カメのひとりごと

ニホンイシガメのカメ子が、カメ目線でとらえた人間社会をおもしろおかしく書いています。

第184話 未来からの訪問者 (若返りシールPart2)

 白いモヤの向こう側から、突然、謎の黒い影が現れた。

奥さんは、「あなたは、いったい誰?」と大きな声で叫んだ。

奥さんは、強い恐怖心を感じたが、それは、どこか見覚えのある姿をしていた。

そして、その黒い影が徐々に近づき、ついに奥さんの目の前で立ち止まった。

すると、突然、謎の黒い影にスポットライトがあたり、その正体があらわになった。

なんとその謎の黒い影の正体は、カメであった。

そして、奥さんは、そのカメに尋ねてみた。

奥さん:あなたは、いったい誰なの?

すると、そのカメからビックリするような発言が飛び出してきたのである。

謎のカメ:あなたとは、昨日お会いしましたが、お忘れのようですので、もう一度、自己紹介をしたいと思います。

奥さん:あらっ、そうだった?

昨日、私の夢の中に出てきたカメは君だったの!

謎のカメ:私は、あなたの家で暮らしているカメ子の子孫で、カメ子と申します。

私は、30世紀の未来からやって来ました。

(詳細は、第151話 未来からの訪問者Part1を見てください)

あなたの家で暮らしているカメ子は、私の御先祖様で尊敬しています。それで、本人に了解を取り、私は、カメ子という名前を拝借させて頂いております。

実は私の御先祖様から、「奥さんがあることで思い悩んでいる。何とかしてくれないか」と言う相談を持ち掛けられました。そこで、微力ながらお手伝いさせて頂きたいと思い、夢の中でお目にかかることとなりました。

奥さん:30世紀のカメ子の子孫の登場にびっくりして頭の中が真っ白になり、この後、何を言っていいのかわからなくなってしまった。そして、しばらくして落ち着いたので、カメ子の子孫に尋ねてみた。

奥さん:カメ子が言った私が思い悩んでいることとはいったいどんなことなの?

すると、子孫が言った。

30世紀の子孫:奥さんは、変形性膝関節症で悩んでいるそうですね!御先祖様は、「何とかしてやってくれないか」と言っていました。

そこで、私は「若返りシール」をご用意しました。30世紀では、このシールが薬局のようなところで簡単に買えるのです。もちろん、犯罪等の悪いことに使用する場合は、売ってはいけないことになっています。

話を戻しますが、このシールを体に貼ると、その人の体の一部が、その当時の若い体に戻ることができるのです。

例えば、「若返りシール18」を貼ると、その人の18才当時の体に戻ることができます。あなたは18才の時には、まだ、変形性膝関節症になっていなかったので、シールを貼った時点で、変形性膝関節症は消失してしまうということです。

もちろん、18才当時の体に戻れるので、膝関節以外の臓器も若返ることができます。

しかし、脳と髪の毛と皮膚だけは、どうしても若返ることができません。

そして、もうひとつ大切なことは、シールの有効時間は限られているということです。しかも、遡及年が大きければ大きいほど、その有効時間は短くなるのです。

例えば、10年遡るとその効果は10日間で、20年遡ると効果は5日間となるのです。

あなたの足の裏をちょっと見てください。

奥さん:自分の足の裏を見た。すると、そこには、「若返りシール18」が貼られているではないか。

謎のカメ:あなたは、「若返りシール18」を足の裏に貼り付けて病院に行きましたね!その効果はいかがでしたか?

奥さん:カメ子の子孫の話にはついていけず、しばらくの間放心状態だった。そして、急に眠気がしてきて、とうとう眠ってしまったのです。

すると白いモヤの向こう側から、主人の声が聞こえて目が覚めた。

あれっ、今までの出来事は夢だったの?「若返りシール18」は本当にあるのかなぁ?いったいどうなっているの?しばらくしてから、あることを思いついた。

奥さん:確か「若返りシール18」は、足の裏に貼っていたはずだわ。と思い出した。

そして、自分の足の裏側を見た。すると、シールが貼ってあるではないか。私は、嬉しくなり、急に水槽の中にいるカメ子と話しがしたくなった。

奥さん:カメ子、私の体のことを心配してくれてありがとう。「若返りシール18」を貼ってもらったら足の調子がとても良かったよ。これからもシールが必要な時は、あなたの御先祖様に頼んでね。

