首だけ向けると、主人が、袋からマメを取り出し、吾輩の目の前の水面めがけてバラ撒き始めたのである。

吾輩はいつものように、マメに毒が入っていないか、一応、クンクンと匂いを嗅ぎ、安全を確かめた。

そして、カリッカリッと音をたて、噛みしめながらゆっくりと飲み込み、その度に、鼻から水鉄砲を出すのである。

すると、その光景を見ていた主人が言った。

主人:おお~相変わらず、カメ子は自分の健康に気を付けて、マメを1個ずつゆっくり噛みしめながら、水といっしょに飲み込んでいるなぁ~「カメの甲より年の功」だ。

(褒めているのか?おちょくられているのか?よくわからん)

さあ、次はカメ輔の番だ。

さっそく、マメをバラ撒く音がした。

すると、時折ガツン、ガツンという音が聞こえてきた。

この音は、どこか聞き覚えのある音だった。

その音が聞こえなくなると、主人は言った。

主人:カメ輔は相変わらず食用旺盛だなぁ。それに、よく噛まないで、マメを飲み込むなんて、まだ、若いなぁ~

それに食べるスピードが早いや。

吾輩も「そうだろうなぁ」と、半分納得し、カメ輔をうらやましく思った。

ところが、主人は次に意外なことを言ったのだった。

主人:おい、おい、カメ輔。

そんなに鼻を水槽の壁に強くぶつけてマメを食べるなよ!

鼻の骨が折れるぞ。

(そして、しばらくして)

あっ、もしかしてこのことが原因で、口呼吸をしだしたのかもしれないなぁ?

これからは、気を付けて水槽から離してマメを撒くようにするからな。

(第119話 蓄膿症Part2を参照してください)

それを聞き、吾輩は、「ああ~やっぱりそうだったのか?主人よ。これから、カメ輔にマメをやるときは、注意してやってくれよ」と心の中でつぶやいた。

普通はここで、食事タイムが終わるのであるが、今日はちょっと違っていた。

さあ、この話しの続きは、意外な方向に展開することになるよ!

次回を乞う御期待!

 

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第120話 定期健康診断

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 今年も、あの嫌な時がやってきた。

そう、主人の職場の定期健康診断だ。

主人は、定期健康診断の2~3週間前から奥さんに「定期健康診断が終わるまで、絶対に間食はせんぞ!スーパーでおやつは買わんようにしてな」と言うのである。

そして、どういう訳か?毎日、朝食前に、トイレを済ませてから体重を測り、

「あ~ダメか。目標まで〇kgオーバーだ。情けない」とため息をつくのである。

(吾輩の方が情けない。自業自得だよ)

そして、定期健康診断が終わり、帰宅した主人は、いつも「さあ、今日は晩酌をするぞ!そして、最後の締めはラーメンだ」と言うのである。

さらに、主人は、定期健康診断終了後10日頃から、再び、ソワソワし始めるのである。それは、定期健康診断の結果が出るからだ。期待半分、心配が半分ってところかな?

そして、今日、その結果が届いたようだ。

まず、主人は、ポストの扉を開き、封筒の膨らみ具合を観察し、そして、その瞬間に、全てが決まるのである。(ちょっと、大袈裟だなぁ)

主人は、突然、「あっ、封筒が膨らんでいる」と叫び、ガックリ肩を落とす。

そして、「あ~また、精密検査をする羽目になった。情けない」と呟いて、愕然とするのである。

どうも、主人は、今までに精密検査で酷い目にあったことがあるようである。

ある年の定期健康診断で、主人は、何を思ったのか、いつもより早めの検査日10日前に検便を実施し、その検体を奥さんに黙って、冷暗場所に置いたのである。

その冷暗場所というのは、家の外に置いてあった、主人が独身時代に使っていた冷蔵庫の中である。

しばらくして、その年の定期健康診断の結果が出た。

検査結果は「潜血あり」で、「要精密検査」であった。

さあ、大変なことになったぞ!その事を奥さんに報告すると、

バカ正直な主人は、検体の保管場所もうっかり喋ってしまったのである。

これを聞いた奥さんは、烈火のごとく怒り、主人が愛着をもって使用していた冷蔵庫は、木っ端みじんになり廃棄処分されたのである。その年は、主人にとって、散々な年であったようで、恐るべき、奥さんである。