ところが、カメ子は、「若返りシール18」が、いったい何のことだかさっぱりわからない様子で、ただ、「うん、うん」とうなずくだけだった。

そして、「奥さんが昨日から、訳のわからないことを言っている」と一人で呟いていたのです。

こんなやりとりのあった3日後、奥さんの足の裏に貼られていた「若返りシール18」は消えてなくなっていたそうです。そして、これを境に奥さんのへ膝関節は以前の状態に戻ってしまったのです。その後、奥さんは整形外科病院に行き、先生からこっぴどく怒られたそうです。

先生:おい、どうした?この前は見違えるほど、足の状態が良かったのに。今日は、以前の悪い状態に戻っているじゃないか。ワシが「家でやれ」と言った体操をちゃんとやっているのか?この病気は、自分で治していかなきゃ一生治らない病気なのだぞ。

こう先生から怒られた奥さんは、二度とカメ子の子孫に「若返りシール18」を貼ってとお願いすることはなかった。

将来若返りができるようになればいいですね!

 

 

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第183話 未来からの訪問者 (若返りシールPart1)

 

 

 ある日の午後、主人と奥さんが外出先から戻ってきて、何か二人で話しをしている。

いつものように吾輩は、水槽の中から聞き耳を立て、二人の会話を聞くことにした。

奥さん:今日、整形外科へ足の診察に行ってきたの。

そうしたら、先生からびっくり仰天するようなお褒めの言葉を頂いたのよ!

先生:左膝と左足のむくみが完全になくなっているじゃないか。体重は、それほど軽くなっているとは思えないが、魔訶不思議じゃ。この調子で精進していきなさい。

と、言われたのよ!

すごく腕が良くて名医だけれど、本当に口が悪い先生よね!

その時、私にとって今日は特別な日じゃないかと思った。立ち上がるとき足が痛いので、毎朝、椅子につかまって立ち上がっていたが、今朝は、椅子につかまらなくても自分の足で立ち上がることができたのよ。

それで、両足をよく観察したら、変形性関節症で腫れていた左足の腫れが良くなっているじゃない。それに、全く痛みを感じないのよ。こんなに左足の調子が良い日は十数年ぶりだわ。

それに、とっても不思議。だって、昨日までは左足が腫れていてこんな感じじゃなかったのよ。立ったり座ったりをする度に、膝がひどく痛かった。これって、いったいどういうことなのかなぁ?

今度はそれを聞いていた主人が、おもしろいことを言ったのである。

主人:世の中には、人間にはわからない不思議なことがあるものだね。先生もびっくりしていたみたいだし。

でも、どうしてこんなに足の調子が良くなったのか?何かわかるかい?

すると、奥さんは「私に、そんな難しいことが分かるわけないじゃない」と答えたのである。

ところが、しばらくたってから、突然、意味深なことを言い始めたのである。

奥さん:昨日の夢の中に、初めてカメが出てきたのよ。

そして、そのカメが、果たしてカメ子か?カメ輔か?よくわからなかったけれど、何か変なことを話していた。

しかし、その内容までは、はっきりとは覚えてはいないのよ。

吾輩は、それを聞き、一瞬ドキッとした。

そして、奥さんは、急に吾輩のいる水槽にやって来て、質問をしてきたのである。

奥さん:ねえ、カメ子。昨日、私の夢の中に出てきたカメは、あなたなの?

吾輩は面食らって、すぐに返答ができなかったが、しばらくたってから答えた。

カメ子:えっ、僕じゃないよ。

これを聞いて、奥さんは、「そうでしょうね。私の変形性膝関節症と夢の中に出てきたカメが何か関係性があるとはとうてい思えないしね。こうなった原因が何にせよ、私の変形性膝関節症が良くなった。ということで、良しとするわ。

このまま左足の良い状態が長く続けば良いのになあ~」と言ったのである。

そして、その夜、奥さんは、また、不思議な夢を見た。

その夢の中で、奥さんの左足の変形性膝関節症が良くなった真相が解き明かされるのである。

次回の話も、おもしろいので、楽しみにしていてくださいね!

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第182話未来からの訪問者 (入れ替わりシールPart2)


 吾輩は、しばらくの間、白いモヤに覆われていた。そして、その向こう側から突然黒い影が現れたのである。

「いったい何だろう?」と思い、恐怖心を抱いたが、それは、見覚えがある者だった。

そして、その黒い影が徐々に近づき、吾輩の前で立ち止まった。

すると、突然、謎の影にスポットライトがあたり、その正体が顕わになったのである。

その影の正体は、以前夢の中に出てきた西暦3000年に生まれる予定の我が子孫※1であった。

吾輩は彼に向かってこう言った。

カメ子:これは、これは、我が子孫ではないか。

いったいどうしたんだい?

すると、子孫からびっくりするような発言が飛び出してきたのである。

子孫:お久しぶりです。本日の奇想天外な体験はいかがだったでしょうか?

御先祖様が常日頃から「少しの間でいいから人間になって、その気分を味わってみたい」とおっしゃっていたので、私がそのようにして差し上げたのです。

そして、私達の時代に使われているおもしろい物を持ってきました。

それは、入れ替わりメカという物です。(子孫の前にその物体が二つ現れた。物体と言うよりはシールのようなものであった。あれっ、これは、洗面所の鏡で見たとき、吾輩の額に貼ってあった星の形をしたシールと同じ物ではないか?)

そして、それを御先祖様の頭に貼ると、シールを貼った人との間で入れ替わりが起こるのです。

シールを張ると、全てが入れ替わるわけではありません。

自分の意思、心はそのままで、五感や第六感※1、その人がこれまでに獲得した知識や思い出、性格、好み等が相手と入れ替わるのです。(そういえば吾輩は夢の中で、御主人様の生い立ちを経験し、家の中の鏡がある場所がわからないはずなのに、足が勝手に動き洗面所まで行っていたなぁ。)

実はこのシールは、30世紀の小学生の道徳の教材で使われている物なのです。

テーマは、「ことを成すとき、何事も相手の気持ちになって考えることが大事」ということで、実際に相手と入替わりを体験することができるシールなのです。

そして、入れ替わり体験終了後は、自然に元の自分に戻ることができるのです。

初めての入れ替わり体験はいかがでしたか?

御主人様の気持ちが少しは理解できましたか?

御先祖様に入れ替わったことで、御主人様を見る目が変わったのではないでしょうか?たぶん御主人様もご先祖様と同じようにショックを受けていることでしょう。

いつも吾輩は、30世紀の私の子孫に驚かされているが、今度ばかりは、恐れ入った。そして、最後に子孫はこいう言った。

子孫:これからも、御先祖様からの御要望があれば、いつでも馳せ参じますよ。と言う言葉を聞いた途端、急に眠気を催してきた。

そして、しばらくすると再び白いモヤが現れ、その向こう側にどこか見覚えがある光景が広がっていた。そこには、いつもの見慣れた水色の水槽があった。

どうやら吾輩は、眠りから覚めたようで、夢を見ていたようだ。

でも、今日の夢は、今までの夢とは違い光景もはっきり覚えているので、「もしかしたら、正夢かもしれない」と思い、水槽の表面に映っている自分の顔を覗いてみた。

すると、そこには、夢の中に出てきた星形のシールが映っているではないか。

やはりこれは正夢だったのか?

そして、夢の中に出てきた我が子孫は、もしかしたら、本物だったのかもしれない。

吾輩は、さっそく同じ星形のシールを額に貼っている御主人様に聞いてみることにした。

御主人様は、まだ、布団の中でスヤスヤと寝ていたが、吾輩はテレパシーを送り起こした。

すると、御主人様は、まだ、眠たそうな目をしていたが、水槽に来て、吾輩の顔を見た。そして、御主人様は、「朝早くからいったい何の用事だい?ワシはまだ眠たいのだよ」と言った。

吾輩は、「おはようございます」と言うや、御主人様の額を見た。

すると、御主人様の額には、あの星形のシールは付いていなかった。

吾輩は、「あれっ?」と思うや、今日夢の中に出てきた内容を御主人様に話したのである。すると、最後まで真面目に聞いていた御主人様は言った。

主人:なかなか面白い話だったので、最後まで聞いていたが、本当の話なのかなぁ?~ワシは、記憶がなくて、全く覚えていないよ。と言うと、再び床に就いてしまった。

吾輩は、自分の額にはシールが貼ってあり、記憶もあるのに、どうして、御主人様には、シールもなく、記憶もないのだろう?と思ったが、しばらく考えてから、ふと我が子孫が言ったことを思い出したのである。

子孫:連邦政府は未来が変わるほどの重要な情報が洩れないようにAIがブロックし、夢から覚める時には、その情報を消去するのです。

そのため人間である御主人様は、その情報を消されたのだと思います。

その一方、吾輩のテレパシーを理解することができる人間は、御主人様と奥さん以外にはいないので、情報が拡がることはないと思い、情報にブロックがかからなかったのではないかと思います。

読者の皆様、吾輩の推論をどう思いますか?