また、別の年には、定期健康診断で体重コントロールに大失敗してしまい、3日間で

3kg落とさなくてはならない事態になった。そして、3日3晩飲まず食わず

(ちょっと大袈裟だなぁ)で過ごし、フラフラの状態で健康診断に臨んだ。

そして、その結果、「不整脈の疑いあり。要精密検査」と診断されてしまった。

主人にとっては、この結果は初めての事だったので、慌ててすぐ病院に駆け込んだ。

そして、ホルター心電図検査をすることになった。

主人は先生に「ホルター心電図検査をしながら、お酒を飲んでも大丈夫ですか?」と

聞くと、「深酒しないなら良いですよ」ということであったので、装置を付けたまま、居酒屋に行った。(居酒屋の店主は、その主人の姿を見て、どう思ったのだろうか?)

今から思えば、それが大きな失敗であった。

翌日、その結果が出て、もう一段階上の心臓カテーテル※2検査をする羽目になってしまったのだ。

心臓カテーテル検査ってどういう検査なのか?ってことを、後で、主人と奥さんが話しているのを聞いたが、思い出しても怖いので、コメントを控えることにするよ。

吾輩は、「人間はカメに比べれば、恵まれているなぁ」と思う。

カメの世界では、定期健康診断なんてものはない。

もちろん、検尿や血液検査なんかもない。

主人が吾輩に初めて身体測定をしてくれたのは、今から2年前、吾輩が7歳の時であった。その時の測定結果は、甲長17cm、体重800gだった。

そして、2度目は、つい最近行った。

吾輩は、肥満気味で、甲羅が横に伸びてしまい、丸い甲羅になってしまっていたのである。おかげで現在吾輩は、甲羅が直径20cmのぽっちゃり太ったカメさんになってしまったのだ。

こうなったのも、主人達が、吾輩の健康管理を何もしてくれなかったからであろうなぁ?吾輩は、なにもカメの定期健康診断をしてくれと言っているのではない。

ただ、吾輩は、大きな病気になるのが怖いだけなのだ。

幸いにも、吾輩はこれまでに大きな病気に罹ったことはないし、病院に行ったことも

ない。だから、かえって病院に行くのが怖い。主人が過去、病気で入院した時の治療や体験話はもちろんのこと、今度のような精密検査した話さえも、怖さを感じるのである。

吾輩が病気になるとしたら、一体、どんなことが原因でなるのだろう?

吾輩は酒もタバコもやらない。

精神的ストレスも、モデル以外の仕事をやったことがないので、仕事によるストレスもそれほど感じていない。ストレスがあるとすれば、主人や奥さんとの間の人間関係?や、カメ輔のお守り程度かもしれないが、吾輩がちょっと我慢をすれば済むことだ。(なんと、大人の発言だ)だとすると、残る原因のひとつとして、考えられることは、やはり主人の場合と同じように食生活かもしれない。

それなら、吾輩とカメ輔の食生活の管理をしてくれている、主人や奥さんは責任重大である。

食事と水換えを担当してくれているご主人と奥さん、どうか、これまでのように、うっかり忘れたり手抜きはしないでくれ。

もし、病気になったら、吾輩もカメ輔も、痛い思いをしなくてはならないし、治療費もかかる。よろしく頼みますよ。

それと、もうひとつ大事なお願いがあるんだ。

カメ語のわからない主人達にとって、せめて吾輩とカメ輔の行動をしっかり観察して、病気の兆候があれば、直ぐに発見して欲しい。

そうすると、カメの定期健康診断なんてしなくても済むはずだ。

よろしく頼みますよ!ご主人様。

 

読者の皆様へ

定期健康診断をして、自分の身体をしっかり管理してくださいね!