:第151話 未来からの訪問者Part1

 第152話 未来からの訪問者Part2

 第160話 お彼岸Part1

 第162話 お彼岸Part2

:第152話 未来からの訪問者Part2

     

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第181話 未来からの訪問者(入れ替わりシール part1)

 

 白いモヤの向こう側に、どこか見覚えのある光景が広がっていた。吾輩は、「一体何だろう?」と思っていると、目が覚めた。

その光景は、我が家のリビングの白い天井であった。

吾輩が朝起きて、まず、最初に目に入るのは、水槽の水色の壁のはずなのになぁ~これっていったいどういうこと?

今日は、なんだか変だぞ!

それに、朝目覚めた時、いつもは体が甲羅に覆われて窮屈さを感じるのに、今日は、まったく感じない。

(横向きで自分の背中を見ると)あれっ、甲羅がないじゃないか。今日は、やっぱり変だ。

そこで、吾輩は、上半身だけ起き上がってみた。(よく考えてみると、カメが上半身だけ上げることはできない)

なんと吾輩は、毛布に包まれて寝ていたのである。

そして吾輩の横で、奥さんがスヤスヤ寝ているではないか。さらに、周りを見渡すと、水槽の中ではなく、リビングにいるのである。

これってどういうこと?吾輩は、いったい何者?

あっ、もしかして・・・何か嫌な予感がしてきた。

吾輩は、無性に鏡が見たくなり、洗面所へ行き鏡の前に立った。

すると、そこには、額に星印のシールのような物を付けた主人が映っていた。

吾輩は、最初は嫌な予感がしたが、だんだんと気持ちも変わり、次第に自分の水槽に戻りたくなっていった。

そして、恐る恐る自分の水槽を覗いてみた。

すると、そこには、額に星形のシールのような物を付けた吾輩がいるではないか。

その時、カメは人間と比べると、なんて小さな生き物なのか。と、思った。

そして、自分の甲羅を初めて見た。こんなに小さな体に重たい甲羅を付けていれば、人間から「カメはのろま」だと言われてもしかたがない。

吾輩(カメ子)は、そこにいる吾輩(カメになった主人)に対してテレパシーを使って聞いてみた。すると、吾輩(カメになった主人)が、話はじめたのである。

水槽の中のカメ(主人):おい、ワシの姿をしているお前はいったい誰だ?

吾輩は主人に答えた。

カメ子:カメ子だよ。あなたはご主人様ですか?

主人が言った。

主人:そうだよ。ワシはお前の主人であり、この家の主だ。

やはり、嫌な予感は的中した。吾輩と主人が入れ替わってしまったのである。なぜだか吾輩が人間になってしまったので、頭は冴えていた。

さらにカメ(主人)は言った。

主人:困ったことになってしまった。

でも、ある意味、良かったのかもしれない。

ワシが戻る所がわかったからなぁ。

さて、これからどうしたら元の状態に戻るのかを考えなくてはならん。

ところで、カメ子、こうなってしまったことについて、何か身に覚えはないか?

すると、吾輩は、「そんなものないよ」と即答した。

(あれっ、そう断言していいの?)

その後、しばらくの間、吾輩と主人は、二人が元に戻る手段を考えてみたが、頭の良い主人から何も名案は浮かばなかった。

やはり、カメになってしまった主人は、頭が冴えなくなってしまったのだろうか?

そうとなれば、後で仕返しが怖いが寝ている奥さんを叩き起こして、アドバイスを乞うた方が良いのだろうか?

何の解決策もなく二人で小田原評定※1をしていると、主人から、思いがけない話が飛び出してきたのである。

主人:あのなぁ。カメ子。ワシがお前の姿になったことに気が付いたとき、ふと思ったことがある。

それは、お前が水槽の外に出たくて、何度も水槽の壁によじ登ぼっては横転していたことだ。

どうして、何度もそんなことをするのか?と、思っていたが、これから先ずっと、こんな狭い所に閉じ込められてしまうのか?と、思うと、お前の辛い気持ちがはじめてわかったよ。狭い所に閉じ込められるのは、本当に辛いってことを・・・。

だから、何度も水槽の壁をよじ登っていたのかぁ。

食べ物も、昔はホッケの塩焼き、マグロやサケ等の刺身を与えていたが、今では、お前の体のことを考えて、マメ(魚の配合飼料)を与えている。

でも、いつも同じマメだと、美味しくても飽きるよな。

水の入れ替えにしても、3日に一回では、臭くて辛かっただろう。

お前達の餌やり、水換えの担当は、ワシ以外には誰もいない。

カメ子やカメ輔を生かすも殺すもみんなワシの心得次第だ。全て、ワシが悪かった。

ごめん。これから気を付けるよ。

それを聞き、吾輩は感激の余り、目から涙があふれてきた。そして、吾輩も主人に対する思いをさらけ出したのである。

カメ子:実は今日、自分が御主人様と入れ替わった夢を見たのだ。

まさか、これが正夢になるとは思わなかったよ。

そして、御主人のこれまでの生い立ちが走馬灯のように吾輩の頭の中を駆け巡って行ったのである。

本当のことを言うと、「人間は、いつでも美味しい物を食べられ、好きなときにいつでも外出でき、好きな所に行ける。素晴らしい人生で良いなぁ~ちょっとの間でいいから、吾輩も人間に生まれ変わって、人間の気分を味わってみたいものだ」と羨望の目で見ていた。

でも、その陰で、厳しい競争社会を勝ち抜くため弛まない努力をしていたことを、御主人の生い立ちを知って初めてわかったのである。

これからも御主人様のことを尊敬していきますので、吾輩やカメ輔のことをそっと見守ってくださいね。

吾輩は心の中の思いを全て吐き出し、安心したせいか、急に眠気がさしてきた。

すると、吾輩は、再び白いモヤに覆われ、その中に消えていったのである。

果たして、カメ子と主人は元通りのさやに収まることができるのか?

次回をお楽しみに。乞う御期待!!

 

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多くの人が集まって相談しても結論が出ず、決定を見ないことをいう 天正18年(1590)、豊臣秀吉(とよとみひでよし)が北条(ほうじょう)氏の小田原城を攻めたとき、城内で和戦の評定が長引き、ついに決定を見ないまま滅ぼされたことから出た言葉。

第180話 鬼の空念仏

 ある日、外出先から帰宅した主人が、いきなり奥さんに向かって大きな声で話しているのが聞こえた。

吾輩はその声を聞き、また何か事件が勃発しそうな嫌な予感がしてきた。

それで、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。

主人は、奥さんに向かってこう言った。

主人:今日は、3年ぶりに映画館に行って、映画を見て来たよ。

その映画にとても感動して、涙と鼻水まで出てしまった。

すると、奥さんは、とてもびっくりしたようすで話し始めた。

奥さん:ええ、うそ~ あなたが涙を流すとは、信じられない。

まさに鬼の目にも涙だわ。

だってそうでしょ。あの有名な元プロ野球選手が、「男は人前で、むやみに泣く姿を見せるものじゃない。泣いて良いのは、親が死んだときだけだ」と言っていたけど、あなたは、親が死んだ時でさえ、泣かなかったのにね。

それだけ冷酷非道なあなたが、〇〇〇〇〇〇〇を観て泣くとはねえ~やっぱり、あなたはどこか変わっているわね。

そんな奥さんの過激な発言を聞き、日ごろ温厚な主人もさすがに腹が立ったのか?

反論をしていた。「その時、ワシは喪主だったので、届懲りなく役目を努めなければいけない。と、思い泣けなかった。でも、目の前に誰も居なくなると、自然と涙があふれてしまった」と、言い訳をし、奥さんにささやかな抵抗を示したのである。

すると、すかさず奥さんが

奥さん:へぇ~そうだったの。全然気が付かなかったし、知らなかったわ。

まあ~腹黒い「鬼の〇〇〇」ではなかったから良かったじゃない。と、言ったのである。(吾輩は、初めて聞く日本語はどうも苦手で、どうしても〇〇〇の部分が理解できなかった)