自分の身体は、決して自分だけのものではないのですよ!

 

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※1:主に「脈の乱れ」「胸の痛み」「一日心臓の動く回数や動悸」などを調べるもので、心臓に血液を送る冠動脈の流れが悪くなり、症状が出る場合は記録波形に変化があらわれてわかります。

 

:合成樹脂でできた細長い管のカテーテルを腕や大腿の動脈から入れ、血管を通して心臓まで到達させ、心臓の働きや病気の種類・重症度を診断します。

第119話 蓄膿症Part2

 

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 水槽の上の方から声が聞こえてきたので、見上げると、困っているような顔をした主人が見えた。

「どうしたのかな?」と思っていると、主人がポツリポツリと話しだしたのである。

読者の皆様、いよいよここから「主人のひとりごと」が始まるよ!

主人:ああ~また、カメ輔が首を上に伸ばし「ヒユーヒユー」と悲しそうに泣いている。昔、カメ輔が幼かった頃、ワシは、カメ輔のためにと思い、水槽の水を深めに入れていた。

そのことが原因で、呼吸がしやすい口呼吸ばかりするようになり、次第に鼻呼吸を忘れてしまったようだ。

その「主人のひとりごと」を聞き、落ち込んだ様子の主人を見て、奥さんは、遂に口撃を開始した。

奥さん:カメ輔がこうなったのもあなたのせいよ。

主人にとってこの一言は、きっと辛い言葉であったに違いない。

一瞬顔が引きつったように見えた。

一方、吾輩は、以前にも同じような経験をしたことがあるような気がしてきた。

そうだ、吾輩はあの時のことを思い出した。

(この内容の詳細については、【カメのひとりごと】の本『蓄膿症 Part1』に掲載しています)

その時も、カメ輔が同じように首を上に伸ばし「ヒユーヒユー」と鳴いていたのを見て、吾輩は、カメ輔に「鼻が詰まっているのか?」と聞いたことがある。

すると、カメ輔は、鼻が詰まっているとは言わず、「呼吸は口でするものでしょ」と

しか言わなかった。

そして、吾輩は、このことを主人に伝えようとしたが、「カメ語がわからない主人には、きっと理解出来ないだろう」と思い、言うことを断念した。結局、主人は、鼻詰まりの原因を勝手に蓄膿症とか風邪とかだと決めつけ、水槽に温かいお湯を張ったりして対処した。そして、水槽の水を少量にし、カメ輔が甲羅干しを出来るように小さな岩を置いたりもした。

そう考えると、主人は、カメ輔のために、何もしなかったわけではない。

このことから考えると、どうもカメ輔が口呼吸をするようになったのは、全て、主人の責任ではないようだな。

だとすると、奥さんが全て主人の責任にするのは、ちょっとおかしい気がする。それよりもむしろ、その時からこれまで、カメ輔が苦しんでいるのを、ほったからかしにして、何もしてやらなかった、主人と奥さん、そして吾輩にも連帯責任があると思う。

吾輩は、奥さんに対し、いささかの怒りを覚えてきた。

その一方、奥さんは相変わらず、主人を問い詰めている。

そして、今度は奥さんからビックリ仰天するような言葉が飛び出してきたのだ。

これは、まさしく、青天の霹靂であった。

奥さん:えっ、待ってよ。確かにカメ輔が、マメ(カメ用配合餌料)を食べていた時、鼻から水を出していたわ。そんな事、なぜ、早く気付かなかったのかしら?

私にしちゃ、ミスったわ!