主人は、その奥さんの言葉に対し、どうしても納得がいかなかったようすで、吾輩がいる水槽に近づき、こう言ったのである。

主人:なぁ、カメ子。ウミガメが涙を流すことは、よく知られているが、ワシは、お前が涙を流している姿を一度も見たことがないぞ!お前もカメの中では、冷酷無慈悲なカメなのか?と言ったのである。

主人は、どうしても、吾輩を自分と同じ仲間に入れたいようである。

吾輩は、主人の話を聞き一瞬ムカッとしたので、主人とは、テレパシーを交わさず、心の中で反論した。

カメ子:吾輩だって、今までに涙を流したことはあるのだ。

ただ、鈍感な主人は、気が付かなかっただけじゃないか。

主人は、吾輩からの回答が何もなかったので、ガッカリしたのか?

奥さんのいる方向へ歩いて行った。

吾輩は、しばらくして、主人には本当に悪いことをした。と、反省をした。

そこで、主人と仲直りするつもりで、吾輩が答えなかった理由を説明し、ついでに主人が涙を流した素晴らしい映画の題名と、聞き逃した「鬼の〇〇〇」の部分について聞くことにした。

すると、主人は納得したようすで、映画の題名と聞き逃した「鬼の〇〇〇」の部分を教えてくれた。

映画の題名は、「ゴジラ-1.0」で、吾輩が聞き逃した諺(ことわざ)は、

「鬼の空念仏(そらねんぶつ)」だった。

 

:残忍だと考えられている鬼が、念仏を口先だけで唱えているというので、冷酷な人間が、柄にもなく殊勝に振る舞うことをいう。

 

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第179話 大手術Part2

*手術後のユッカの写真です。

ついにその日がやってきた。

吾輩は、潔く手術を受ける覚悟を決めていた。

しかし、主人は、何か他の大きな物をバスケットの中に入れ、ベランダに運んでいるようである。

吾輩が、「主人はいったい何を運んでいるのかなぁ?」と思っていると、今度は奥さんがベランダに出て行った。

そして、しばらくして主人は家の中に戻ってきた。

吾輩は、「あっ、これは、もしかして、ベランダで運命の○○○が始まるのではないか?」と思った。

もし、そうだとすると、主人が重々しく持っていたバスケットの中には、もしかして、カメ輔が入っていたのかもしれない。

吾輩は、心の中で「カメ輔、がんばれ」とつぶやいた。

それから、どれくらい時間が経ったであろうか?

突然、吾輩を呼ぶ声がしてきたのである。

何とその声の持ち主はカメ輔ではないか。

カメ輔は、ベランダで大手術を受けているとばかり思っていたので、とてもびっくりした。

そして、カメ輔は言った。

カメ輔:カメ子兄ちゃん、僕のすぐ横の水槽に居るの?

吾輩は即座に答えた。

カメ子:その声はカメ輔なのかい?僕は、てっきりカメ輔が手術を受けているとばかり思っていたよ。

カメ輔:僕もカメ子兄ちゃんが手術を受けていると思っていたよ。

ふたりじゃないとすると、ベランダで手術を受けているのはいったい誰なの?

ふたりが不思議に思っていると、奥さんがリビングに戻って来て、主人に向かって言った。

奥さん:やっと、手術が終わったわ。ほら、ユッカを見て!

水をかけただけで急に葉が元気になったのよ!もしかしたら、葉を切らなくても良いかもしれないわ。

主人は、「ああ~それは良かった」とホッとした様子で返答した。

吾輩は、「な~んだ。そうだったのか。手術はユッカだったのか」と言うと、カメ輔も相槌を打った。

と、そのとき、誰かがベランダの方から吾輩に向かってテレパシーを送ってきたのである。その声をよく聞いてみると、

誰か:ちょっと、私よ、ユッカよ。なあ~んだ。とは何よ。

私のことを忘れてしまったの?

吾輩は、思わず「ごめん。ごめん」と謝った。

すると、ユッカは、とても寂しそうに話しはじめたのである。

ユッカ:実は、最近体の節々が痛くなってきたのよ。

そして、痛い所が枯れて赤茶けてしまったの。

私は、「もう、このまま、死んじゃうのじゃないか」と不安でしかたがなかったの。

そしたら、奥さんが私の惨状を見つけてくれて、「これで、助かった」と思ったのよ。

そんな大変なときにあなた達は、手術をするのは、自分ではないかと心配していたようね。私は全部見ていたので、わかっているのよ。

でも、二人とも私の存在を忘れているようだったので、私も黙っていたの。

吾輩は、「ユッカ姉さんには本当に悪いことをした」と心の底から反省し、そして、言った。

カメ子:ユッカ姉さん、ごめんね。大手術と聞いて自分のことだと思い、頭が真っ白になって、他人のことを思いやる余裕がなかったのだ。

でも、ユッカ姉さんも一言声をかけてくれたら良かったのに。

もし、言ってくれたら、もっと早く、奥さんに知らせてあげることができたのに。

奥さんは、カメの言葉が理解できるようになったのだよ!

それにしても、奥さんと主人がもう少しユッカ姉さんのことを気にしてくれたら、こんな姿にはならずに済んだのに・・・。

吾輩がそう言うと、ユッカ姉さんはこう言った。

ユッカ:もう、奥さんと主人を責めないで。

だって、私はこれまで二度も※1彼らに命を助けてもらったのよ。

カメ子くんにひとつ私からお願いがあるのだけれど、聞いてくれるかなぁ。

これから私の身に何か変わったことが起きていたら、奥さんと主人に教えてくれないかなぁ。よろしく頼みます。

主人は以前、水槽の掃除を2日に1回はしてくれていたのに、最近は3日に1回になってしまったり、毎日の食事時間も、昼間や寝る前だったりして不規則になってしまった。おかげで、吾輩の体内時計は無茶苦茶になってしまいとても困っている。

そこで、ユッカ姉さんに吾輩の味方になって欲しかったのだが、ユッカは誰の味方もしなかった。ユッカは人間?ができているなぁ。

主人と奥さん、これからも私達カメ一族やユッカ姉さんをよろしくお願いしますよ!

 

※1:第132話 命の恩人・第133話 黄泉がえりをご覧ください。

 

 

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第178話 大手術 Part1

 


 ある日の夜のことである。吾輩が、そろそろ床に就こうとしていたとき、主人と奥さんが何かひそひそ話をしているのが聞こえた。

吾輩は毎晩暇なので、いつものように二人の会話を盗み聞きすることにした。

すると、二人は、とんでもない話をしていたのである。

奥さん:ねえ、今から大事な話をするから良く聞いてね。

〇〇〇の右側の部分がひどく痛んでいるので、そのままにしておくと死んでしまうかもしれない。明日にでもその部分を切り取らなくてはいけないかもしれないわ。

すると、主人はびっくりしたようすで、こう言った。

主人:えっ、体の一部を切り取るの?

奥さんは、その質問に答えた。

奥さん:体の一部を切り取るのは、本人にとっては相当ショックなことかもしれないので、このことは当日まで黙っていた方が良いかもしれないわね。

主人:そうだね。本人にとってみれば、これは大手術だからね。

そう言って二人は、床に就いた。

これを聞いていた吾輩は、愕然とした。

現在、この家に住んでいる家族といえば、主人と奥さん、そして吾輩とカメ輔だけではないか。

奥さんが言った〇〇〇の部分がはっきり聞こえなかったが、きっと吾輩かカメ輔のどちらかのことだろうなぁ。

えっ、そんな~もしも、吾輩だったらどうしょう?

体の一部を切り取られるなんて怖いよ~でも、吾輩の体はどこも悪いところはない。

だとすると体の一部を切り取られるのはカメ輔かもしれないなぁ。

そんなことを考えていると、吾輩は、どうしても眠れそうになかった。

そこで、勇気を出してカメ輔に聞いてみた。

すると、なんと、カメ輔も主人達の話を聞いていたではないか。

それじゃ、話が早いなぁ。

カメ輔:僕も体を切り取られるのは、てっきり、カメ子兄ちゃんだと思っていたよ。

だって、僕も体の悪いところはどこも無いもの。でも、結局二人のうちのどちらかだよなぁ。

そして、吾輩は、最後にカメ輔に言った。

カメ子:まあ、体を切り取られるのがどちらでも、俺たち兄弟はこれからも仲良くしていこうなぁ。そして、主人と奥さんも大事にしていこう。

カメ輔:うん。

この時の二人は、まるで今生の別れのような会話をしていたが、睡魔には勝てず床に就いた。

さて、体の一部を切り取られるのは、吾輩か、カメ輔か、いったい、どちらでしょうか?

次回は、話が意外な方向に展開するので、乞うご期待!

 

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