この一言で、主人と吾輩の気持ちが晴れ、これで、「カメ輔は口呼吸から解き放される」かのように思えた。

ところが、今度は主人から、カメ輔の幸せな前途を打ち消すような言葉が飛び出してきたのである。

主人:この話で、カメ輔の鼻が詰まっていないことがわかったなぁ。

しかし、もう一つクリアしなければならないことがある。

それは、どうやって、カメ輔に鼻呼吸を教えるかだよ。

吾輩は、「そのとおり。でも、そんなこと、とっくに気付いているよ」と思った。

すると、今度は、主人が、吾輩の方を見て言ったのだ。

主人:お前は、ワシの言葉を理解出来ないかもしれないが、カメ輔とは同じカメ属ということで、なんとか、鼻呼吸できるように指導してやってくれないか。と言った。

ほらね。案の定予想していたとおり、吾輩にお鉢が回ってきたぞ。まあ、半分覚悟はしていたから、しょうがないなぁ。

今度は、奥さんの一言で、カメ輔は鼻呼吸ができることがわかったので、自信はあるよ。吾輩は、「一丁やってやるか」と決心し、カメ輔のいる水槽へと向かった。

【追記】

この後、カメ子は、カメ輔に、鼻呼吸するように説得したようである。

ただ、上手くいったかどうかは、これから、カメ輔の様子を注視してみなければわからない。

これは余談だが、また、ひとつ困ったことが起こった。  

これまでの二人の会話の中で、主人が奥さんに、「もし、カメ輔が蓄膿症になっていたら、病院に連れて行くのか?」という質問した。

すると、奥さんは、戯れ(たわむれ)に「そんな面倒なことはしないわよ。近くの川に放流するつもりよ」と言ったのである。主人は、この奥さんの発言にびっくりし、慌てて水槽の中にいるカメ輔の顔を見た。

すると、カメ輔も主人の顔を見上げていた。その時、カメ輔の目は、吊り上がり主人を睨み返していたのだ。

もしかして、カメ輔は、奥さんの言った言葉を理解していたのかもしれない。

時すでに遅しか?

カメ輔は、まだ、冗談がわかる年齢ではないし、奥さんが、本気で言ったと思っているであろうな。

ああ、これは、カメ輔の誤解を解くのに相当時間がかかりそうだ!本当に困ったなぁ。

今日の奥さんは、いつもの奥さんとは全く別人のようで、カメ輔が口呼吸をするのは主人の責任だと言ったり、カメ輔を川へ捨てるような発言をしてしまった。

ああ、気まぐれな奥さんには、まったく困ったものだ。

奥さん、少しは反省して下さいよ!

カメ子より。

 

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第118話 あの世からの訪問者 Part2

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  さあ、前回に引き続き、「あの世からの訪問者Part2」のおもしろい話しが始まるよ!

爺ちゃん:良いことを聞いたので、お前が喜ぶ話しをしてあげよう。

孫(奥さん)は、いつも、お前とカメ輔が、疲れた心を癒してくれ、モデルとしても頑張っていると褒めているぞ!

でも、困ったことに、主人は、「家の事を何ひとつ手伝ってくれない」と愚痴をこぼしている。

そして、さらに爺ちゃんから何気ない一言が追加された。

爺ちゃん:どうか、お前から、そのことを主人に伝えてくれないか?

吾輩は、褒められたので、有頂天になってしまい、何も考えず、

爺ちゃんの願い事に思わず「うん」と言ってしまったが、

追加された爺ちゃんの発言が、後になって大問題になろうとは、知る由もなかった。

一方、爺ちゃんは、吾輩から良い返事をもらったことで、雄弁の爺ちゃんに豹変してしまった。

そして、この後、爺ちゃんから、予期せぬ重大発言が飛び出したのである。

爺ちゃん:カメ子。今までのことでわかっただろうが、

もし、ご先祖様に助けを求めたい時は、一心にご先祖様のことを強く念じなさい。

そうすれば、必ずご先祖様が、お前の夢の中などに現れて助けてくれるはずだよ。

だって、あの世と言っても、ここから遙かに遠い、西の彼方にあるのではなく、

お前の直ぐ傍にその世界があるんだ。

ただ、それがこの世からは見えないし、気付いていないだけなのさ。

吾輩は、それを聞いて、愕然とした。

正直に言うと、これまで、吾輩のご先祖様が、吾輩の夢の中に、ほとんど出てくることはなかった。

そして、その原因が、吾輩自身にあったなんて。

吾輩は幼い頃、口減らしのために里子に出され、この家に来た。

両親の顔も知らないし、両親が今、生きているかどうかさえもわからない。

だから、ご先祖様を想う気持ちなんてこれっぽっちもなかった。

(吾輩の両親は、主人と奥さんだと思っている)

それで、ご先祖様が一度も夢の中に現れてくれないのかなぁ?

でも、ご先祖様がいてくれなければ、吾輩は、この世には存在していないし、

「カメのひとりごと」の本も世に出ることはなかった。

ああ~吾輩も反省しないといけないなぁ~

もちろん、吾輩のこのような心の葛藤は、爺ちゃんにはお見通しであった。

それを察してか、しばらくして、お爺ちゃんが吾輩にポツンと言った。

爺ちゃん:これからは、ご先祖様のことを、たまには思い出してあげるのだよ。

そうすれば、きっと、ご先祖様も喜んでくれるよ。

だって、生きることに精一杯で、一寸先は闇のこの世とは違い、

ワシのいるあの世は、時間という観念や音がまったくないフリーズしている世界なんだ。

だから、あの世にいる人達は、この世からたまに送られてくる想いをとても楽しみに待っている。

そしてさらに、爺ちゃんから、びっくり仰天するような、発言が飛び出したのである。

爺ちゃん:ああ~そろそろ、あの世に帰る時がやって来たようだ。

閻魔様がお呼びだ。

実は今、ワシは、三途の川の近くの関所で、閻魔(えんま)様の第1秘書をしている。

そこは、閻魔様が亡くなった人達をどの世界(地獄界等)に送るか詮議(せんぎ)し、言い渡す所なのだ。

なぜ、ワシが、そこで第1秘書をしているかって?

昔、ワシは死んで、閻魔様の前で裁きを受けた。

ワシは、若気(わかげ)の至りで、今でも、恥ずかしくて

とても人には言えないような悪さをしたことがあった。

(【カメ子のひとりごと】に掲載しています)

だから、ワシは閻魔様の前で裁きを受けているとき、地獄に行くことを覚悟していた。

ところが、閻魔様の計らいで、どうにか地獄行きを免れた。

だから、今は、閻魔様に恩返しをするつもりで、そこで働いている。

そのお勤めをし、それが終われば、あの世の世界に戻ることになっている。

じゃ、ちょっくら、宮仕えに行くとしよう。

カメ子。たまには、ワシのことも思い出してくれよ。

その時は、いつでも、夢の中に出て相談にのってあげるからな。

お爺ちゃんは、そう言い残し、再び白いモヤの中に消えていった。

そして、しばらくすると、モヤの向こう側には、いつもの水槽の壁と人間のいびきが聞こえてきたのだ。

ああ~ようやく吾輩は夢から目覚めてきたようだ。

しばらくして、吾輩は、今回の夢を思い出してみた。

すると、今度の夢は、今までになく、かなりリアルであった。

やっぱり、今回現れた爺ちゃんは、妄想の創造物ではなく、本当の爺ちゃんが、

あの世から現れてきたかもしれないな。

そうだとすると、あの時のお爺ちゃんとの約束は、絶対に果たさなくてはならぬのか?

ああ、爺ちゃんとの約束を簡単に引き受けてしまった。

どうしよう?

吾輩が言っても、主人にはカメ語は通じないだろうなぁ?

今、主人は、水槽の向こう側で、大きないびきをかいて寝ている。

ああ~困った。困った。

一体どうしたらいいだろう?

考えたが、全然、良い考えが浮かばない。

ああ、そうだ、良いことを思いついた。

 

吾輩は、もう一回寝て、これからどうしたらいいか?を

考えることにした。

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第117話 あの世からの訪問者 Part1

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  その日は、なぜか朝から奥さんの爺ちゃんのことが頭に浮かび、夜になって床に入ってもなかなか寝付けなかった。

しばらくして、白いモヤの向こう側に、人らしき黒いシルエットが現れ、吾輩の方に近づいてきた。

吾輩が、身構えると、その黒いシルエットが話し掛けてきたのである。

黒いシルエット:おいおい、カメ子。ワシじゃ。久し振りだなぁ。もう、忘れたのか?お前の家の奥さんの爺ちゃんだよ。以前登場した時は、お前の前世がワシだったなぁ。

それにしても、いろいろ大活躍しているらしいな。         

孫から度々(たびたび)聞いているぞ。

すると、吾輩は、「この爺ちゃん。いったい何を言っているの?」

「奥さんの爺ちゃんだよ」と言われても、信じられないし

突然現れて、吾輩は名前を呼び捨てにされる筋合いはない。

あ~もしかして、この爺ちゃんも吾輩の妄想から出てきた創造物なんじゃないのか?」と心の中で思った。

ところが、奥さんの爺ちゃんは、ニタッと含み笑いをしながら言ったのだ。

爺ちゃん:おっと、ワシは、妄想から出てきた創造物なのか?

それを聞いて、「えっ、どうして吾輩の考えていることがわかるの?」と思った。

そして、間髪入れずに、爺ちゃんは答えたのだ。

爺ちゃん:じゃ、ワシが、あの世から来た本物の爺ちゃんである証拠を見せよう。

今から、お前の知らないことを話すことにするよ。

「カメのひとりごと」の本が、全国出版されて間もなく、ワシの孫(奥さん)と母親が、ワシの墓参りに来て、墓前にその本を置いたんだ。

そして、「お爺ちゃん、やっと本が出来たよ!酒屋が舞台の場面には、お爺ちゃんも登場しているよ」と言って、わざわざ報告に来てくれたんだ。

ワシは、「さすが、ワシの孫じゃ。とうとう、作家になったか」と思い、感慨深かった。

そして、今度は吾輩が言った。

カメ子:えっ、それは、初耳だなぁ。奥さんから、そんな話しは聞いたことがないよ。もしかして、本当にあの世から来た本物の爺ちゃんかも知れないなぁ?

すると、さらに爺ちゃんは言った。

爺ちゃん:おお~やっと信じてくれたようだな。

さてと、この辺で、ワシがお前の夢の中に出てきた理由を話すことにしよう。と言い、訥々(とつとつ)と話し始めたのである。

爺ちゃん:実はなぁ~ある日、ワシの孫(奥さん)から

「爺ちゃん。目が痛いよ、助けて」という悲痛な叫び声が聞こえてきたんだ。

これは、一大時だと思い、あの世から孫にコンタクトをとったが、全く返事がなかった。

それで、孫のことが心配になって、暇そうなお前を選んで、あの世から来たんだよ。(カメ子:お爺ちゃんは、ひどい事を言うよなぁ~)

この世で言う「虫の知らせ」というものをお前に送り、夢の中で、ご対面したんだ。

孫の目のことを何か知っているか?

吾輩は、「えっ、急にそんなことを言われても、わからないよ。吾輩にとっては、ありがた迷惑な話だなぁ。

いけねえ。爺ちゃんは、吾輩の言っていることが全てわかるんだった」と心の中でつぶやいた。

そこで、しばらく考えて、仕方が無いので答えた。

カメ子:うん。この前、奥さんは、SNSのやり過ぎで、「目が痛い」と言っていたよ。そして、眼科に行ったところ、「大丈夫だって」言われたそうだよ!と言ったのだ。

すると、それを聞いた爺ちゃんは、「そうだったか。良かった。良かった。それを聞いてホットとしたよ。ありがとう」と言った。

そして、笑みを浮かべた爺ちゃんから、この後、さらに、

あっと驚く話しが飛び出してきたのだ。

さあ、次回の話しは、もっとおもしろいよ!

乞う、御期待!

※1:「カメのひとりごと」の本に掲載中

 

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